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カテゴリ:映画
やっと「ヒックとドラゴン」観たよん。
面白かった。 すごく丁寧に丁寧に作られた、まさしくエンターテイナーな映画に感心した。 脚本、演技、映像、音楽、全てクオリティが高い! 無駄なシーンがない。そして圧倒的に美しい映像空間。 こういう映画作りに参加できた人は幸せだろうなあ。 なんかこう、納期がー、予算がー、シガラミがー、って裏側が透けて見える作品が多いからさー。 えっ、これでいいと思ってんの?ほんとは作り手もやばいと思ってるでしょ、なし崩しで完成させちゃったでしょ、てまあ何とは言わんけど(^_^;)そんな映画に比べると、その丁寧な作品作りが清々しいわー。 時間と予算と才能と情熱をたっぷりつぎ込んだ感じ。 以下ネタバレ。 ストーリーが王道とか、ベタとか、の評価をよく見かけたけど、王道、なんかな? 似た話あるっけ? 「ET」とか? 「ナウシカ」っぽい気もするし。「アバター」って気もする。 ああ、アニメの「ポケモン」もかぶってるかなー。 少年の成長、異文化コミュニケーション、飛行シーン、アクションバトル。 伏線というか、前振りがあまりにはっきりしてるのが、わかりやすくていいのかな。 「竜を殺せ」って言ってたのは、もちろん「竜は殺さなくていい」の前振り。 「仲間外れ」は「人気者」「チーム結成」の前振り。 「父と仲違い」は、当然最後に「父と和解」。 「ヒロインに嫌われる」は、「デレ展開」の前振り。 「変な発明で大迷惑」は「すごい発明で大活躍」するし。 ストーリー上も、「竜の巣が見つからなくて困ったー」→「やっと見つかったー」で素直な進み方。 「竜の口の中は弱点」もぜってー最後につかうだろーと思ったらほんとにまんま使った。 そして、問題のラストも「竜の尾羽」と「少年の片足」で対応させてる。 まー、ラストは正直びっくりしたけど、前振りはあった訳だ。 文句ない名作なんだけど、なんかそんなにのめりこめなかった。スマヌ。 多分、私には猫萌えとか獣萌えの因子が全くないからだろうなあ。 人非人で申し訳ない(^_^;)。 現実の猫でも犬でも、確かに見た目は可愛いとは思うけど、飼いたいとか愛でたいとかモフモフかわいがりたいとか、思えないんだなー。 猫喫茶行っても、ワンワン王国行っても、一人だけ盛り上がれない人なんですorz。 ましてやドラゴン、いくらかわいい顔やしぐさを見ても、キバ生えて火吹く生き物と仲良くなれる気がしない。 なんでトゥースをヒックが乗りこなせるのか、なんでトゥースはヒックの言うことを聞くのか、そういう人と獣の絆的なものもピンと来ない。 だからまあその映画最大の売りであろう、トゥース萌え、が乗り切れませんでした。 ごめんなさい。 そのついでで、映画最大の盛り上がりであろう飛行シーンも、トゥースがあまりに言うことききすぎて、万能すぎて、なんであの人達落ちないんだろうって不思議で、それが気になって素直にのめりこめなかったなー。 ほんでヒックが、実はできるやつなのも、なんかあんまカタルシスないなあ、なんて思っちゃったり(^_^;)。 ヒックのあかんとこって、痩せてるってだけじゃない? かなり頭いいよ、勇気もあるじゃん、あんだけドラゴン乗りこなせるってことは運動音痴とは言えない、顔も悪くない。 戦士じゃないけど、ちゃんと鍛冶屋の仕事もしてる。 何より、けっこう口が上手い、しゃべるし、表情も生き生きしてる、バタくさいオーバーアクションは、洋物アニメの主役って感じ。 (ちょっと「シュガーラッシュ」のフィリックス君に似てる。) まあその、痩せてるってことと、頭いい(好奇心旺盛、変な発明)こと、それが正にバイキングの価値観じゃマイナスなんだけど。 でも現代の価値観だと、イケメンじゃん(^_^;)。 いけてるやん、出来過ぎなくらい。 つまり、おかしいのはバイキング社会で、ヒックは現代的なだけという演出。 アメリカ人からすると違うのかもしれんけど。 