ブックレビュー:青の祓魔師 スパイゲーム
皆さんこんにちは。今回のブックレビューは、漫画「青の祓魔師」の小説版第4弾「青の祓魔師 スパイゲーム」のレビューです。表題作に始まる賑やかなエピソードが多くを占める中、ラストエピソードがなかなか面白かったので、その感想を書きたいと思います。発売から時間がたっているのでネタバレも何もないかもしれませんが、未読の方はお気を付けください。タイトルは「驟雨」です。驟雨とは「急に降り出し、強弱の激しい変化を繰り返しながら、急に降り止む雨。」と辞書にあります。この短編の主役たる彼は人生を驟雨に例えます。居酒屋の一夜の出来事なのですが、その居酒屋の女将は若く朗らかな好青年と見ていた彼のその発言を聞いて、一瞬彼が年老いた男かのように思います。後に聖十字騎士団の団員がその居酒屋に来て、昔の彼の写真を見せ、見覚えがないかと女将に聞きます。彼女は知らないと答えてしまいます。なぜかというと、その夜の明るい彼の表情と昔の彼の陰鬱な表情が重ならないのです。彼の人生に吹く雨は今どんな状態なのでしょうか?多くは語られていませんが、周囲からの期待に応えられない悔しさや周りと比べての劣等感にさいなまれていたという彼。すべてを投げ出し、自分の思うままに生きることを決めた彼。ある意味彼は楽になれたのかもしれません。しかし今後彼がどうなるかは、誰にもわかりません。「驟雨」とは急に降りやむのです。以上「驟雨」のレビューでした。かっこつけて主役の名前を彼と表記し、本名を書きませんでしたが、ファンの方なら普通にわかると思います。この作品は若者が主役でありながら、大人の哀愁にあふれていますね。若者もいずれ大人になるということでしょうか。彼らの目標・宿敵・親と様々な大人が登場しますが、現実に生きる私たちも大人として若者に誇れる背中を見せたいですね。と、あまり誇れるところがない私が言っています(笑)長文失礼しました。これでブックレビューを終わりとします。ご閲覧ありがとうございました。それではまた。青の祓魔師 スパイ・ゲーム (JUMP j BOOKS) [ 矢島 綾 ]