いい つも、楽天に戻りたいなと思っていたような日々だった。 でも、1日に6時間以上はネットに費やして、 それでも更新ができなくて悩んだり、 若い私がそこにはいた。 じゃ、どうすればいいのだろう? あの場でしか、 会えないお友達が居る。 いつも会えなくても、 例えば一日おき、 PCの前で5分でも会えれば その人が元気なのがわかれば。 気が向いた時にだけ、来て。 そして痕跡がわかって。 私は毎日、終電の0時30分まで毎日働いていた。土日も返上して働いた。 基盤がまるでない会社で、秘書マニュアルに即するものを 必死で作り上げていこうと思っていた。私のために。このボスと、会社のために。 「早く、自分の時間を作ろう」 相変わらず、睡眠不足には悲しいかな慣れていた。 いつも明け方まで仕事をしても、最後まで元気に朝食へ行くと言い出すのは私だった。 家に帰っては、これまでと全く違う業界に入ってイチからやり直しの自分に、 叩き込むように本を読んだ。 ボスにしかられる度、その言われた事を一字一句思い出し、手帳に書き連ねて毎日見た。 どれだけのお言葉をいただいただろう。 どれだけ泣いて、こらえてきただろう。 秘書になりたての頃には、お茶だしや敬語、マナーという、社会人一年生のお勉強ばかりだった。 秘書検定だってそれに即している。 一番大事なことは、そこにはなかった。 「上長の意見や考えを自分の中に蓄積し、意識して業務に臨む」 私はもう、秘書暦8年目を迎えていた。 すでに"補佐型秘書"から脱皮の時が来ていたのだ。 言われた事をただこなせばいいといワケではなくなった。 ひとつ、たとえばお客様への訪問予定を調整する。 なぜこの日なのか。この時間なのか。この場所なのか。お手土産は? その方の最近の動向は?この優先度は先におこなった調整より上なのか? 同席者は必要か?前後の予定に支障はないのか?移動手段は? このアポイントをする前に必要な打ち合わせはあるのか?アジェンダは? 様々な情報をかき集めて、ボスに 「●月●日、午後3時より1時間、延長見込みは30分ですので前後ご予定に差し支えございません。」 日程の候補を提示する。 ボスが思っていた日程とピタリ当たれば、即そのままお客様と調整を始める。 もし違っていたら。 イチからやり直しだ。落ち込んでいるヒマなんてなかった。 時間が勝負のこの仕事で、いちいち私情は挟んでいられない。 最初の頃には「意思決定」の手順を私はまるでわかっておらず、 そして情報伝達の仕方や、報告の方法すら、まだ、叩き込まれていなかった。 1年もの間、私は1日平均で13時間は働いていた。 ▼ ち |