もっとこう、根暗だったり、オタクだったり、口ベタだったり、挙動不審だったり、泣き虫だったりして、かわいそうないじめられっ子のリベンジ的なストーリーを期待しちゃってたのが、ちょっとぬるかったかなー、と。 もっとハミ出し者してる方が、現実社会ではうまくいってないから、ドラゴンにのめりこんでいく、という理由付けになると思うのね。 バイキング社会ってのもマッチョイズムで困ったもんなんだけど、ドロドロ陰湿じゃなくて、カラッとしてる。 いい方の田舎の人たち、単純。 だから前半のイジメも、全然たいしたことない。ちょっと仲間外れなだけ。 そもそも、イジメというのは、学校とか会社とか軍隊とか、長時間生活を共にすると出てくるんだろうけど、それぞれが忙しく働いてたらイジメるほど接点がない。 まあもちろん、長の息子であることのプレッシャーやら、父に認められていないという辛さ、はあったんだろう。 だから、せめて発明でドラゴン倒して見返してやろうとして、変な発明作っては大失敗で余計呆れられる、と。 それにしても、ちょっと中途半端じゃないかなあ。 イジメられるんなら、もっと暗いやつでもっとイジメられてた方がいい。 いっそ、イジメ要素なくして、健全な少年が健全に頑張る話(「ラピュタ」のパズーみたいな)の方がよかったかも。 子どもだからまだ実際にドラゴン殺したことはない、とすれば展開も無理ないんじゃない? 余計なお世話ですが(^_^;)。 初めて馬に乗った人、って勇気あったと思う。 馬は、人を背に乗せるために進化したんじゃないのに。 誰も思いつかないよー、特に野生の馬なんて触るだけで大変そう。 でも今は、まるで人と馬はあつらえたようにピッタリ、馬に乗って意のままに乗りこなせる(らしい)。 最初にした人は天才だよ。 そう考えると、人間てのはドラゴンさえ乗りこなせるものなのかもしれない。 で、その天才がヒック。 どうしても気になったのは、あのラスト近く、若者達が急にドラゴン乗りこなして、大人の救出に向かったのは、いくらなんでも早すぎない? 「アイアンマン」の敵さん思い出したよ。 「あんたいつ練習したんかい!」ってツッコミ入るで(^_^;)。 前半の主人公の練習シーンに時間たっぷりかけてるのに、他の人はすぐ操れちゃったら台無しじゃん! そもそもバイキングって海賊だから、強盗やら殺人やらバンバンやってて、もっと殺伐としてるんだけど、これじゃただの漁師町。 まあそこはいい意味での、「子ども向け」映画ってことで、全体的に残酷表現は抑え目でカンベンしたげる。(偉そうに(^_^;)) 訓練用にドラゴンを捕まえて飼ってて(多分何十年も)、それまでドラゴンを手なずけることに気づかなかったてのも間抜けな話だ。 ラストの義足だってさー、目が覚めるまで気づかなかったって有り? ぶっちゃけめちゃくちゃ痛いと思うんですけど。 あの世界の医療技術だと、手術も荒っぽそうだしさー。 まあ、リアルに考えるとけっこうツッコミ所の多い話だわな。 ネットのレビューでは、大人も楽しめる傑作! って褒めてるのをよく見たけど、確かに面白かったけど、やっぱ子ども向けだよなあこれ。 ちょっと大雑把だし、ちょっとお利口さんすぎる、よね。 もちろん、子どもの方をちゃんと向いて作ってる映画ってのは、素晴らしいよ! そういや、私的にはドラゴン辞典がけっこう面白かったかなあ。 あの絵の雰囲気も好きだし、ドラゴンの種類とか習性とかも面白い。 いろんなドラゴンを創造するの楽しかったろうなあ。 ラスボスドラゴンも怪獣チックでよかったよ! ----追記(関連項目を追加しました)---- 関連項目 「ヒックとドラゴン」追記【ネタバレ】 ドリームワークス関連 【ネタバレ】「カンフーパンダ2」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.04.20 09:01:25
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