2883400 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【ログイン】

再出発日記

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

修理に出していたパ… New! lalameansさん

正月早々から野党事… New! 伊東 勉さん

パスワードを教えた… New! Photo USMさん

冬の庭仕事 New! マックス爺さん

『「おバカ大国」オー… New! Mドングリさん

カレンダー

「再出発日記」バナー
(abi.abiさんより頂きました)
           ようこそいらっしゃいました
この日記は、書評、映画評、平和論、考古学、旅の記録等何でもありの「ごった煮」日記です。
別にここは議論をするためのプログではありませんが、異論反論は歓迎いたします。
ただ私が「信頼して議論できる相手ではない」と判断した場合にはスルーさせてもらうことがあります。
もちろん、私がコメントしたりTBを送らせて貰った相手は無条件で異論反論に付き合わせてもらいます。(自分の家に招待して相手をしないなんて失礼ですものね)
この方針は私の私生活の時間の確保のためです。
あしからずご了承ください。
なお、誹謗中傷、迷惑のコメント・TBは削除させてもらいます。



九条を守ろう!プロガーズ・リンク


Under the Sunに行こう
2017年02月28日
XML
テーマ:本日の1冊

「炎路を行く者ー守り人作品集ー」上橋菜穂子 新潮文庫

最後の外伝である。もうこれで終わりなのだろうか、と少し淋しくなった。ヒョウゴの青年期を描いた「炎路の旅人」は、その序章と終章で「天と地の守り人」の第二部最終盤の状況を見せ、15歳のバルサを描いた「十五の我には」では、「天と地の守り人」第三部の序盤の一シーンをも見せた。本篇は、これにより膨らみはしたが、未来は見せていない。未来を見通す眼を見せてくれたのかもしれない。

いまは亡きヨゴ国武人階級「帝の盾」の息子だったヒョウゴは、九死に一生を得て市中で暮らしている間も、自分の居場所がわからない。命を助けてもらった女性に商売人になったら?といわれて反発する。

「タルシュの枝国になっちまったこの国で、そんなふうに根を下ろすってことは、タルシュに征服されたことを納得したってことじゃねぇか!土足で踏み込んできた強盗に、のうのうと自分の家に居座られて、そいつらを食わせるために身を粉にして働くなんて冗談じゃねぇと、なんでだれも思わないんだ?なんで、そんなに簡単に納得しちまうんだ?」

守り人シリーズ通して現れる「異界」、それを見ることの出来る女性は、しかし病気の父親を抱えた貧しい市井の人だった。

ー降っても照っても‥‥
かすかな苦いものをふくんだ、しずかな思いが伝わってきた。
ーわたしらは、ここで生きてきたし、ここで生きていくんだもの。(215p)

枠の中にいる限り、枠の世界は見えてこない。飛び出さねばならない。しかし、それは枠の外のタルシュ帝国に入ることを意味するだろう。それが出来る人間と出来ない人間がいる。ヒョウゴは意を決してタルシュの武人になる道を選ぶ。それは確かに炎路を行くことになるだろう。むつかしい道だったと思うし、具体的にどんな困難があったのかは、本篇で少しは描かれているが、全体像はわからないし、本篇以降のことは更にわからない。ただ、「異界」を見ることの出来る女性のことがずっとヒョウゴの中にある限り、私たちは安心して彼のことを見ていられる。
 
ナユグといい、ノユークといい、バルサの世界の「異界」について、上橋菜穂子さんは「別の生態系を持った、人や神の意思とは全く関係のない世界です」とテレビシリーズの演出家に語ったらしい。バルサの世界も、我々地球上の現代風に科学が発達すれば、そろそろ「異界」を本格的に解明しているのかもしれないが、中世のこの頃では、むしろ「異界」とは、我々のいう「運命」と云われるものだったのかもしれない、とふと感想を持った。もしそうならば、21世紀になっても未だ我々に目に見えない「運命」は、微かに見える彼らを手本にして、乗り越えていくべきモノなのかもしれない。

2017年2月読了





楽天SocialNewsに投稿!

最終更新日  2017年02月28日 14時34分41秒
コメント(0) | コメントを書く


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

KUMA0504@ Re[1]:1月に観た映画(02/14) narcisse7さん >サイレンス(沈黙)はテ…
narcisse7@ Re:1月に観た映画(02/14) サイレンス(沈黙)はテレビで紹介(NHK?…
KUMA0504@ Re[7]:国立台湾史前文化博物館 2017台湾旅4-3(01/25) narcisse7さん >>有孔石鏃って、実は初…
KUMA0504@ Re[1]:台北の街めぐり(上) 2017台湾旅6-1(02/03) Mドングリさん >日本式の家屋がこれほど…
Mドングリ@ Re:台北の街めぐり(上) 2017台湾旅6-1(02/03) 日本式の家屋がこれほど残っていること、…
narcisse7@ Re[6]:国立台湾史前文化博物館 2017台湾旅4-3(01/25) >有孔石鏃って、実は初めて見ました。私…
KUMA0504@ Re[5]:国立台湾史前文化博物館 2017台湾旅4-3(01/25) narcisse7さん >こんばんわ。 >地理的に…
narcisse7@ Re:国立台湾史前文化博物館 2017台湾旅4-3(01/25) こんばんわ。 地理的にも当然なのでしょう…

バックナンバー

Powered By 楽天ブログは国内最大級の無料ブログサービスです。楽天・Infoseekと連動した豊富なコンテンツや簡単アフィリエイト機能、フォトアルバムも使えます。デザインも豊富・簡単カスタマイズが可能!

Copyright (c) 1997-2017 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.