第03話-2

セルムラント海岸線・・

ガンマは事務所から直線上・・その砂浜の外れで、二つの剣を振り続けていた


・・がんばってくださいご主人、私もこうして力の限り振り続けましょう!!


周りでは海水浴客が迷惑そうにそれを見ていた

彼自身は1000振りを目標に願掛けをし、精一杯メイの回復を祈っているのだが、いかんせん方法と場所が悪い


「・・572・・573・・・・」


ぶん、ぶん・・と炎皇、雹星が虚しく唸りを上げていた

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セルムラント国立病院・・

前ロディのいた病室から少し離れた個室に、眠るメイとネス、セラの姿があった

・・二人は黙り、ベッドのメイを見守っている


メイの熱は下がる様子を見せない・・もう四日は過ぎただろうか

意識があるのかないのか、時々胸元をかきむしるようにもがき、喘いで・・また眠ったかのように静かになる

だが・・この四日間ずっと、彼女の表情は晴れていない

熱と幻覚と戦い続けていた彼女が目覚めた時、果たして正気でいるのか・・それすらも分からない現状があった


「お姉ちゃん、どうしてこんな目に遭ってるの・・?」

「遺跡で無理矢理入れられたナノマシンが異常を起こしているようです・・」


ガンマに聞いた話と、病院の血液検査の結果がそれだ。

ネスは今は何とか落ち着いているメイを見る


「・・メイ様・・」


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・・一方、同病院の一室ではロディが医者と話し合いをしていた


「困るんですよスタンフォードさん・・毎回毎回入院の度に手段を変えて脱走して・・」

「いや、だから・・俺は一つの所に留まってるような男じゃねぇんだって」

「・・・無茶な理屈つけないでくださいよ」


医者の男はむっとした顔で、眼鏡を光らせながら言った

ロディも苦笑いしながら


「やー・・悪ィ悪ィ」

「ホントにそう思ってるなら大人しく入院期間を守ってください!・・次は死んでも保証しませんからね!?」

「・・はは・・はははは・・・悪ィってばよ・・」


さすがにバツが悪いようで、ロディは説教をしばらく食らっていた

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「うんうん・・やっぱ休日の定番は美味しいモノ食べて買い物して街をふらつくことにあるわねぇ・・♪」


メインターミナルの中程にあるレストランで、リィズはフルコースを堪能していた

知る人ぞ知る名店の一つであり、三つ星シェフが料理するのは当然の事、グルメ本のカラーページに最初から載るような店である!

高給取りではない彼女だが、ぱーっと使う事と貯金する事の両立は出来ていた


「・・一応レオネにお土産買ってかないとね。」


なんだかんだで彼女とレオネは仲がいい

いつも失敗が起きると、始末書仕上げるのを手伝ってくれたり、ぼーっとしていても副隊長としての仕事と隊長への気遣いは出来ている

・・何より、話が合うのだ


「ラルフのは・・まぁいっか」


そして報われない男、ラルフ=オルドー・・・(泣)

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セルムラント・・そして住民達がいつもと違う一日を送っていたその時、セルムラント上空からいくらかの光が地上に降り立った

沖のあたりに落着した光は・・しばらくの後移動を開始する

その数はおよそ五十・・隕石や飛行機からの落下物にしても異様な数・・それも大きい

十メートル台の光は祭典の真っ最中で浮かれる街に向かい、静かに近づいてくる・・

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その光を追って、第8特別実験小隊は旗艦「スカイ・イージス」を全速で稼働させていた


大型の巡洋艦である本機で、レオネ、ラルフ、8小隊メンバーは急いでセルムラントへ向かう


・・テロが発生すれば、街は確実に大変な事になってしまう・・!!


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