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「テロ容疑者」を裁くための法案がアメリカの上下両院を通過した。捕虜の待遇を定めたジュネーブ条約などを無視、同国の法体系が定めている権利をほとんど無効にする内容だが、27日に下院は253対168で、また翌28日には上院が65対34で可決、最高裁で違憲と判断される可能性は残されているが、とりあえず「特別軍事法廷」を設置できることになった。同時に、令状なしの盗聴を認める法案も下院は232対191で可決している。
CIAは世界各地に設置した秘密刑務所で拷問を繰り返してきたと指摘されている。肉体的に外見上、傷つけなければ、どのような苦痛を与えても「拷問」ではないとする考え方がアメリカの現政権の中に存在していることを考えると、今回の法案は事実上、拷問を合法化するものだとも言えるだろう。 ジョージ・W・ブッシュ大統領は、「テロとの戦争」を戦うために必要な法律だと強調している。が、その「テロ」を激化させたのはブッシュ大統領の政策だということを忘れてはならない。イラクやアフガニスタンに対する先制戦争が「テロ」を拡大していることはアメリカ自身も認めていること。「テロとの戦争」は「テロリスト」を作り出すシステムにすぎない。 歴史を振り返ると、CIAやFBIは戦争に反対する人々を「テロリスト」と定義してきた。1972年、リチャード・ヘルムズCIA長官は市民監視の口実として「テロリスト」を持ち出している。1979年になると、アメリカとイスラエルの情報機関に関係する人々は「国際テロリズム」の黒幕はソ連だと宣伝しはじめ、そのソ連と戦う「自由の戦士」を編成、育成、支援しはじめる。そうした戦士の中にアルカイダが含まれていたことは広く知られている。 要するに、アメリカの権力者は、自分たちにとって都合の悪い国、組織、人を「テロリスト」と呼んでいるにすぎない。手あかのついた「アカ」に代わる新しい攻撃用の呪文と言えるかもしれない。 米国防総省の元高官、ダニエル・エルズバーグは「アメリカの生存を脅かし、欺瞞と恐怖の手段を行使し、残虐の限りをつくしても良心の呵責を感じないような敵」に対しては、何をしても許されるとアメリカ人は考えるようになったと指摘している。 現在、中東のイスラム教徒やラテン・アメリカの一般民衆にとってアメリカは自分たちの「生存を脅かし、欺瞞と恐怖の手段を行使し、残虐の限りをつくしても良心の呵責を感じないような敵」になっている。そうした人たちにとってアメリカは「テロリストの国」であり、アメリカの兵士は「テロリスト」ということになる。「テロリスト」の人権は認めないとする法律を作ったのはアメリカだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/10/02 02:22:49 PM
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