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暮らし20120116
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暮らし

2012年 1月16日

〈介護〉体をいためない 古武術介護〈27〉 床への座り方







基本的な介護技術(19)

床への座り方

理学療法士 介護福祉士 岡田慎一郎

 前回までは「床からの立ち上がり」を紹介しましたが、今回は逆の動作である「床への

座り方」を行います。共通点も多くありますので、前回までの経験を踏まえて取り組んで

いきましょう。

 足腰が弱い方が床に座る場合、尻もちをつくことが少なくありません。何とか、脚力で

座ろうとしたものの、筋肉とバランス感覚を使いこなしにくくなった結果といえます。

 しかし、だからといって突然、全てを介護すると相手の動きを制限し、リハビリ効果を

奪いかねません。今回の場合、脚力だけで座ろうとせず、手も使うことが効果的です。

 まず、立った状態から股関節と膝を曲げ、片手ずつ手のひらを床につけます。両手両足

の4点で体を支え、体勢が安定します。

 次に、つま先を後ろに引きながら、片足ずつ膝を床につけていきます。ちょうど"四つ

んばい"の体勢です。

 そこから、顔を横に向けると自然に上半身が前傾し、膝が交互にずれて、臀部を床に下

ろしやすくなります。体に力が入っていると一連の動作が起きにくくなるので、リラック

スして行います。

 "横座り"のようになったら、本人が座りやすいよう、手足の位置を整えましょう。

 ポイントは、立った状態から腰を下ろしていくまでを「いかに筋力に頼らず、バランス

が取れた状態で動けるか」にあります。

 上手にできない方の場合は、骨盤の辺りを軽く支えることで、バランスが取りやすくな

り、動作がスムーズになります。

 今回の座り方は特別なものではなく、膝や足首などを痛めた時、自然と行っている動き

です。普段は筋力でしている動きが、ケガなどで筋力に頼れなくなると、合理的な動きに

変化しているのです。

 このような視点で自身の動きを見直すと、介護を受ける方への対応も、より良くなって

いくことと思います。









暮らし

2012年 1月16日

〈こころの絆〉読者の体験談



 今回の「介護」のページは、読者の皆さまから寄せられた体験談を「こころの絆」拡大

版として紹介します。

日程表作り役割分担

三重県名張市 北田静江(主婦 61歳)

 大阪で一人暮らしをしていた母は、数年前から買い物や炊事が困難になりました。そこ

で、私たち4人姉妹はそれぞれの役割分担を決め、介護に当たりました。

 四女の私以外、3人の姉たちは皆、関西に住んでいます。

 日常的には、近くに住む長女が母の世話をよくやり、車を運転する次女は病院などへの

送迎を担当。脳梗塞で倒れたことがある三女は、介護される身なので、母に経済的な支援

をしています。

 遠方に住む私は、週1回は母の所へ行き、役所の手続きやケアマネジャーとの連絡など

事務的な作業を。4人とも初めは試行錯誤でしたが、1カ月の「日程表」を作り、3食の

担当と泊まりの当番を決めました。

 母の状態は変化するので予定通りにいかない場合もありますが、日程表があることで、

姉妹には"今日は誰が行く"という安心感がありました。

 介護する私たちも年を取り、生活環境や経済的な事情も異なるので、それぞれが"でき

る範囲でやれること"を考えたのです。

 現在、母は介護施設に入所。今でも週1回程度は会いに行っていますが、母の笑顔を見

るたびに"姉妹で奮闘した日々"を懐かしく思い出します。

 

仲間との交流が励み

東京都江戸川区 安藤依子(主婦 67歳)

