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カテゴリ:邦画(05・06)
監督:塙幸成 出演:宮崎あおい、小出恵介、宮崎将、小嶺麗奈、柄本佑
1968年の年の暮れに起こった三億円事件の真相を語る映画。50代の人にはたまらない映画だろう。「あの時、俺はどこで何をしていたのだろう……」そんなことを必ず突きつけてくる作品である。 それ以外の世代が見ると、どうなるのだろう。北九州市がロケ地になったみたいだが、60年代の東京の再現には成功しているように思える。みすずのつぎつぎと変わる60年代ファッションも堪能できる。そして「都会風」で突っ張っているけど、キス一つしないなんとも古風な「初恋」を見守る。そうなんですよ。昔はこんな恋ばっかりだったんですよ。うんうん(^^;) ただひとつ、いちゃもんつけるとしたらみすずが岸の詩を見つけるのが遅すぎる。普通は本箱にそろえた段階ですぐ見つけるでしょう。それが恋っていうモンですよ。うんうん。 三億円事件の本当の目的が語られる。いわれてみれば、(ネタバラシはしないが)そういう使い方もアリかな、と思う。「角棒や投石をいくらしたって、権力にとっては痛くもかゆくもないんだ。俺は頭で勝負する。」警察幹部の息子で東大生で、過去学生運動をして屈辱を味わった経験のある岸はそう呟く。 昔日は、権力と自分との関係について学生はまるで宿題のように一所懸命考えていた。今はどれくらいの人がどのくらい考えているのだろう。決して宿題の材料は古くなってはいないと思うのだけど。 エンドロールで「協力」(だったかな)に「文化庁」とあったのには驚いた。まさか全てカタがついているから政府のお墨付きを貰ったわけではない、とは思うのだが。 宮崎あおいは「さすが」としかいえないような演技だった。さすがベテラン俳優である。童顔の彼女がこの役をやるからこそ映える。実力的には、現代俳優で彼女以外にはやり得ない。宮崎将は「ユリイカ」以来の出演です。すっかり見違えた。うんうん、なかなかいい男になっている。でもやっぱり妹に食われちゃったね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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