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2008.02.06 楽天プロフィール Add to Google XML

 本の装丁について
[ 編集者入門ミニ講座 (改訂版) ]    


 一般に、商品の売れ行きが その (パッケージ) デザインの良し悪しによって影響を受けることはよく知られていることですが、本のカバーデザイン (装丁) も、また然りです。 

 本の装丁は、社内あるいは外部のデザイナーの方にお願いすることになるわけですが、 「これでいきましょう!」 と決断するまでが本当に大変で (この色の方がいいかなぁとか、タイトルの位置をもう少し左に寄せた方がいいかなぁとか、あるいはもっと根本的な問題で、別の方向性でいった方がいいのかなぁとか ・・・) 、 いつもいつも悩んでしまいます。

 単行本とシリーズ本では、装丁についての考え方が異なります。 単行本では1冊ごとにその都度装丁を考えていけばよいのに対して、シリーズ本では、シリーズ全体を通して、最初に決めた装丁で統一していくのが一般的だからです。 (時には、ベースとなるデザインに、1点ごとに異なった色や模様を付加するということもありますが。) 

 ということもあって、単行本とシリーズ本でどちらが装丁を決めるのが難しいかと言えば、同じ装丁でずっと通していかなくてはならないシリーズ本の方が難しい (時間をかけて練らなくてはならない)ということになります。

 これは当然のことですが、 単行本の装丁では、 その本自身にマッチした装丁を考えていくことになります。 一方、シリーズ本では、
   1. シリーズ全体の統一したコンセプトのもと、1点ごとに異なったテーマである
   2. 一度シリーズが動き出したら、後は同じ装丁で統一していかなくてはならない
といったことがあるため、 “ある特定の何かを連想させるようなデザイン” よりも、シリーズ全体のイメージを高められるようなものが望まれます。 

 そのため、シリーズ本の装丁では、
   1. 飽きのこないデザイン
   2. 「この装丁は、このシリーズ」 と読者に深い印象を与えることができるようなデザイン
   3. シリーズのブランド価値を高めることができるような、また愛されるようなデザイン
   4. シリーズとして書店の棚に並んだときに、目に飛び込んできやすいデザイン
などのことに重きをおいて考えていくことが必要となります。

 せっかく中身が良いものであっても、それを包んでくれる装丁がいまひとつだと、読者や書店の店員さんに与える印象もパッとせず、営業戦略上も不利になります。 逆を言えば、デザインにインパクト (例えば、脇に抱えて持って歩きたくなるようなデザインとか) があって、そのシリーズの最初のラインナップの売れ行きも好調となれば、ブランドイメージも向上します。 そして同時に、これから出る本に対しての読者や書店の期待感も高まり、良いイメージを持って頂けるようになります。

 本は、内容が一番に大切なことは言うまでもありません。 でも、素材の良さだけではモノが売れないように、やはりデザインが光るものでなくてはいけないと思うのです。 単行本であればその本自身、シリーズであればシリーズ全体を一つと見て、それを一番うまく表現できるような装丁を求めていくことがとても大切ではないかと思います。




Last updated  2008.02.07 19:16:13
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