三校は校正としては最終段階といえるもので、著者の校正は再校まで、三校では編集者が最後の確認を行なう、というのが一般的だと思います。
三校の作業では、再校で行なったのと同じように、一つ前のゲラ (三校では再校) に入っている赤字がきちんと直っているかどうかを確認します。 特に大きな直しがあったページは、慎重に見ることが大切です。
付き物 (扉、序文、目次、索引、奥付など、本文以外の部分を “つきもの” と言います) の校正については特に触れませんでしたが、本文の校正と同様に初校 → 再校と進めていきます。 そして、この三校において本文と付き物の校正がすべて足並みを揃え、本1冊分のゲラがすべて整うことになります。
再校との赤字の照らし合わせが済んだら、ページの番号 (ノンブル) に関わるものについて確認していきます。 まず、目次。 各章や節のページに間違いはないか、一つ一つチェックします。 次に、索引。 再校で大きな直しがあると、索引として拾った語句が三校では違うページにずれていたり、中には、著者の書き換えや文章の削除によって、その語句自体が無くなっていることもよくあるので要注意です。
最後に、扉と奥付。 著者の名前・略歴・初版の発行年月日・印刷会社と製本会社の社名・ISBNコードなどに間違いはないかをチェックします。 特に問題がなければ、これで、三校のゲラの確認は終了です。 (当然のことながら、図やイラストについても校正が済んで、仕上がっていなくてはなりません。)
あとは、台割表と刷り位置指定書の準備です。印刷所では、一般に16ページを1単位として(これを1台と言います) 1枚の紙に印刷していきます。そして、それ以下のページは2で割れる数を単位として、以下、8、4、2ページがこれに続きます。 ですから、例えば160ページの本は10台ちょうどということになりますし、162ページの本は10台と2ページということになります。 ただ、この2ページも、実際には1台と見なして刷ることになります (16ページ単位で刷れなかった この2ページだけを別に刷ることになるので、コスト的にはあまり好ましくないわけです) 。
したがって、奇数ページで終わる本というものはありません。もし仮に全体が奇数ページになってしまった場合には、白 (しろ) と呼ばれる白紙のページを入れたり、白紙にはせずに広告を入れたり、あるいは白紙の上の部分に “メモ” などと入れて、メモ用紙のような扱いにすることもよくあります。つまり台割表とは、1冊全体を16ページを単位として区分けし、用紙1枚に印刷されるページを割り振るための指示書と言えるものです。
刷り位置指定書は、版面 (本文の領域) を紙のどこに置くか (例えばA5版の本なら、そのA5の領域のどの位置に版面を置くか) を指定するものです。 具体的には、柱を天 (てん : 上の意味) から何cmのところにもってくるか、のどアキ (本の中心の繋ぎ目を “のど ” と言います) は何cmにするかなどを指定して、 「この位置に版面を配置して下さい」 と印刷所に指示をします。
これで準備は整いました。 以下のものに怠りがないか、最後にもう一度確認をしましょう。
・ 三校のゲラ ・ 図とイラストのデータ ・ 本文中で使う写真類
・ 台割表 ・ 刷り位置指定書
そして、これらに問題がなければ、それを印刷所の担当者に、「これで責了として下さい」 と言って渡します。 責了とは、まだ三校には若干の直し (赤字) があるけれども、それは印刷所の責任で直して校了 (校正を終了) として下さいの意味です。 もし、三校に赤字が1つもなければ、 「これで校了です」 と言って担当者に渡すことになります。