6855820 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

源氏物語の紫式部日… New! Photo USMさん

ピーター・グリーナ… New! シマクマ君さん

『人間の未来 AIの未… New! Mドングリさん

韓国旅行2024春旅2… New! suzu1318さん

炊飯器修理 New! はんらさん

カレンダー

2006年08月23日
XML
カテゴリ:洋画(05・06)
「ユナイテッド93」に寄せられたTBを読んでいると、多くの人が「あの時」どのようにこの映像を見ていたのかを語っていた。確かに御巣鷹山の時と同じように、いや、それ以上に、このとき自分は何をしていたのだろうかということを、多くの国民が覚えている。国民的な記憶になっている。御巣鷹山のときと、相当性格は違うけれども……。

私も鮮明に覚えている。偶然ほかの人とは違う覚え方をしたので、これを機会に少し書き記しておこうと思う。

私はその日、上海ぶらぶら旅をしていた。三泊四日の上海の旅で、その日は二日目だった。上海市内をいろいろとみて回って、ホテルに帰ったのは、10時過ぎだったと思う。(中国は日本と一時間の時差がある。)私はくつろぎながら、ずーと中国のテレビを見ていた。私は外国では出来るだけ、テレビは見ることにしている。そこのテレビの映像や、編集を見ることで、その国の技術や国の関心をある程度推察することが出来るからだ。だから中国番組しか見なかった。テロップは何も入らない。確か、12時過ぎごろだったと思う。部屋の外がいやにやかましい。英語で話される声が頻繁にする。なんなんだろう、と思って、本当に偶然にチャンネルを回すと、NHKBSの映像が「事件」が起きているのを伝えていた。

既に二機とも、ワールド・トレードセンターに突っ込んだあとだった。とんでもないことが起こっているなあ、というのが第一印象。一時間ほど見続けて、眠くなって寝て、しばらくしておきてみると、今度はセンターが潰れていた。どうしてこんなことがおきるのだろう。可哀そうに……。というのが第二印象。次の日は朝6時に起きる予定だったので早々に寝る。朝起きて、最初にしたのが中国の朝の番組を見ることだった。何もやっていない。ニュースはどこかで誰が小さな犯罪を犯した、なんかの商品を売り出した、というようなことをしているだけだ。時間がないので朝飯をさっさっと食べてバスセンターにいく。そこで幾つかの新聞を見たが、「美国」の「美」の字もどこにも躍っていなかった。

その日は1日上海郊外「周荘」などを回ってた。そのときの様子は一月に「単騎、千里を走る。」の感想のときに述べた。そのとき載せきれなかった写真を少しだけ載せますね。次の日の中国はこんなにも穏やかだったということです。

P9120261目の前に座っていた若いカップル.jpg
周荘に行く途中のミニバスに乗ってきた若いカップル。いちゃいちゃしやがって。とパチリ。

P9130434ここではみんな中国将棋に夢中.jpg
郊外の道沿いは市民の憩いの場所だ。ここでは中国式の将棋が至る所で行われている。

この旅で一回だけ、9.11が話題になった。苦い思い出である。上海最後の日、私はホテルの近くの朝市を見に行って、帰り、なれなれしい日本語を話す中国人に捕まる。「ジャパニーズ?」「私は学校の先生をしています」(売店で買ってきた中国の新聞を私が持っているのを見て)「アメリカで大変な事件が在りました。世界貿易中心無くなりました。恐ろしいですね」「怖いですね」私は中国の人との触れあいに飢えていたのかもしれない。その後言葉巧みに私は、彼の「絵」を中国の市価としては法外の3500円で何枚か買うことになる。下の写真は、彼がサービスとしてその場で私の肖像を「切り絵」にしているところ。
P9140635突然切り絵を切り始めた自称有名画家.jpg

私が持っていた新聞は、事件の2日目にしてやっと出た9.11のことが載っている新聞である。一面トップに世界貿易中心の文字と写真が踊っていた。しかし、この事件について大きく扱っていたのは、6~7新聞あるうちのこれ一紙だったと思う。
P9140641.JPG
上海空港は何の緊張感もなかった。(上の写真)いや、多くの中国人と同じように私もそれが当然だと思っていた。9.11はその年の世界重大ニュースのトップを飾るだろうけど、私の中では、それ以上のものではなかった。

ところが、一歩日本に足を踏み入れると、違っていた。入国のチェックは厳重になっていたし、外国旅行から帰ってきたというとみんな一様に「よく帰って来れたわねえ」という反応を示すのである。テレビは依然と9.11である。日本の全ての関心は、9.11の原因、波紋、そしてやがて発表されたブッシュの「宣戦布告」について費やされていた。

私は日本に帰ってきたときに「世界」を肌で知った。9.11で「世界」は確かに劇的に変わった。しかし、それはアメリカとその同盟国が変わったに過ぎなかったのである。世界は決してアメリカによって動いているのではない。けれども、日本は確実にアメリカによって動いているのである。この肌感覚は貴重だ。私はこの感覚をずっと覚えておこうと決意した。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年08月25日 00時26分00秒
コメント(6) | コメントを書く
[洋画(05・06)] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504@ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月
・2023年10月
・2023年09月

© Rakuten Group, Inc.