12月9日金曜日、朝、雪。
きょうは大学で卒論発表会がある日。一期生の卒論。大学にとっても学生にとっても記念すべき初めての卒論。聴きたい!!
休学中の身の上、チューターのS先生に「ぜひ聴講したい」とお願いしてOKをいただいた。
発表は第1~第5まで5会場にも分かれていて、クラスメート全員の発表は聴けない。聴きたいクラスメートのいる部屋に入り、後ろのほうに座らせてもらう。
皆黒のスーツ姿で発表。司会とタイムキーパーもいる。パワーポイントでつくったスライドを映しながら、はきはきした声で自信を持って発表している。
スライドが実に読みやすい。2年生、3年生のころにつくったスライドは、大きな会場だったら後ろのひとには読めないような小さな字でたくさん詰め込むこともあったが、4年生となった今は違う。ひょっとすると、授業で教授方が見せてくれたスライドよりよく出来ている!?
発表者、司会者とも段取りもよく、発表のQ&Aでの応対も素晴らしい。今まで授業で質問するのを見たことがなかったクラスメートからの質問も多数あった。
フロアから質問がなければ、司会者がすかさず質問を投げかけて。発表に対して質問がないのは関心を持ってもらえなかったことと同じ、ということで司会も立派。
医学会での講演やパネルディスカッションの起こしの仕事を長いことしてきたが、クラスメートたち、そういう学会に負けていない。
クラスメートの数だけ関心の数がある。90以上。
来年4月、今から4か月後には新人ナースとして働いているであろう皆の興味と関心には、私も同じ関心がある。
文献検討がこの卒論の研究方法なので、きっとみんなどっさり論文を丁寧に読んでいったのだろうなあ。
- ヒュ-マンエラー研究と新人看護師についての文献検討
- 保健行動の阻害因子と行動要因のきっかけ――成功事例からよりよい介入方法の考察
- 認知高齢者に対する口腔ケアの文献的研究
- 看護職におけるインシデント・アクシデントの発生要因と事故防止についての文献検討
- 疲労が看護師に与える影響に関する文献検討――看護業務の特徴、超過勤務、休憩時間とインシデント発生の関係
- 入院する子どもの学習支援の現状と課題
- 男性看護師の現状と支援に関する文献検討
- 緊急誘因をした患者の家族の真理と援助――脳血管疾患の患者
- 新人看護師のリアリティショックと離職意向との関連についての検討
クラスメートたちは成し遂げた誇りと満足感で今晩は眠りにつくのであろう。
夕方の家路に向かう車の中、皆の熱気をもらって、私もなんだか熱くなってしまい、文献をガンガン読んでバシバシPC叩いて、充実感と満足感に浸るのはやっぱりいいなあと思ってしまった。
- より良い医師と看護師の関係――日米の比較
- 看護師にできて医師にできないこと
- ナースプラクティショナー誕生に向けて――その課題
なんての。
自分の前の大学での卒論を手に取りたくなって本棚の隅から引っ張り出してみた。埃だらけ。
- 昭和軍国主義時代の教育についての一考察――国民学校を中心として
当時はITのアの字にも縁がなかった時代。原稿用紙にペンによる手書き。160枚。どこか間違いを見つけたり、書き直す必要が出ると、次のページに影響が。一か所の訂正のおかげで2、3枚を書き直したり……。そんなことにばかり気を使った記憶がある。
今はそういうテーマ外のことには気を使わないで済む。
久しぶりに大学で先生方やクラスメートとお話もできてよかった。S先生ありがとうございました。