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先日の日記「リーマン・ブラザーズ」でパメラ・ディグビーのことに少し触れましたが、そこに、ハンナ・ロスチャイルドという人物が登場しました。ロスチャイルド家にはハンナという名前を持つ女性が数人いますので、ここで捕捉しておきます。 英国のロスチャイルド家当主である金融王ネイサン・ロスチャイルドには妻ハンナ・コーエンとの間に7人の子供がいまして、次女にハンナ(1815年ー64年)という娘がいます。このハンナはヘンリー・フィッツロイと結婚しています。 ネイサンの子供にはマイヤー・アムシェルという息子もいまして、マイヤーの娘にハンナ(1851年ー90年)という名前があります。こちらはネイサンの孫になります。こちらのハンナはアーチボルド・プリムローズと結婚しています。 以上のことから、パメラのところで登場したハンナ・ロスチャイルドとは、ネイサンの次女ではなく孫の方のハンナということになります。 イタリア家にもハンナ(1850年ー92年)がいますが、ネイサンの孫ハンナの旦那がプリムローズという名前なので、イタリア家ではないということになります。 せっかくなので、もう少し続けます。 ネイサンの次女ハンナ・ロスチャイルドの夫ヘンリー・フィッツロイから何やら見えてきます。 IMFと世界銀行という「金融システム」は、ブレトンウッズ会議によって誕生しましたが、この会議の英国代表がジョン・メイナード・ケインズです(ケインズの妻はロシア人)。ケインズの弟の妻が、あの「進化論」のダーウィンの孫でした。ダーウィンはガラパゴスに「ビーグル号」で行きましたが、ビーグル号の艦長の名前がロバート・フィッツロイといいます。ロバートは、ネイサンの次女ハンナ・ロスチャイルドと再姉妹という関係になります。この艦長の高祖父がニューヨークの総督ウィリアム・コスビーなんですが、アメリカ独立前の総督なので当時の最高位にあり、つまり、こいつらは既に、ウォール街誕生前のニューヨークの支配者だったわけです。 一方、パメラ・ディグビーの背後から出てきたネイサンの孫ハンナ・ロスチャイルドは、次のような「ティアラ」を第46代イギリス首相になるローズベリー伯爵から贈られるような人物でした。(ハンナの夫はアーチボルド・プリムローズだと書きましたが、ローズベリー伯爵はアーチボルド・フィリップ・プリムローズと言います) ![]() 金・銀・ダイヤモンド おそらくフランス製 1878年 ローズベリー伯爵夫妻蔵 大きなコレット・セットのダイヤが目を引くティアラは、 ロンドンのロスチャイルド家のハンナが婚礼に際して、 後に第46代イギリス首相になるローズベリー伯爵から贈られたもの。 -------------------------- 絢爛たるティアラ ![]() ハンナ・ロスチャイルドのためのティアラ 1878年 ローズベリー伯爵夫妻蔵 公式行事や重要な夜会で女性の頭部を飾るティアラは、 もっとも豪華で大型のジュエリーである。 大きなコレット・セットのダイヤモンドが目を引く このティアラは、ロンドンのロスチャイルド家のハンナが 婚礼に際して、後に第46代イギリス首相となる夫の ローズベリー伯爵から贈られた。おそらくフランス製。 -------------------------- じねん03/06/08 ![]() 東京都造園美術館で7月1日まで 「ヨーロッパ・ジュエリーの400年、ルネサンスからアール・デコまで」 が開催されるが、 そこに「ハンナ・ロスチャイルドのティアラ」が展示されている。 (NHK教育テレビ、新日曜美術館より) ネイサンの孫ハンナ・ロスチャイルドの父親はマイヤー・アムシェルだと書きましたが、母親はジュリアナ・コーエンという女性です。金融王ネイサンの妻がハンナ・コーエンだと、これも書きましたが、ハンナ・コーエンにはイサック・コーエンという兄弟がいまして、イサックの娘がジュリアナ・コーエンといいます。つまりこれは、ネイサンの義理の弟の娘が、ネイサンの息子マイヤー・アムシェルと結婚して、ハンナ・ロスチャイルドが生まれたということになります。パメラ・ディグビーの背後を探るとこういう一族が出てくるわけです。 さらにパメラの父エドワード・ディグビーは、ベアリング家と直結しています。エドワードの父の姉がアレクサンダー・ベアリングの妻です。ということは、エジプトの支配者イヴリン・ベアリング(クローマー卿)の一族がこのアレクサンダー・ベアリングということになります。 パメラ・ディグビー恐るべし。こんな女性がクリントン最大の支援者だったわけです。 パメラは大統領選挙キャンペーンの全米議長を務め、クリントンに13億円もの選挙資金を提供したと言われています。生まれは1920年です。 で、パメラは3度の結婚をしてますが、最初の結婚相手がウィンストン・チャーチル首相の息子ランドルフ・チャーチルなので、第二次大戦中は首相官邸のダウニング街10番地に住んでいたといいます。 次の結婚相手がリーランド・ヘイワードというパシフィック航空の会長。 そんで3度目の相手がアヴェレル・ハリマンという第二次大戦中のソ連大使。ハリマン社にはプレスコット・ブッシュや父ブッシュらがぶらさがっている。 パメラはクリントンも父ブッシュも動かせる立場にあったということが、以上のことから解るはずです。パメラの人脈は民主党と共和党の両方に存在する。つまり、米国という国家を通じて世界を動かす“地球の支配者”という人脈と言える。 