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■『子どもに本を買ってあげる前に読む本-現代子どもの本事情』赤木かん子2008年発行
ジャンル名:図書館・読書 子どもの時に読んでその本のタイトルや作家名を忘れてしまった本をお探ししましょう、という “本の探偵”からスタートした著者。 人間は5歳以降の記憶しかない、この基本認識の上で、各時代の文化のプレートによって色分けされるという。戦後の児童文学は『だれも知らない小さな国』さとうさとる(1959年)で本格的に始まり、バブル崩壊までが一つのプレート。そこからYA(ヤングアダルト)が胎動し、1998、99年に『ハリー・ポッター』(ローリング)、『カラフル』(森絵都)によって新時代の幕が開き、YA,とファンタジーブーム。それが2008年『ハリー・ポッター』と共に幕を閉じる。 さらに図書館本での大きな区分けとして、“リアル系”と“空想系(妄想系!?)”を推奨。 小学校低学年はまだ作者という概念がないという発見。低学年向けには本の著者順ではなくタイトル順に分類。 また、昔の本が読めなくなる理由として、本の内容、使っている言葉、ビジュアルがそれぞれ古くなること。文字のデザイン、装丁、旧版→新版、本のサイズなどを見直すことで一変する。成長をテーマにしたもの、「ハリー」のように成長をテーマにしないもの。魔法をコントロールできないハリ―は、『ゲド戦記』世代には理解を超える物語。文化プレートの境界線です。それに気づかずこれまでの価値を子どもに押し付けようとする大人、図書館関係者。 その指摘を通り過ぎた上で、『ぼく、ムシになっちゃった』では「昔の絵本のなかの大人たちは、自分が子どもを守るのは当然だし、守れると信じて疑いませんでした。でも今の30代はもう、ミサイルから子どもを守ることはできない、ということはわかってしまった世代です。でも、だからといって、守らないわけにはいかないじゃないか!と大人たちが自覚的に子どもを守り始めたのです。」。 防災コミュニティの集まりに親子連れが参加してくれている理由の一端が見えてきます。 (800字) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年08月26日 00時58分07秒
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