もっと緑響くレストラン２

石垣島へ来て３日目の朝。今日は何の予定も入れていない。当初の予定では
部屋の窓際かテラスで椅子に座って１日ぼ～～～～～っとする予定でした。
何もしない。頭も体も使わない。頭も心も空っぽにするのが今回の旅の
テーマ。色んな難しい事や仕事の事を忘れる時間を作るつもりで来た旅。
すでに色んな訳の判らない事柄を頭の中で巡らせていましたが、それは
自分の中の悪い癖。日頃から自分自身の雑念の多さに呆れている私。
そんな雑念さえ無くそうと思っていたのだが、中々上手くは行かない。

ホテルの朝食を食べながら考える。ベランダに１日いて、日焼けすると
まずいかなぁとか、１日寝てたら夜に寝れなくなって生活が逆転したら
仕事に影響するかなぁとか、もうすでに無駄な悩みを展開している。
そんな事を頭に巡らせながら、ビュッフェスタイルの朝食で、上下半分に
されたベーグルを電子レンジで温めて、ハムを乗せ、チーズを乗せ、トマトを
乗せ、マスタードをひいてから、レタスを乗せ、残り半分のベーグルを上から
挟み、味や触感を感じながら次はジャムを挟もうかとか、卵を挟もうかとか
別の事を考えている。さすがリゾートホテルの朝食は美味しい。和食も洋食も
美味しい。沖縄ならではのパイナップルジュースなども頂く。
八重山かまぼこや、あわさのりと表記された岩のりも美味しく頂いた。
でもこの朝食レストラン、不満は無いのだが、他のホテルのビュッフェレストラン
と比べて、何かが足りない感じがする。その何かは結局判らなかったのだが
部屋においてあったアンケート用紙にも、その事は書き込んだ。

私は店のアンケート用紙に書き込むのが好きだ。悪い事でも良い事でも何でも
書き込む。少しお酒でも入っていたら、書き込む枠をはみ出して、用紙いっぱいに
細かい字で用紙が真っ黒になるまで書く。時には食材や物事の歴史をひも解いて
延々と、長い文章で書き込む。そんな時は用紙の裏側までも真っ黒になるまで
書き込む。きっと嫌な客だろうなぁ。

部屋に戻ってシャワーブースで髪を洗った後、奥さんが天気も良いし、レンタカー
でも借りて島の端の方に行って、ぼーっとしようかと言う。早速フロントに
電話してレンタカーを手配してもらう。島のレンタカー会社はホテルに迎えに
来てくれる。サービス合戦なんだろうなぁ。車に乗り込み、まずは北へ向う。
石垣の人に道を聞くと、本土の人とは違う案内をしてくれる。例えば本土では
道を聞くと「あの角を右に曲がって、しばらく進んで○○を左へ・・・」等と
右・左で道を案内するが、石垣島の人は「あの角を南に曲がって、しばらく
進んで北へ曲がって」と東西南北で方向を教えてくれる。私にとってそれは
苦にならないのだが、知らない土地で東へ西へと言われても判らない人が
居るだろうなぁと思う。

市街地を抜けて新しい建物も無くなり、コンビニも無くなり、さとうきび畑や
牛の牧場が広がる田舎道。信号なんてものはまったく無い。国道をのんびり
走る。海岸に向う細い道を見つけ、曲がって入っていく。広くて長い海岸に
出る。遥か遠くまで伸びる砂浜。海はエメラルドグリーン。都会人にとって
写真でしか見た事が無い素晴らしい風景。昨日のオプショナルツアーのガイド
さんに教えてもらったのだが、海の色が綺麗なエメラルド色なのは、珊瑚が
波の浸食や台風の影響など色んな出来事で折れたりして、海底に沢山溜まり
それが細かく砕けて白い砂の様になっている所へ太陽の陽射しであの様な
エメラルドグリーンに見えるらしい。珊瑚は死んでも海を綺麗に見せてくれる
んだね。さらに国道を北上すると、道沿いに島田紳助の店があった。
更に道を進み石垣島の最北端にある平久保灯台に到着。あまりの絶景に
写真を撮る。観光地として昼間に来ているから景色も素晴らしいが、夜来たら、
民家も無ければ街灯も無く、さとうきび畑しかないので淋しいだろうなぁ。
でも地元の方はそれで当たり前。ハブやサソリも居るし、やはり私は離島には
住めない。来た道を戻るとさっき見かけた紳助の店がオープンしていた。
さっきは開店前だったようで、誰も居なかったが帰りは観光客のレンタカーで
店はいっぱい。みんなよく知ってるなぁと感心する反面、こんな所にまで来て、
芸能人の店に行きたいのかと思ってしまう。
島の北側をのんびり走る。本当に信号なるものがまったく無く、海を見ながら
交通量の少ない田舎道を走る。途中、新しそうな小さい喫茶店風の建物の店で
昼食をとる。石垣牛のカレーと八重山そばを頂く。

八重山そばは基本的に沖縄本島のソーキそばと同じらしいが、麺が細い。
ソーキそばは豚の大きな三枚肉を乗せるが、八重山そばは細く切ったラフテーと
かまぼこを乗せている。沖縄本島のソーキそばも色んなスタイルがあるので、
一概には言えないが、僕は八重山そばの方が好みである。石垣牛のカレーは
その名の通り石垣牛の肉がカレーに入っているのだろう。石垣牛がブランド牛に
なったのは、沖縄サミットの時である。各国の首脳に食べて頂く肉として
選ばれた。元々石垣牛の子牛は神戸牛や松坂牛の元牛である。その石垣牛の
子牛を大人の牛にまで育てた肉牛がブランド牛として食されている。
石垣牛は１年中過ごし易い温暖な気候と、その気候のおかげでいつも食べる草が
豊富に生えているのが良い牛に育つ要因になっている。確かにこの気候は
国道を走っていても判る。道の沿道には何処まで走っても、いつもカサブランカが
花を咲かせていた。この気候のおかげであろう。
昼食後は西へもう少し走り、川平湾の景勝地を見に行く。湾内にある小さな
島や岩の海面近くが侵食されてくびれた様になっている。海の色も綺麗な
エメラルドグリーン。そこをグラスボートが客を乗せて珊瑚礁を見せている。
やはりそれらの珊瑚の細かく砕けた砂状の物が太陽光の加減により、
あの美しい色をだしているのだろうなぁと思う。

今日はここまで。