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サンフォード・ワイルといえば世界最大の金融機関シティグループの会長としてあまりにも有名であるが、そのワイル会長がシティグループの会長を4月18日に退任し、約半世紀にわたったウォール街での経営者としてのキャリアを閉じる。後任には現最高経営責任者のチャールズ・プリンスCEOが就任し、ワイルは名誉会長に就く予定。 シティグループについては、全てが巨大すぎてとても書ききれないし、うまくまとめられる自信もないので簡単に済ませたい。シティグループのロゴである「赤い傘」の傘下には、シティバンク、プライメリカ、スミス・バーニー……といった主要ブランドがあり、カード事業では代表的なダイナースクラブを有し、日本における証券事業・投資銀行業務には日興コーデリアルを通じるなどして参入している。また、あまり知られてないようだが、シティグループは、アイク、ディックファイナンス、ユニマットレディスといったブランドで日本の消費者金融業界にも少なからずシェアを持っている。この3つのブランドを統合して「CFJ株式会社」を設立、アイクは今年2月にディックに統一された。 ![]() ![]() ![]() ユダヤ系のサンフォード・ワイルは1933年3月16日にブルックリンで生まれ、55年にコーネル大学を卒業後ベア・スターンズに入社、56年にベア・スターンズのブローカーとなり、60年5月には小さいながらも株式ブローカーを設立し、これが70年にCBWL・ヘイデン・ストーンとなり、72年にヘイデン・ストーン、74年にシェアソン・ハミルを買収してシェアソン・へイデン・ストーン、79年にローブ・ローズと合併(買収)してシェアソン・ローブ・ローズとなり、ワイルのシェアソンは証券界でメリルリンチに次ぐ規模にまで成長してきた。 ![]() ワイルの凄さ(経歴)は81年からが重要。81年、ワイルはシェアソン・ローブ・ローズをアメリカン・エキスプレスに売却(約9億3千万ドル)し、83年にはアメリカン・エキスプレスの社長に就任。84年5月、シェアソンがリーマン・ブラザーズ・クーン・ローブと合併し、シェアソン・リーマン・ブラザーズとなる。86年にはワイル自身の金700万ドルを使ってコマーシャル・クレジットという小さな消費者金融会社を買収し再建後IPOを実行した。87年には保険会社ガルフ・インシュランスを獲得。88年、ワイルはプライメリカとスミス・バーニーを買収。少し飛んで93年、プライメリカはアメリカン・エキスプレスからシェアソン・リーマンを買収し、さらにプライメリカはトラヴェラーズまで買収してしまう。ワイルは、スミス・バーニーとシェアソン・リーマンを合体させてスミス・バーニー・シェアソンと改称し、このときリーマン・ブラザーズを分離、リーマン・ブラザーズは94年にプライメリカから独立し現在にいたってる。ワイルが会長となったトラヴェラーズは97年に今度はソロモン・ブラザーズを買収(約90億ドル)し、ソロモンの会長にはウォーレン・バフェットが就任、さらにスミス・バーニー・シェアソンとソロモンを合体させてソロモン・スミス・バーニーが発足した。 そして、98年4月にとうとうトラヴェラーズがシティコープとの合併を発表し、10月8日にこの合併は完了した。ここに設立されたのが世界最大の金融機関シティグループであり、シティコープ会長だったジョン・リードとワイルが共同会長に就任した(このころのワイルの年収は300億円で米報酬額トップ)。しかし問題があった。「Banking Act of 1933」通称グラス・スティーガル法である。ここまでに登場した名前の集合体がシティグループなので、「33年銀行法」に引っ掛かるのは目に見えている。そこでワイルとジョン・リードは、なんとこのグラス・スティーガル法を撤廃させるよう行動した。グリーンスパンFRB議長、ゴールドマン・サックス会長を退任したロバート・ルービン財務長官、世銀副総裁からクリントン政権で財務省に移籍したローレンス・サマーズ財務副長官、これら金融界の大物がワイルの考えに同調したのか協力的で、99年11月12日にクリントン大統領が署名したことでとうとうグラス・スティガール法が66年ぶりに撤廃された。99年、ルービンは財務長官を退任後、シティグループ会長に就任した。 書き忘れたけど、トラヴェラーズは日興證券も事実上買収してるからね。現在のアメリカン・エキスプレスの理事会メンバーにはヴァーノン・ジョーダンの名前を発見できる(Senior Managing Director)。 シティバンク……この銀行の前身は、ニューヨーク連銀の最大株主であるナショナル・シティ・バンクと第2位の大株主ファースト・ナショナル・バンクが1955年に合併してファースト・ナショナル・シティバンク・オブ・ニューヨークとなり、76年にシティバンクと改名した。この2行を合併させた主要人物が、デヴィッド・ロックフェラーの従兄弟で2004年8月10日に102歳で亡くなったジェームズ・スティルマン・ロックフェラー(ナショナル・シティ頭取)であった。 1812年に創業したシティー銀行は、65年にナショナル・シティ・バンクと改名して、93年にはニューヨークでトップにたち、「スタンダード・バンク」と呼ばれた。1909年にはモルガン商会が大株主となる。 1863年に創業したファースト・ナショナル・バンクで会長と頭取を務めたのがベーカー財務長官の祖父ジョージ・ベーカーで、この銀行を創業したのもベーカーだった。ジョージ・ベーカーの孫娘イーデスは、ジェイコブ・シフの孫でリーマン・ブラザーズ・クーン・ローブの名誉会長ジョン・シフと結婚した。 「シティ」と名のつく銀行は「ロンドン・シティ」を意味するロスチャイルド系の銀行であると解釈してまず間違いない。シティグループは、以上の歴史から判断しても、ロスチャイルド、モルガン、ロックフェラーという世界最強の財閥連合であると判断できるだろう(ロックフェラー家よりもロスチャイルド色が濃い)。サウジのアルワリード・ビン・タラール王子がシティグループの大株主であることは有名。 