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犬のいる生活

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カテゴリ:ありがとう
【注意】家人です。
本日のジジの日記は食事前、食事中、食事直後の方は読むのはお避けください。




ジジです。

昨日は大腸の内視鏡検査の日だった。
そして人生最悪の日。

前夜、渡されていた下剤を飲んだが
朝になっても出そうで出ない。
結局出ないまま、病院へ行った。

呼ばれて外科処置室と書かれた部屋に入る
何人かが呼ばれてその人たちと小さな四角いテーブルを囲む。
きょう検査をするお仲間が4人。
男はジジより年上の86歳Hさんとジジ。
女性は、70歳ぐらいの方が二人。

Hさんは胃カメラも飲んでいるし、
この検査も2度目で、こういうことに慣れておられるようだ。

看護婦さんがテキパキ説明をする。
Hさんが「きょうは4人だけ?」と看護婦さんに聞くと
「家で飲んでから病院に来る人もこの倍の人数いますよ」

下剤を2リットルの水で溶かした大きなプラスチックバッグ
がドンと4人の前に置かれた。
この液体をスケジュールに従って飲む。

何時何分までにこの線までを飲み
(だいたいコップ3杯に相当)
それから15分間は、持参のジュースなり、お茶なりを飲み
また何時何分までにこの線までを飲み――
最後の線が11時のところに書かれていた。

「トイレはこの部屋の中、すぐそこにあります」と
看護婦さん。Hさんが「ひとつだけ?」
看護婦さんが「ええ。ですから、運動がてら外にあるトイレも使ってください。
便がシャーと出るようになってそれが透明になるといい検査ができますからね、という。

お仲間の皆さんと話しながら飲んで、
排便をすべく便所へ行くも出ない。
がんばって気張ってみるが出ない。
このようなことを再三繰り返す。

そのうち気持ちが悪くなった。
決められた下剤の溶液も飲めなくなった。
あまりに吐き気がして苦しいので
看護婦さんにベッドで横にならせてもらえないか
頼んで、便所の前の寝台で寝させてもらった。

12時ごろ家人がやってきた。
ジジに「なんで寝てるの?」
看護婦さんがジジに「おうちの人ですよ」といい、
家人に経過を説明している。
「飲めなくなって……
吐き気がするといい……
顔が真っ青になって……
たぶんきょうは検査はできない……
3時ぐらいまで様子を見て……」

苦しくて目を開けることもできない。

家人が「死にそうかい?」ときく。
「死にそうだ」と答える。

手を組んで上を向いて休んでいるジジの手を
さすって「がんばって。じゃあね」と
カーテンを閉める音がして出て行く家人。

あまりに苦しいので看護婦さんに
浣腸をしてもらえないかと頼んだ。
先生に聞いてからといい、してくれることになった。

しばらくして吐き気がした。
起きて便所のドアを開けようとしたところへ家人がやってきて
「大丈夫?」と一緒に入ってくる。
外科処置室内にあるこの便所はかなり広くできているので
二人一緒に入っても狭くない。
吐きそうだ。吐く。出たのは黄色っぽい液だけ。
家人に背中をさすってもらう。
なんとかおさまった。

しばらくたって浣腸の効果か排便の気配がしてきて
便所で排便をした。便器全体に糞が飛散する。
終わって立ったが、ズボンをあげるとまたすぐしたくなる。

もうよさそうと思ってから寝台に戻った。

便所から出ようとしたら、看護婦さんが「大丈夫ですか?」
と聞いてくれる。便所の壁にはりつくように看護婦さんたちの机がある。
「なんとか」

寝台にもどってまた横になる。

すぐにまた便意。
便所のドアを開けてドアを閉めたら、
ドアを開けて家人がまた来た。
外科処置室の外の待合室にいてもこちらが見えるらしい。


パンツを汚してしまったと言ったら
替えのパンツを持ってきているからと取りに行ってすぐに戻ってきた。
汚れのないきれいなパンツにはきかえて便所を出た。

寝台に戻り横になる。
しばらくしてまた便意。

便所に入る。
家人も心配して「入るよ」と言って入ってくる。
しかし
家人が来たときには、
もう足元には便の水溜りができてしまった。

きょうはトイレに何回も通うから、
ウエストがゴムのズボンにしろと家族にいわれていた
そのズボンをおろす暇もなかった。
ズボンも汚し、靴も靴下も便だらけ。

大変な失態である。
大変な失態である。

家人が「いいよ、まだ替えのパンツあるし、
ズボンも持ってきているから」
とそれらを取りに便所を出た。
すぐに戻ってきて、大きなタオルを広げ
「みんな捨てるからここに立っていいよ」

