第04話-1思えば、その男と出会ってしまったのが私の不運だったのでしょうか。セルムラントの海岸線・・いつものように素振りをしていた時です ふと・・海岸に流れ着いている「人」を見つけてしまったのは・・・ 「・・大丈夫ですか?」 もう土左衛門になっているかと思ってもみましたが、とりあえず揺すって声をかけると・・ 「・・おう・・・」 ぴゅー・・・と水を吹いてその男は立ち上がったのです 「どうしたのですか、こんな所に流れ着くなんて・・?」 「いや~、賭けをしててな。」 賭け・・? そこで疑問を感じても「ああそうですか」と過ごしていれば・・ この後、私が親切心から事務所へ連れて行かなければ・・・ ・・「レースに出る」などという事態には、ならなかったのに・・ 「俺がヨットに食料を3日分だけ積んで、無事にユーラシア大陸に到達できたら五十億って賭けだ」 「・・・・」 「南極からスタートしたんだが、俺は方向音痴だったのを忘れてな。いやぁさすがにヤバかったぞぉ・・」 ・・南極・・・(汗) 「・・・とりあえず、私達の事務所にいらしてはどうでしょう?・・乾かさないとお体に障ります」 「おう、俺は親切は受け取る主義だ♪・・だがそこまでジジイ扱いするでない!」 ########################################## 「ほぉ、こんなお嬢ちゃん達が働いてるのかここは♪」 「ふぇ!?」 「きゃ・・」 セラとメイをぎゅーっ・・と抱く男 二人ともみるみる内に顔が真っ赤になり・・・・ 「いきなり何するのッ!!!」 「いやーっ!!触らないでーッ!!!」 メイはパンチをセプター化、セラはもちろん力を抑えているとはいえ利き手の右手で殴り飛ばす 「ぐばぁっ!?」 男・・もとい、ジジイはそのまま窓の外へ飛んでいってしまった。 「どうした!?何があったんだ!?」 今更のようにロディが駆けつける 「へ・・へんなおじいさんが私たちにいきなり抱きついてきて・・」 「ぬわぁぁにぃぃっ!?・・マジで許さん!成敗してくれる!!」 「・・いや、ロディ様・・それが、もう成敗されたようなもので・・・」 ガンマがメイの右手を指すと、その手はセプター化・・ロボットのように強化装甲を纏っていた さらにセラの力は言われなくてもよく知っている 「・・10tトラックの衝突より痛いパンチか。」 「体験者が語ると信憑性ありますね」 ・・のワリには骨も折れず、さっさと回復したロディの方がすごい。 ########################################## しばらくして、ジジイは性懲りもなく(?)事務所に戻ってきた 「今さっき看板を見たんだが・・まさかお前さんたちが悪名高いユニオンリバー社だったとは・・」 「悪名ってどーいう事だ、をい!?」 「ま、マスター・・抑えて抑えて」 ネスになだめられて席に座るロディ ジジイはふっ・・と笑い、無精髭を生やしたあごをしゃくりながらつぶやいた 「お前さん達ならやれると思って、常々考えてきたんだが・・どうだ、「レース」に出る気はないか?」 「レース?・・ああ、あのひらひらした奴・・」 どすっ!! セラの右肘がロディの脇腹に入っていた! くだらないボケに迅速、かつ最大の一撃が決まる!! 「・・す・・・すみませんでした」 「続けるぞ。宇宙一の最大距離を誇る大レース「ユニバーサルランナー」ってのは知ってるな?」 「・・?・・ああ、あの途中でかなりヤバいトラップが仕掛けられてるとか言う・・」 「あれだ、あれに出て勝って欲しい。」 その場にいた全員・・話を聞かず寝ているシードを除く、全員が固まった 「・・あんな危険極まりないレースに出場しろと?」 「頼むぜぇ・・あんたら以外に頼めるT.Cなんていないんだ~・・・」 ジジイは泣きながらすがってくる ロディはなんかあやしい・・とジト目で睨むが・・ 「第一、あんたら最近仕事なくて困ってるんだろ?」 決定打を突かれてしまった ロディはもう、すぐにいい顔をして答える 「引き受けましょう、ご老人♪」 そうそう、まずは明日の資金を確保して・・生き長らえる事が必要なのだ ロディはそのことをしみじみ思い出していた。 宇宙一長く、宇宙一危険なレース ・・連中は無事で済むのか、あるいはジジイの思惑とはいかに!? ########################################## 第04話「銀河を駆ける青春!」 仕事内容(メニュー):ギアによる航宙レース「ユニバーサルランナー」での優勝 目的地・標的(ターゲット):ゴール指定されている新造戦艦「グレイオン」 依頼人(クライアント):「流離の賭け人」ゼオ=グローバル 注意事項(ワーニング):何をどうしろとは言わんぞ、俺の希望は一つ・・ 何が何でも勝ってこい!!! ・次ページ ・選択に戻る ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|