去年の夏前のあの、永井さんからのDMから、にわかに周囲でスプリットボード族が増殖し始めている。

自分も、気持ち的にはその例外ではなく、もちろん以前から興味は持っていたのだが・・・。

ボルテージのスプリットボードの注文カタログを見たときには、なんだか妙な興奮を感じたのを覚えている。

しかし、その値段は・・・・この、不況下においては厳しい価格であり、なかなか現実的な感じにはならなかった。

それでも、秋ごろまでは何とかお金を貯めようとがんばっていたけれども、最終的にはそれを購入すると、今シーズンが飛んでしまう現実に半ばあきらめていた。

D君にこのスプリットボードの話をしたときには、彼もその値段を聞いて現実的に無理と、興味をいったんは失っていたのだが、トライフォースのガイドツアーでそれを試乗したとたん、好奇心に火がついたように、にわかにスプリットボードの話で盛り上がり、いろいろと調べてて可能性を話し合った。

そこで、僕自身がたどりついたひとつの結論が「自作」ということで、これもD君といったんは話をし盛り上がったのだが、どのボードを切るのかというところでストップしてしまった。

今シーズン、D君はベクターグライドのヴァリエストをゲットしていたので、彼的には切るならそれまで乗っていたバートンのオーラを切りたかったわけだが、ここで問題が発覚した。

バートンはどのボードも中心にナットが埋め込まれているという事実だ。

僕自身、マロロに乗っていたので、これを切ろうと思ったこともあって、そのときマロロを眺めていて気がついたのだ。

バートンは切れないと。

これによって、自作の話もなんとなく小さくなっていったのだが、僕自身はなかなかこの考えが気に入っていて、スプリットボードを手に入れるなら、完成品を購入するよりも「自作」するほうが絶対に面白いと思っていた。

むしろ、スプリットボードの面白さは、その機能性よりも、「スノーボードを半分にぶった切ってスキーのように履いて登る」といういかれた発想を実行する、つまり自分で作ってしまうという点にあると確信を持つようになっていた。

もう、そうなったらやるしかない。

幸い、僕にはぶった切れる古い板があった。

7年前ぐらいに買って、倉庫に眠っている「ライド：タイムレス１６２」

ゲレンデでは最高にカービングを楽しませてくれる、硬めのボードだ。



すでに、手術台の上に載っている感じですね。

スプリットボードのパーツはボレーのサイトから輸入できることが確認できすでにID登録も済ませたので、まず、ぶった切ることが本当にできるのか。

それができたらパーツを輸入することにした。

まずはカットライン上にガムテープを貼り、その上にカットラインをマジックで引きます。

その際、ジグゾーの歯の厚みも計算して、二重に先を引いておきます。



では、カットです。

どきどきします。

まず、ノーズのほうから切るために、ボードを斜めに固定してジグゾーでの作業がやりやすい角度にします。

さらに、ジグゾーがずれないように当て木をし、それをクランプで留めます。



そして、いざ、切ります。

ガガガガガガ・・・・・・



うまく、まっすぐに切れています。

さらに、ボードをまっすぐに置きなおして、フラットな部分を切っていきます。

もちろん、当て木はします。





最後に、テール側もノーズを切るときと同じように斜めに固定して切ります。



ぶった切れました！！





あ～、なんだかすごい達成感です！

切ってしまいました。

やりました！

しかし、まだまだ始まったばかりです。

次に、カットした小口を彫刻等で掘り込みます。

これは、スプリットボードの製作方法を紹介していたサイトに載っていたのですが、この小口の木に水分が入らないようにあとでエポキシボンドで、埋めるために食いつきがよくなるように溝を掘るわけです。

作業台に固定して、丁寧に溝を掘っていきます。





仕上げです。



そして、今日最後の作業は、スプリットボード作製のためのパーツの発注です。

もちろん、輸入なんて始めてです。

数日前から、ボレーのページを翻訳サイトを使いながら内容を把握し、やっとID登録を済ませました。

後は、買い物カゴにいれて発注するだけです。

運良く、今は円高なので、感覚的に安く買えます。



発注したのは

・スプリットボードDIYセット（基本のセットです）
・バートン用スライダーセット（パーツをひとつずつ選択し1台分集めますラバー×４、ベース×４、ディスク1つ穴×２、ディスク2つ穴×２、セッティング用ガイド×１）
・スプリットボード用アイゼン
・スプリットボード用シール

参考に発注リストをそのまま下記に掲載します。

Name Quantity Price/Ea. Total
-------------------------------------------------------------------------------Voile Split Kit- (DIY)cut-your-old-board kit 1 ･14,478.40 ･14,478.40
Voile Splitboard Crampon 1 ･7,691.65 ･7,691.65
Voile Universal Puck(1) 4 ･542.94 ･2,171.76
Voile Universal Disc(in-line slot)(1) 2 ･542.94 ･1,085.88
Voile Universal Puck Gasket(1) 4 ･271.47 ･1,085.88
Voile Universal Disc(parallel slot)(1) 2 ･542.94 ･1,085.88
Voile Puck Alignment Guide 1 ･723.92 ･723.92
Voile Universal Puck Mounting Screws - Pan Head - Set of (8) 1 ･361.96 ･361.96
Voile Splitboard Climbing Skins 1 ･15,383.30 ･15,383.30
Shipping: UPS Expedited-(brokerage included): ･6,243.81
SalesTax: ･0.00
-----------------------------------------------------------------------------
Total: ･50,312.44

バートンのセットは追加注文しています。

これは、基本セットのパーツだといったんスタンスを決めてしまうと位置も角度も変更できないため、バートンのスプリットボード用のパーツを購入して、それらを変更できるものを作ろうとしているためです。ボルテージのスプリットボードでもこれが採用されています。

ただし、なくてもスプリットボードは作れますし、その分金額も安くなります。

以上が、初日のスプリットボード製作過程でした。

まだまだ、完成には程遠いです。