エリカ・スピンドラーのサスペンス・ロマンスで、
【送料無料】硝子の夜が終わるとき 同じヴィレッジ文庫の「彷徨う絆」、そしてMIRA文庫から出ている「あなただけ知らない」の関連本でもあります。
6年前の大型ハリケーン・カトリーナ襲来の際、避難しなかったことが原因で夫を失ったミラは、それ以来ずっと自分自身を攻めていた。おまけに夫の両親は彼女が息子を殺したと公言し、裁判沙汰まで起こす始末。それ以降も機会があれば彼女を攻撃していた。それでも、カウンセリングにかかりながらではあるけれど、カトリーナで破壊されたステンドグラスの修復をつつける彼女の元に、ある朝アシスタントから電話が。それは、ミラがステンドグラスの修復を手がけた修復を手がけた教会の老神父が殺されたという知らせだった。しかもステンドグラスにはスプレーで落書きがされていたという・・・。 相棒が引退するため、新しい相棒としてカリン・ベイル刑事と組むことになったスペンサー・マーロン刑事は、上司にかつて問題があった相手だが大丈夫だと請け合い、神父殺しの犯人検挙を約束した。しかし、一行に犯人へとつながる手がかりは見つからず・・・そんな折、事件に翌日に署を訪ねてきた女性ミラから連絡が入る。その後、ミラの周りで第二、第三の被害者が出ることに・・・
ステンドグラス作家で修復家でもあるミラと、彼女の亡き夫ジョンの親友で、アフガニスタンから戻ったばかりの海兵隊のコナーが、連続殺人犯の執着と妄想に巻き込まれる!しかも、殺されたのはすべてミラに関係する人物ばかりのため、やがて二人は警察に被疑者として見られることに!犯人の狙いは?マローン刑事たち警察は、犯人を見つけることができるのか?
裏表紙のあらすじを読んで、コナー君がミラちゃんを体はって守るお話かと思いきや・・・あれぇ・・?? まぁ、面白かったからいいけどさ・・・。それにしても相変わらず<一見普通に見えるけれど、壊れきった人たち>を描くのが得意な作者の本領発揮といった感じでしたわ。自分の周りで何が起きているのか、誰を信じていいのかわからずに戸惑うヒロインに、そのヒロインを被疑者と捕らえている警察。友情が失われた原因に、暴かれた不実。そして破壊と修復。これは信仰と妄想が引き起こした連続殺人事件のお話ですが、その一方で、大災害から6年後、傷を負いながらも、立ち直り再興していく街と人々の物語でもありました。ただ、なぜ<伝道者>があれを奪ったのか、結局判んなかったわねぇ・・・。あと、<壊れた人たち>に関しては、最後がびっくりするほどあっけなかったので、もう少し踏み込んだものが欲しかった気も・・・
関連本はこちら 「彷徨う絆」は2010/6月2日に書いています。「あなただけ知らない」は・・・未読(のはず)です。ねぇ、出版社さん、お願いですから関連するお話は同一出版社にするか、せめて情報だけでもあとがきに載せてください。でないとザルな脳みその私はとっても困るのよ!