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5回目の命日は地震の翌日だった。
仕事は出勤にしていたから、日曜に車で墓参に行った。 何度も揺れる余震、あの人のそばにいられて良かった。 お盆が来た。 いつものように出遅れの私。 とりどりの色の菊、まかれた米粒、最後まで燃えきらなかった線香の束。 日の浅い頃はあたしがいつも先だったのに。 ぼんやりと思い出す。 H君の丸いお腹。 太ってはいなかったのに、異様にぷっくらしたお腹だった。 そんな姿を思い出したのは、暑いからだと思った。 暑いと上半身裸になって部屋の中をダラダラしてたこともあったな、って。 蝉や鳥の鳴き声、小川のせせらぎ。流れる大きな白い雲。 あの人に見せたい。 あたしがいて、少しでも苦しさは減った? H君に話しかけた。 闘病中ということだけではなく、あたしと出逢ってからのH君の人生において。 私は今もその答えを問い続けているような気がした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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