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この気持ちが、いつ生まれたかなんて意識して考えてみてもはっきりと思いだすことはなかった。
目で追ってしまうのは、仲間だからだと思っていたのに。 気づけば俺は、ソイツを「そういう対象」として見ていた。 この際、はっきり言おう。 俺、仁王雅治は 真田弦一郎に、 恋を、していた。 目が、追う。 心が、ざわめく。 目を閉じれば、現れる。 「あ、んっ・・・仁王、」 こうやって、女を抱いている時でさえ。 俺の中を支配するのは、真田だった。 「ん、ああっ、に、におっ、・・・あああっ、」 「・・・っっ、」 欲は満たされても、 心は満たされない。 どんな美人を抱いても どんな女を手に入れても 全てが無意味で 全てが虚空だった。 頭では分かっていた。 どれほど現実逃避をしても、何も変わらないことは。 でも、 それでも、 俺は真田から逃げるために、幾人もの女と付き合い 幾人もの女を抱いた。 真田本人に軽蔑されながら。 それでもいい、 俺の本当の気持ちを知ったら、お前はもっと軽蔑するだろうから。 ちょっとした、思い付きだった。 そうだ、俺がこいつを手に入れられない状況になればいいのなら、 「のう、皇帝。」 俺が呼ぶと、真田は厳しい顔のまま振り返った。 目の端はつり上がったまま。その瞳に軽蔑の色が混じってるのは、きっと気のせいではない。 「おまんには、好きな人はおらんのか。」 「・・・何のつもりだ、仁王。 くだらんことほざく時間があるなら、」 「質問に答えんしゃい。 皇帝は人の質問を無碍にするような男じゃないじゃろ。」 「・・・・・、」 ぐ、と口をつぐむ。 そのすきに俺は踵を返し、ひらひらと手を振った。 「ま、できたら俺に報告しんしゃい。 女の一人や二人、簡単に皇帝に落として見せるぜよ。」 ちらりと見やれば、真田は何かを考え込んでいる様子だった。 思わず口端が上がる。 事が俺の思い通りに運び、 真田が仏頂面のまま俺に恋愛相談を持ちかけたのは数日後の話。 そしてその恋を実らせたのは、約一月後の話だった。 全てが、順調のはずだった。 真田は「その女」のものになり、俺のものになることはなくなった。 あとは俺の気持ちが沈静化するのを待つだけだった。 待つだけだった、はずなのに。 [テーマ日記]カテゴリの最新記事
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