汚れものをまとめタオルに乗せた。
ジジは、また便意で便器に座る。

家人がトイレットペーパーを使って床を拭く。
拭いては便器に座ったままのジジの股の間から
その紙を便器に入れる。
トイレが詰まるといけないと、
数回拭いた分ごとに流す。

「きょうは裸足で帰るだ」とジジがいうと
家人が「売店でスリッパを買ってくるから待ってて」

買ってきてもらったスリッパをはく。

この一部始終を便所の外の看護婦さんが聞いていた。

看護婦さん「大丈夫ですか? 何か袋あげましょうか」
家人「ください。申し訳ありません」
看護婦さん「掃除の人にやってもらうからいいですよ」
家人「だいたいきれいにしましたが、ほんとうに申し訳ないです」


家人がもらった大きなビニール袋に汚れ物を詰め込む。
「帰れる?」

うちに帰りたい。うちに帰って横になりたい。
家人と便所を出る。

家人が看護婦さんに謝罪しながら、
帰れると言っているので帰ることにするという。

看護婦さんが、次の検査のときは、何日も前から
便をやわらかくしてもらって――と言っている。

次回の予約を、といわれ、
家人が、今まだショックで考えられないと思うので
電話しますと答えていた。

外科処置室を出るとき、
深々と頭を下げて謝罪する家人。
それまで口も利けない状態のジジだったが、
ここはひとつ、きちんと謝らないといけないと思い、
「粗相してしまって申し訳なかったです」。

午後3時過ぎの待合室にはまだ少なからぬ数の患者がいた。
その中をスリッパをはいて歩く。

玄関に至る途中に便所がある。
家人が手を石鹸で洗いたいという。
処置室の便所には洗面台はあったが石鹸はなかった。
便所の脇の椅子を指し、ここに座っていろという。
ぬらしたタオルのハンカチを持ってきて
ジジもこれで手をぬぐえという。

手をぬぐい、立とうとして
待合室の椅子を汚してしまった。今度はほんの少しだが。
家人は首に巻いていたタオルの襟巻きをはずして
椅子をふいて、それを先ほどのビニール袋に入れた。

玄関に来ると、車をここまで持ってくるから待っていろという。
椅子に座って待ったが、また出そうになる。
今度は椅子を汚してはいけないと思い、
立って駐車場へ向かった。

歩いているジジの後ろにプップッとホーンが聞こえる。
振り返ると家人の車。
「そっちの駐車場じゃないよ、きょうは。
行き違うところじゃん。危ないなあ。さあ、乗って乗って」

助手席に回る間に、また、茶色い水滴が道路に落ちた。
家人の車を汚す訳にいかない。
「後ろ座席側で立ってるよ」と言ったら、
「馬鹿いってんじゃないよ。立っているほうが出るよ。

ちょうどいいのがある。クリーニングに出そう思って積んでいた
コタツの下敷き。捨てるから汚してもいいから」

それを前の座席に敷いてくれたのでそこに座る。

運転しながら
「うちに帰って、お風呂に入って
きょうはもう寝ていようね」と家人。

自宅までは15分ほどだ。
もってくれるか。

家に着いた。尻の下に敷いてもらったそのカバー、汚してしまった。
病院で買ったスリッパも汚れている。そのスリッパで
玄関に入るなといわれたので、裸足で玄関に入った。
スリッパを出されて、捨てるからこれを履けという。

すぐに風呂場へ行く。風呂場でもまだ下痢が。

家人がシャツとパンツの下着になってシャワーをかけてくれる。
石鹸で体を洗ってくれる。

ババは湯上りタオルを用意してくれる。

体全体をきれいにしてもらい、風呂から出る。
すぐ寝ろすぐ寝ろといわれる。

やっと人心地ついた気がした。
だが、すっかりくたびれている。
これまでに感じたことのない疲れ方だ。

寝台で横になってしばらくしたら
家人がペットボトルの水を持ってきて
「下痢したときは水分を取らなきゃだめだからね」。

これまでに経験したことのない現象だった。
疲れた。

ババがオシメを当てろというので、
きょうはまだオシメを当てている。

ジジの人生の中で、まさか予期せぬ一番の不快事であり、
最悪時であり、家族のありがたさを感じた事件だった。
もし家人が来ていなかったらと身が震えた。


再び家人です。

浅間病院の窓から
外科処置室の窓から見えた景色。

梅雨明けしたとみられると気象庁の発表があった日。
ジジの目には映っていなかったことだろう。







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最終更新日  2007.08.02 11:52:19
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