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10月11日、イギリスの医学雑誌「ランセット」(電子版)にイラク人犠牲者に関する新しい調査報告が掲載された。それによると、2003年3月から2006年7月までの期間に65万4965名以上のイラク人が死亡、このうち60万1027名は暴力行為が原因で、その56パーセントは銃撃、13パーセントは車の爆破、14パーセントはその他の爆破、空爆によるものは13パーセントだという。この数字はアメリカのジョーンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部とイラクの医者の調査に基づくものである。
イラク人犠牲者の数を増やしているベースには乱暴な掃討作戦がある。2003年、占領を始めるとアメリカ軍はすぐに作戦を開始するが、その指揮官は狂信的なキリスト教原理主義者として知られ、アメリカの大統領は有権者でなく神が決めるのだと公言しているウィリアム・ボイキン中将。2003年6月に少将から昇進、国防副次官に就任している。 国防副次官に任命された頃、ボイキンはオクラホマ州の教会で、真の敵はオサマ・ビン・ラディンでもサダム・フセインでもなく「暗黒の天使」だと講演している。「テロリスト」がアメリカを嫌うのは、アメリカがキリスト教徒の国だからだともいう。こうした発言はアメリカのネットワーク局NBCやロサンゼルス・タイムズなどが報道している。 1993年にボイキンはソマリアに派遣されている。そこで18名のアメリカ兵が戦死した「ブラックホーク・ダウン」を経験、その直後に首都モガジシュで撮影された写真の中に奇妙な印があることに彼は気づいたと主張している。「暗黒の使い、ルシフェルこそが倒すべき敵だと神は私に啓示されました」というのだ。彼にとって「テロとの戦い」は宗教戦争以外の何ものでもない。 ボイキンのようなキリスト教原理主義者はカルトの領域に達している。そうした人物がアメリカ軍の中で影響力を増しつつあるといわれている。ビル・ブライトが創設した「軍の聖職者」に入会している軍人は1987年時点で400名、クレイグ・バッキンガム退役少将の「将校キリスト協会」には約7000名の将校が参加している。イラン・コントラ事件で有名になったオリバー・ノース中佐もこの協会に所属している。現在のイラクは彼らにとって戦闘訓練の場になっているのかもしれない。 こうした宗教集団は戦争をシリアやイランに拡大、さらに第3次世界大戦を始めようとしているようだ。イスラエルがレバノンに侵攻した際、キリスト教原理主義の有力指導者、パット・ロバートソンがイスラエルの軍事作戦を応援したのもそのためである。 現在、イラクではアメリカ軍の掃討部隊だけでなく、イラク人の「死の部隊」が暗躍、殺戮を繰り返しているとも言われている。こうした積み重ねが65万人を超す死者となって現れていると言えるだろう。ありもしない「大量破壊兵器」を口実にして始めたこの戦争。その責任の一端が日本の政府やマスコミにあることも忘れてはならない。
Last updated
2006/10/12 05:00:10 PM
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