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テーマ:映画館で観た映画(8344)
カテゴリ:洋画(05・06)
「ジャーヘッド」
監督 : サム・メンデス 出演 : ジェイク・ギレンホール ピーター・サースガード ジェイミー・フォックス ルーカス・ブラック クリス・クーパー 「アメリカン・ビューティー(1999)」「 ロード・トゥ・パーディション(2002)」の監督の作品だということで、一応観てみました。この監督、アメリカがすきなんだろうな、と思います。そこで生まれ育っていく若者の未来が気になって仕方ないのだろうな。 湾岸戦争で三ヶ月以上、砂漠に待機させられ、4日間で終わってしまった戦いを一海兵隊狙撃隊員の目から描く。 モラトリアム人間を湾岸戦争という「退屈な戦争」にぶち込んだらどうなるかを丁寧に描いた作品。もちろん海兵隊だから卑猥言葉満載で、女性は顔をしかめるだろうけど、けれどもそれはたいしたことではない。海兵隊なので、新兵訓練の描写は一応あるけど、さらっと終わる。映画の間中、ラップ音楽やら当時の流行歌が流れるのであるが、大きな山場も無くさらっと終わる。蓋しベトナム戦争の描き方とは相当違う。 途中、主人公はガールフレンドの気持ちが離れたのではないかと暗くなったり、仲間の兵士の妻は(おそらく夫お気に入りの「ディアハンター」のビデオに上書きをして)じぶんの不倫場面を兵舎に送りつけてくる。戦争の奥深くまで「家族」が入り込んでいる。朝、家を出て、爆撃をして夕方の食事までには間にあう様に帰って来る21世紀型戦争まであと一歩のところまできているのだろう。 最終的に10数万人まで膨れ上がる連合国軍なのであるが、殴り込み部隊である海兵隊5000人は最初民間飛行機(可愛いスッチー付き)で送られる。なるほど、有事法制とはこういうことなのか、と少し納得。 一応「フセインに武器を渡していたのは誰だ」というような視点はある。けれども政府の方針を批判する映画ではない。「ついに一発も撃つ事なしに戦争が終わってしまった」という、戦争に自分の生きる目的が見出せなかった若者の姿を描きたかったのだろう。その意味でラストがあまりにもあっさりしすぎている。ピーター・サースガードが死んだ理由ははっきりさせるべきだった。それとも私の観察力が弱いのか。 ベトナム戦争の泥沼化、湾岸戦争の退屈、を経てあと5年もすると本格的なアフガン・イラク戦争を映画で見ることになるだろう。そのときこの「大義のない戦争」はどのような描かれ方をするのだろう。この映画はそのときのための序章だとしたら、一応存在価値があるかな、というぐらいが私の評価です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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