 私は6年間、自宅で父を介護しました。

 体が大きくて重い父は、施設の一時利用も嫌がり、私は腰を痛めて困り果てたことも。

泣きながら「私が元気で面倒みれた方がいいでしょ」と言うと、父は納得し、月1回ほど

は施設を利用するようになりました。

 父が施設にいる間、私は"ミニ旅行"に出掛けるなどでリフレッシュを。帰宅すると、

再び笑顔で介護できるようになりました。

 さらに、地域の介護者で「姥蕾会」という集いを作り、食事等の交流も。互いの苦労話

を聞いて"自分だけではない"との思いになれたことが励みとなり、交流は介護が終わっ

た今も続いています。

 介護中、食事は栄養バランスを考えて作りましたが、たまには父の好物だけを食べさせ

てあげました。また、部屋の中に爽やかな花を飾ることで、自分の心も軽やかになりまし

た。

 「人生は太く短く」と荒れた生活をしていた夫は、父の姿を見て生活習慣が一変。飲酒

は少量にし、健康維持に努めています。

 私は「生きるということは戦いである」ということを父に学び、優しさと忍耐を教えて

もらいました。大変だったけれども、介護できたことに心から感謝しています。

暮らし

2012年 1月16日

〈こころの絆〉読者の体験談



「老いては子に従え」

北九州市八幡東区 土橋敏子(介護職 71歳)

 福島で、弟夫婦と共に暮らしていた母。弟の嫁が他界すると母は「女の人がそばにいて

ほしい」と言うようになり、わが家に遊びに来ました。

 その時、病院で検診を受けると、医師から軽い認知症が始まっていることを指摘され、

介護を受けるようにと勧められたのです。

 以前から家族も、うすうす感じていましたが、母が介護を望まなかったため、そのまま

にしていました。

 この時も母は「なんで介護を受けなければならないの?」と合点がいかない様子。私が

「体験しないと、必要か分からないでしょ」と話すと、納得した母は、少しずつヘルパー

の訪問介護を受けるようになりました。

 すでに、押し車がないと、ほとんど歩けない状態だった母。次第に、医師の指示通りに

するようになり、孫たちに囲まれては「老いては子に従え」と笑うようになりました。

 90歳で亡くなるまでの2年余り、母と一緒に楽しく過ごせたことに感謝でいっぱいで

す。今後も介護職として、技術や会話で"いかに相手の心に寄り添うか"を磨いていきま

す。

遠隔地で暮らす両親

神戸市北区 稲葉政徳(理学療法士 46歳)

 私の両親は、実家で2人暮らしです。父は前立腺がんの既往がある上、両足の膝関節症

も。母は心疾患など、それぞれに体の不具合がありながらも、元気に生活しています。

 離れて暮らす私は、"長男としての責任"を感じつつ、申し訳ない思いもあります。その

ため、多忙でも月1回は実家に帰るよう心掛けています。

 最近になり、両親がパソコンや携帯電話を持ち始め、私のブログを楽しみに読んでいる

とのこと。私も、両親の長寿を願いながら、健康のために役立つ運動や食生活などの知識

を書くようになりました。

 両親は70代半ば。まだまだ元気に過ごしてほしいと思います。

 遠隔地で暮らす人への介護は、さまざまな工夫が必要です。私は今後、パソコンを使っ

たテレビ電話なども利用して、離れていてもお互いの暮らしぶりを確認できるようにする

予定です。

お年寄りのプライド

神奈川県茅ケ崎市 谷田部節子(76歳)

 95歳になる姑を、同居で介護していた時に学びました。

 要介護3で、看護師が自宅を訪問してくれるようになり、私も姑も喜んで迎えた1日目

のこと。

 「おばあちゃん、どうしたのかな?」と、幼い子どもにでも言うように看護師が声を掛

けた瞬間、姑はキッと眉をつり上げて一言。

 「悪いけど、あたしは、あなたのおばあさんじゃないの。ちゃんと、名前があるの」と

言い放ったのです。

 慌てて看護師は、おわびの言葉を。私も、ハッと気付きました。

 姑は長年、詩吟の先生で、会の理事長を務めて講演も行い、人に仰がれていた過去があ

ります。今は車椅子に乗り、外見は変わりましたが、プライドは厳然と残っていることを

思い知りました。

 お年寄りの一人一人には、どんな"素晴らしい過去"があるかもしれないのです。

 介護に関わる側も、聞かせていただこうという謙虚な心で触れ合うことが、"スムーズな

交流の第一歩"につながると思います。



最終更新日  2012.02.04 13:35:51
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