「大変美しい女性で、見事な大使で、おそらくベンジャミン・フランクリンやトーマス・ジェファソン以来の最高の大使の一人だ」と、こういってシラク仏大統領は、最大級の弔意を表明し、国家元首級に贈られるレジオン・ドヌール章の最高位グラン・クロワをパメラに授与しましたが、これもある意味、納得できるというものです。パメラはロンドンのロスチャイルド家の人間なんですからね。 パメラは93年、ヒラリー・クリントンというファースト・レディーをさしおいて、「世界ベストドレッサー」のナンバーワンに選ばれていた。 ※ パメラの旦那の父チャーチル首相は、イギリスのモルバラ公爵チャールズ・スペンサー=チャーチルの一族ですが、この公爵はウィリアム・ヴァンダービルトの娘と結婚しています。 10月21日の日記から引用します。 -------------------------- コーネリアス・ヴァンダービルト二世の次男ウィリアムは、最も高価なニューヨーク5番街にプティ・シャトーと呼ばれる城のような邸宅を持っていたが、郷里ニューポートの屋敷はマーブル・ハウスと呼ばれ、古代ギリシャ風の荘厳な大理石の御殿で、1892年に最初の妻アルヴァへの誕生日の贈り物として1100万ドルで建設されたものであった。当時は1893年に経済恐慌が襲った時代であり、収入が4000ドルを超える人間は全米にわずか8万5000人しかいなかった。彼らは、総人ほぼ7000万人の0.1パーセントという特別の長者たちでありながら、所得税さえ払う義務がなかったのである。 総工費のうち、古代ギリシャのアポロ神殿、ワシントンのホワイトハウス、パリのヴェルサイユ宮殿などを細部まで模倣しながら、建設費はわずか200万ドルで、ルイ14世風の内部の調度に要した費用が900万ドルに達した。19世紀末の建設費1100万ドルとは、20世紀末の時価7383億円になる。 -------------------------- ※ 最後に、ベアリング家について「アメリカの経済支配者」の146ページから149ページの中から抜粋して終わります。 -------------------------- アメリカの財閥史を考えた場合、ヴァンダービルトはオランダ系、デュポンはフランス系、ロックフェラーはドイツ系だが、アメリカの産業界を形成した主人公の多くは、モルガン、カーネギー、フォードらが、大英帝国の子孫から誕生した。歴史的にその大英帝国を見れば、イタリアのメディチ家をヨーロッパ金融財閥の始祖として、オランダ東インド会社、イギリス東インド会社、ロイズ保険、イングランド銀行、べアリング商会の誕生をもって、近代的な金融街がロンドンの「シティー地区」に確立されてきた。 ベアリング家とロスチャイルド家のロンドン・シティーが、ニューヨークのウォール街を生み出したのである。 ベアリング財閥は、1763年にベアリング商会が設立されてから、ロスチャイルド家が台頭するまでロンドンの金融界を支配し、以後も両家が覇を競ってきた。1995年に若いディーラーが巨額の欠損を出して倒産し、オランダのINGバンクに買収されたため、すでに過去の存在として忘れられたが、ベアリング・ファミリーが死んだわけではない。これと似たような事件は100年ほど前の1890年秋にも発生し、当時はライバルのロスチャイルド銀行がひそかに救済資金を調達して、ベアリング商会を窮地から救い出し、逆に1839年には、イングランド銀行の危機を救ったのがベアリング商会だったのである。 ベアリング家は、その子孫の数で言えばロスチャイルド家が足元にもおよばないほど膨大で、クローマー伯爵、ノースブルック男爵、レヴァルストーク男爵、アシュバートン男爵、ハウィック・オブ・グレンデール男爵、ベアリング准男爵が、いずれも本名ベアリングの爵位名である。イギリス貴族のタイトルを6つも保有する大家族だ。 1991年に死去した3代目クローマー伯爵ことジョージ・ベアリングは、29歳でベアリング・ブラザーズ社長となったばかりか、その後、43歳で史上最年少のイングランド銀行総裁となり、また国際決済銀行(BIS)理事として全世界の金融機関を動かし、ロスチャイルド財閥のシェル石油で重役をつとめ、ニクソン・ショックの時にはアメリカ大使として金本位制の廃止に立ち会った要人である。ロスチャイルド家の資金でイギリスが買い取ったスエズ運河会社の総裁をつとめたのが、彼の父ローランド・ベアリングである。 18世紀に東インド会社の会長として世界貿易に君臨し、大英帝国の利権を7つの海に広げた“ヨーロッパ一の商人”フランシス・ベアリングの子孫たちは、イギリス貴族の主だったファミリーと姻戚関係を持ったが、その最も重要な関係が、アメリカのブラウン兄弟ハリマン社のブラウン家との結婚であった。チェース・マンハッタン銀行会長ウォルター・シプリーはこの閨閥に属している。 ブラウン・シプリー~ブラウン兄弟ハリマン社を創業したブラウン家は、現在もイギリス貴族であり、同時にアメリカでは、レーガン政権の財務長官と国務長官をつとめたジェームズ・ベーカーの親戚である。 ※ 以下は過去の日記。ロスチャイルド家。 http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200408070000/ http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200408080000/ │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |