ヤマノススメ セカンドシーズン
新三合目 「山に登るということ」
★ファーストシーズンはこちら→ 「
ヤマノススメ」
三ツ峠山の麓。これから本格登山に挑戦。それにしてもどうして行先をないしょにしていたのかなと考えながら歩くあおい。
【
達磨(だるま)石】 文字は梵字で「アーク」大日如来の意味。
思ってたより歩きやすい道だねと言いながら登る4人。あちこちにベンチもある。というか、ベンチ多すぎじゃない? とあおい。楽勝かもと思う。
【
股のぞき】 二股に分かれた幹の間から富士山が見えるビューポイント。
ひなたは慌てて先を急ごうと言ってスルー。かえでとここなも続く。どうしたのかなみんな急にと思いながらあおいがふとふり返ると富士山がきれいに見えていた。
富士山が~と言いかけて、あおいは気づく。もしかしてこれはサプライズ? 私が前に富士山を見たいって言ったから。とりあえず、知らないふりをすることにする。ひなたがせっかく計画してくれたんだし。
【
馬返し】 ここを過ぎると坂がきつくなってきた。馬もかえっちゃうはずだ。気をつけてねとかえで。あおいは遅れ始める。
きつい斜面、岩だらけで歩きにくい。みんなに追いつかなきゃと思いながら休んでいる時間が長くなる。しんどい。足が痛いし、ザックが重い。楽しくない。辛い、もう帰りたい、何でこんなところに来ちゃったんだろ。ベンチで休みたいが、さっきまでいっぱいあったのにない.....かえでが大丈夫?ちょっと休もうと声をかけた。
頑張りすぎたねとかえで。サプライズ、気づかないふりしてたんでしょと言う。登山はペースを守り疲れたら休む。かえでがチョコレートを差し出した。美味しいチョコを食べて笑顔になるあおい。休んで元気が戻ったら歩く。ゆっくり自分のペースで。歩幅を短くするといいとかえでがアドバイス。
ジメジメしてるとお互い気が滅入っちゃうからねとかえでは言った。だから、かえでさんはいつも笑顔なんだとあおいは思った。ひなたは、ここなにちょっと無茶だったかなと話していた。いきなり本格的な山は結構きついよねと言うと。そうですね、でもきっと大丈夫ですとここなは答えた。
かえでが折りたたみのストックをあおいに貸してくれた。ひなたとここなに追いついた。お待たせというあおいに、別に待ってたわけじゃないけどとひなた。ちょっとペースをあげすぎたかな、ここからは慌てないでゆっくり行こうと言った。
【
八十八大師】 江戸末期に作られたという石仏。
お地蔵さんは81体あって、全部顔が違う。
【
親不知(おやしらず)】 登山の安全を祈願して刻んだ石碑。
南無阿弥陀仏などの文字がある。
湧き水がおいしい~
木漏れ日が気持ちいい。辛いのは変わらないけど何か楽しいと思うあおい。すると前方は崖? 左側は断崖絶壁? ここを通るの? 落ちたら助からないだろうなと立ち止まるあおい。先に行ったひなたとここなが大丈夫だよと声をかける。地面だけ見て歩いてみ、怖くないからとひなた。
まわりを見ないで足元だけ見てガレ場を進む。かえでに言われて歩いてみると、ほんとだ、あんまり怖くない。これならなんとかなるかも。やっと崖を通り過ぎた。見返すと普通に怖いけど何とかなるもんですねとあおい。ひなたに言われて見ると富士山が見えた。
富士山て、ほんと絵みたいに青い。私でも見られるんだ、こんな景色。写真とかよりきれいに見える。ここまで自分の足で歩いて来たからだ。あおいは、ありがとうとひなたに言った。もしかして途中で気づいてた?とひなた。関係ないよ、ホントありがとうとあおいは言った。
今まで何のために歩いてきたかよくわかった。こんな景色を見るためだったんだ。さっきまでより空が広い。
頂上まで、あと少し。
★あ、やっぱり富士山は気づきましたね。でも苦労して登って見た富士山は、どんなにかきれいだったことでしょう。それにしても高尾山の次が三つ峠じゃ、ちょっときつかったかな。かえでさんにも、かなり助けられましたね。岩場は高所恐怖症のあおいには大変だったでしょうね。私は崖を見たら登りたくなる人だから気持ちはわからないけどw いいお話でした。って、山頂、まだでしたね。次もとても楽しみです。
では、また来週、ヤッホー(^^)/