こきっつぁんのエコロジーカフェ 「マイ国産割り箸のススメ」
山梨の地デジのCMを見るたびに、両手に花状態の小宮山アナがうらやましく感じる今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?さて、今日8月4日は「箸の日」ということで、久しぶりに、コーヒーでも飲みながら、ゆっくり割り箸から環境問題についてでも語りましょうか。今日のコーヒーは、一茶の自家製焙煎アイスコーヒーです。最近は下火になったとは言え、「マイ箸キャンペーン」なるものが、まだいろんな所でなされているようですが、 どうも違和感を禁じえませんね。 いや、マイ箸自体は別にいいんですよ。 それは個人のライフスタイルだから。絶対に否定はしません。 ただ、割り箸ではなく、マイ箸を使えばエコになるという、 短絡的な考えがどうも、ね…。 実際、そんな単純なものじゃないんですよ、環境問題というのは。 マイ箸と言っても、使うのは、ほとんどが塗り箸でしょ。 塗り箸だって、木が使われていることをお忘れなく。 その木も、箸に使われるには何でもいいという訳ではない。 洗って何回も使うんだから、硬い木でなければならない。 と言っても、加工するのに容易な木じゃなきゃ困る。 それで、今、塗り箸の原料として好んで使われているのは、 パプアニューギニアの「マラス」という木材です。 実は、そのマラスも伐採のし過ぎで枯渇しつつあるらしいです。 そこらへんのことをどれだけの人が知って、マイ箸なんて言っているのか。 いくら塗り箸だって、半永久的に使える訳じゃありません。 プラスチックの箸があるじゃないか?という声もありますが、これは論外。 プラスチックは石油から出来ています。 レジ袋が石油から出来ていると言って排除しているのに、プラスチックの箸がOKというのは矛盾しますね。 結局、塗り箸も割り箸も同罪ということなんですよ。 木を使うという視点から言えば。 でも、私は、木を使うことが悪いとは思いませんね。 だいたい、割り箸は間伐材や製材した後の背板から出来ているんですよ。 割り箸に使わなきゃ、そのまま捨てられる木材です。 割り箸として「使い捨て」される前にね。 それを使っているんだから、 「モッタイナイ精神」でいえば、エコとして、むしろ優等生ですよ。 よく考えれば分かりますが、割り箸や塗り箸に使う木材なんて、 全体に消費する木材の割合から言えば、本当に微々たるものですよ。 さっき、私が指摘したマラスだって、 箸を作るためにわざわざ伐採しているのではなく、 建築資材や梱包材として使うことが主の目的で伐採しているんですからね。 マイ箸でエコを語るなんて、文字通り「木を見て森を見ず」。 割り箸を悪者にする前に、もっと「森」を見なきゃ。 何が、本当の悪者なのか? そこを追及するのが、本来のマスコミ(ジャーナリスト)でしょ。 「割り箸は間伐材を使っていると言っても、 木材を使い捨てするのは抵抗がある」 という意見もありますが、 そのままだと捨てられる木材を有効利用しようとして作られたのが、 そもそもの割り箸の始まりです。 捨てられる物を使うのがエコの精神じゃないですか、と言いたいですね。 「今は日本の割り箸の98%が中国からの輸入で、 中国では割り箸を作るために森林を伐採している」 という意見もあります。 じゃあ、日本の木材を使えばいいじゃないですか。結局、コストの問題でしょ。中国産の安い割り箸のおかげで、日本の割り箸産業は壊滅状態らしいです。 その日本の割り箸産業を救ってあげましょうよ。10円、20円割高になっても。 世界では森林伐採が問題になってますが、 実は日本では伐採(「開発」じゃないよ)されなくて困っているんです。 森に人間の手が入らないから、木が育ち過ぎて、 地表に日が差しこまない為、下草が生えなくなる。 草が生えなきゃ、虫も動物も生きられない。 草が生えないから土壌も流出しやすくなって、山崩れも起きやすい。 木を切ると環境破壊になるというのは大きな間違いです。そんな単純なものじゃない。 そうそう、収集された燃えるゴミは焼却場で、「重油」を使って燃やされるんですが、 重油の代わりに、使用後の割り箸で燃しつければいいという意見もあります。 その意見には、私も賛成です。そのほうが「エコ」でしょう。昔ならば、銭湯の燃し木に出来たんですけどね…。 「使い捨てがダメ」と教えるのだったら、割り箸そのものを否定するのではなく、 割り箸を1回使っただけで捨てちゃわないで、 きちっと洗って、その後何度も使うようにするとか、 菜ばしの代わりにするとか、取り分け箸に使うとか、 そういう方向で教えるのが本当じゃないでしょうか。 私はそう使ってますよ、マジに。 じゃあ、森林伐採の元凶は何なのか? 建築資材であり、紙の原料のパルプであり、焼畑農業、などです。 それらに関しては、またいつか言及しましょう。 かつてコンパネの無駄遣いをしていたことを、今は反省しています…。私の論だと説得力がないかもしれないので(笑)、 某放送局のマイ箸キャンペーンに協賛していた、割り箸メーカーのHPを紹介しておきます。しっかり割り箸の効用について書かれてます。 ↓下川製箸 http://shimokawa-seihashi.co.jp/index.html あと、この人のコラムも、読んでガツンと来ました。 納得です。 ↓ http://jp.ibtimes.com/article/biznews/071211/14974.html 別にこれらを読んで、私は割り箸のことを考えたんじゃありません。 昔から私は、割り箸を擁護しています。割り箸大好き人間です。 私は建築出身の人間だから、建築現場から出る廃材を見続けていれば、 マイ箸でエコを語る人のナンセンスさがわかるし、 マイ箸が、ただの自己満足の世界になってしまう危険性を感じるんです。外国の木材をさんざん使って建てられた、日本のハウスメーカーの家に住んでいる人が、「割り箸よりマイ箸」と言っても説得力がないんです。ただの罪滅ぼしにしかならない…。下川製箸さんのように、真面目に環境問題に取り組んでいる会社が、単なるブームや時代の気分のおかげで、馬鹿を見るような世の中じゃいけません。 どうしても、マイ箸をやりたいのなら、 「マイ割り箸」にしましょう。国産の割り箸を使って。 マイ割り箸で食べたら、そのまま捨てないで、箸袋に入れて持ち帰る。 しっかり洗って次の日のマイ割り箸に使う。 それを1週間やって、そのあと捨てましょう。 そこまでやったら、割り箸も本望でしょうね(笑)私も「国産マイ割り箸」をやってますよ。お金がある時は(笑)。まあ、外食じたいがエコに反すると言われれば、それまでですがね。山梨県産材で、割り箸や経木が作られて、それを普通に使える日が来て欲しいなあ。昔のように、肉屋さんがコロッケを経木で包んでくれないかな。それでは曲です。今日は「橋の日」でもあるので、森高千里の「渡良瀬橋」 どうぞ!