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積  乱  雲

積  乱  雲

混声合唱組曲 金の靴

  金の靴     (作詞 大越桂  作曲 松浦真沙)


1 金の靴

ある朝私が目覚めると
金の靴をはいていた
とんがった
つまさきにキラリ
サファイヤのしずく
七色の編み上げひもを
きゅっとしばると
かかとに翼がはえてきた

私はあなたの金の靴
邪悪なものから身を守る
内なるものを外へと向ける

さあ今だ
その境界を
力強く踏み出そう


2 夢の地図

そよぐ風に誘われるように
思い立って地図を開いた
指でたどる遠い街に
初めて読んだその名前

連なる山曲がりくねる川
知らない名前美しい響き
そよぐ風のささやき聞いて
さあ旅の支度をはじめよう



そよぐ若葉光る朝露
木漏れ日の先苔むす小道
地図にはない夢のいりぐち
名も知らぬ花が続く道

始まりの日誰よりも先に
銀のペンで書きくわえる地図
そよぐ風のささやき聞けば
恐れることなど何もない


内なる光ゆるぎなく(※合唱曲用に追加)


3 悲しみの行方

しあわせひとつ取ろうとして
もうひとりの私を捨てた
悲しみをひとつこぼした

引き換えにした重い涙
遠い叫び残して散った
失った私どこへ行った?
もう行方を知らない

どうしようもなかった
どうしようもなかったのだ



4 遥か

時の流れの終点が
どこへ向かうかまだ見えない

私の夢の終点に
誰が待つのかまだ知らない

だがしかし
高すぎる山も
深すぎる海も
境界ではなかった

始まりは終わり
終わりは始まる
ただつながり
ただつながる



2010,10.23 大越桂の詩によるいのちのことばコンサートにて
混声合唱団グリーンウッドハーモニーにより初演
於 東北大学百周年記念萩ホール




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