スーパーエクセルな話題 『境界例』スーパーエクセルな話題 『境界例』『境界例』(ボーダーライン)とは、神経症と分裂病性精神病との境目にあって、どちらともいいがたい症例。 境界例の基本障害は「見捨てられ抑うつ」にあるとし、患者の示す症状や行動化を見捨てられ抑うつを体験することへの防衛ととらえている。防衛機制は、分裂を中心とした より未熟な低水準のものです。境界例では、自己と対象は一応区別されているが、自己像と対象像の欲求充足的な側面と欲求挫折的側面とがまだ統合されていない。この分裂はもともと自我の統合力が未熟なために発達が停滞することによって生じるのだが、のちには積極的に分裂を続けることが防衛として用いられるようになる。投影傾向が強い。 DSM-3の境界人格障害(BPD)では5項目以上該当すればこの障害である。 (1) 不安定で強烈な対人関係のパターン、過度の理想化と脱価値化の両極端を行き来する特徴がある。 (2) 衝動的、自己破壊的になる。たとえば、浪費、性、万引き、薬物常用、など。 (3) 感情的不安定さ。 (4) 不適切で激しい怒り、あるいは怒りのコントロールの欠如。 (5) 反復する自殺のおどかし。 (6) 著しくかつ持続的な自己同一性の障害、自己像、性的同一性、長い将来の目標あるいは職業選択、望ましいと思う友人のタイプ、好みの価値観、のうち少なくとも2つの点についての不確実さ。 (7) 慢性の空虚感と退屈感。 (8) 現実のあるいは想像上の見捨てられを避けようとする気違いじみた努力。 《特徴》 1)「裏返し」現象 「自分は特別な存在だ」といった自己愛的万能感を露呈する。一見して問題のなさそうな外見の裏に深い病理がはりついていて、まるで裏と表をひっくり返したように容易に裏が露呈し、ガラリと印象が変わる。激しい攻撃性がある。 2)他者変容型の病理 自分自身を変えるのではなく、まわりの他者を自己の延長のように扱い、動かそうとする。3)精神内界の外界への滲出(しんしゅつ、にじみでること。) 4)自己同一性の障害 「偽りの自己」、「自分が自分である」という感覚をもちにくい。「かのような人格」 5)2者関係の肥大 幼児と母親の対象関係ときわめて類似している。社会的感覚が欠如している。 カーンバーグの境界人格構造(BPO)理論では、幼児は発達段階で、よい対象と悪い対象が同一物であり、よい自己と悪い自己も同じものであることを理解することの2つができなければならないが、境界例の場合は、自己と非自己の文化の段階に段階には到達しているが、対象や自己のよい、悪い、の統合が部分的にしか成立していない。激しいフラストレーションに基づく攻撃性を強調する。自己の一貫性の障害、超自我の統合の失敗が生じる。対象と自己がよくもあり悪しくもあるという認識に到達するには、自己の攻撃性により対象を傷つけることに対する罪悪感と抑うつが経験されなくてはならないが、境界例患者は、その攻撃性の強さゆえにこれができないでいる。 《境界人格構造の特性》 (1) 自我の弱さ 不安への耐久力や衝動統制力が欠如している。 (2) 快感原則に支配された思考、欲動に動議づけられ、論理の秩序や適切な現実思考を伴わない思考。 (3) 特殊な防衛を用いる。 a) 分裂 ; 自我の統合力が未熟であるために分裂が生じ、後には分裂し続けている かぎり、自我は成長できないので、ますます低次元の自我でも可能な防衛に頼り続けるという悪循環が生じる。 b) 原始的理想化 ; 現実にはありえないほど完璧で、強力な対象像がつくり出されるので、健全な自我理想や超自我の発達はかえって妨げられる。 c)脱価値化 ; 境界的人格は欲求不満を起こさせた対象を極端におとしめることで恨みを晴らそうとする。対象を卑小なものにし、存在価値をなくしてしまなければならない動機から、極端な価値下げが生じる。 d) 万能感 ; 理想的に満たされる期待が裏切られたとき、激しい怒りや復讐心が起こるのも、この万能感が傷つけられるからである。そして、対象を脱価値化する場合にも自分にはそうする権利や力があるという万能感が保持されている。 e) 投影と投影性同一視 ; 投影傾向が著しく強い。攻撃的な自己・対象表象を自己の外へ出してしまうことで、投影した後にもまだその相手に同一化し続ける。そして、相手から報復され破壊される前に、自分から相手を攻め、征服してしまわなければならないと考える。これが投影性同一視である。自我境界が比較的未熟で、自他の区別が失われやすいことと、他者を支配したい傾向からこの現象が生じる。 f) 否認 ; 分裂に低次元の否認が加わると、情緒の統合は困難になる。 (4) 現実検討力が曖昧(あいまい)。 内的・心的事実と外界の事象や外から来る刺激とを区別する能力、及び自分の感情や行動や考えなどを、社会的基準に合わせて現実的に評価する能力が投影や投影性同一視が盛んに用いられるために、曖昧になる。 (5) 同一性の拡散 ; 行動や思考の一貫性が極端に欠如し、まとまりのある自己概念を持っていないこと。矛盾した行動や考えの中に含まれている情緒的な意味合いを理解することができず、また他人について表面的で浅はかな認識しかできない。 (6) 境界人格構造から生じる症状 ; 神経症の諸症状を示し、症状としての病態特異性は認められない。多形性倒錯傾向、衝動神経症、嗜好、慢性の浮遊性不安などが伴う。 (7) パーソナリティ障害の類型 ・古典的な精神病質― 妄想的人格、分裂的人格、軽躁的人格 ・未熟な人格 ・自己愛的人格 ・攻撃衝動の強い人格― 被可虐的、自傷的。 ・衝動的、反社会的人格※偏執的傾向や「かのような」傾向は必ずしも人格型に結びつかず、多くのタイプの境界人格構造に伴っている。 心理学を少し勉強しました。ストーカー男が、どんぴしゃりでしたね。 |