さて、この世界最大最強のシティグループを構築しトップに君臨してきたのがサンフォード・ワイルである。共同会長を務めたジョン・リードも2000年にワイルに追い出された。シティの取締役会はリードではなくワイルを選んだのである。ワイルが最高経営責任者(CEO)を退いたのは2003年の秋で、後任のCEOに選ばれたのが現CEOチャールズ・プリンスであった。 ![]() チャールズ・プリンス チャールズ・プリンスはワイルの「弟子」。そしてもうひとりジェームズ・ダイモンという「弟子」がいる。ダイモンがトラヴェラーズにいたとき、98年にシティコープと合併し、シティグループが誕生した。ダイモンはトラヴェラーズとソロモン・スミス・バーニーを指揮しながらワイルの片腕として見込まれワイルの後継者と噂された。しかし、ワイルとリードの「抗争」に巻き込まれ、ダイモンは98年に、誕生したばかりのシティグループを辞めた(解雇)。その後ダイモンは、2000年にシカゴを中心とする米銀6位のバンク・ワンのCEOに就任する。面白いのは2004年1月14日に発表されたJPモルガン・チェースによるバンク・ワンの買収である。この買収によって、ダイモンはチェースのナンバー2(社長兼COO)としてニューヨークに戻ってくる。さらにダイモンは2005年12月31日、チェースのCEOに就任した。 ![]() ![]() ジェームズ・ダイモン 4月にワイルがシティグループの会長を退任することで、ワイルの「弟子」であるチャールズ・プリンスが18日にシティグループの会長に就任する。ワイルの「弟子」2人が、米国金融界の巨頭シティとチェースを経営していくことになるのである。 フォーブスが3月末に発表した2006年版「世界優良企業番付」では、シティグループが4年連続の首位で、JPモルガン・チェースは9位にランクされた。ワイルにシティグループを追い出されたダイモンと、ワイルに育てられたプリンス、この2人の対決が見られそうで今後も目が離せない。ダイモンは1月末に「シティバンクを買収してさっさとけりをつけるのがいい。買収のなかの買収とも言うべきものになるだろう」と宣戦布告している。これに対しプリンスは「当社が数年以内にJPモルガンを買収できる可能性の方が、JPモルガンが当社を買収できる可能性よりも高い」と応戦している。 サンフォード・ワイルは2001年にニューヨーク連邦準備銀行のディレクター(クラスA)に就任している。ワイルがシティグループの創始者である。 ![]() サンフォード・ワイル 4月8日に発表されたトムソンファイナンシャルによる「世界の銀行の2005年度株式時価総額ランキング」によると、シティグループの株式時価総額は28兆円強でトップである。 「人生に確かなことはありませんが、ある同僚が言った通り、シティグループほど素晴らしい指導者、戦略、社員を持った金融機関は世界中に存在しないでしょう」(ロバート・ルービン) ※ ジェームズ・ウォルフェンソンが、ワイルの後任として4月18日よりシティグループ・インターナショナル・アドヴァイザリー・ボードのチェアマンとなる。 http://www.citigroup.com/citigroup/fin/data/ar051c_ja.pdf クーン・ローブ商会のジェイコブ・シフ http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200603270000/ リーマン・ブラザーズ http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200502210000/ 【2006年版】世界優良企業番付 http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200603310000/ 【HSBC】ジョン・ボンド会長が退任 http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200511290000/
ワイル会長が退任へ 米シティグループ 【ニューヨーク21日共同】米金融持ち株会社最大手シティグループは21日、サンフォード・ワイル取締役会長(73)が4月18日の株主総会後に退任すると発表した。 シティを世界最強の総合金融機関に成長させ、米ウォール街の著名経営者として名をはせたワイル氏は経営の一線から完全に退く。 会長はチャールズ・プリンス最高経営責任者(CEO)が兼任。ワイル氏は名誉会長に就任する予定。 ワイル会長は旧トラベラーズ・グループの会長として旧シティコープとの合併を推進、98年のシティグループ発足当初から会長兼CEOに就任した。会計不祥事などで金融機関に対する批判が強まった03年10月にCEOから退き、弁護士出身のプリンス氏を後継者に抜てきした。 (共同通信) - 3月22日8時59分更新 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060322-00000033-kyodo-bus_all (2006年04月14日 20時17分08秒)
Sanford I. Weill http://www.achievement.org/autodoc/page/wei0bio-1 Photo Gallery: Sanford I. Weill http://www.achievement.org/autodoc/page/wei0gal-1 Sanford I. Weill(Wikipedia) http://en.wikipedia.org/wiki/Sandy_Weill アメリカ流人事異動 http://kishida.biz/column/2004/20040216.html 米シティのワイル会長引退へ-2人の「弟子」は株主価値拡大で苦戦中 http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=14bloomberg31abLWqN7TUcQ0 (2006年04月14日 20時19分29秒) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |