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カテゴリ:水滸伝
北方謙三「水滸伝」は二巻目に至ってついに梁山泊に結集を始める。 王進に鍛えられ、魯智深に志を教えられていた少華山の義賊集団の若い長、九紋竜史進は宋江とともに梁山泊の軍部門のリーダーとなる晁蓋と初めて出会う。そして、反政府運動の幹部として迎えられるとばかし思っていたが、意外な話を聞く。 「気概だけでなんになる。私が死んでも宋江がいる。宋江が死んでも、必ず別のものが出てくる。それは魯智深でもよければ、おまえでもよいのだ、史進。そうでなければ、勝利は覚束ぬ。国という権力は、われわれが想像している以上に大きいのだ。」 「そうですか。」 史進はしばらくうつむいていた。その顔を、焚き火の炎が赤く照らし出している。 「晁蓋殿からそういう話を聞けるとは思っていませんでした。もっと上から命令されるのだろう、と思っていました。」 「そういう命令の中で、いろいろなものが曲がっていったのが、今の国の姿ではないか、史進。私はそう思っている。よいか。男は、自ら闘うことの意味さえわかっていればいいのだ。死んで悔やむのは、その意味が分かっていない時だけだ。」(178p) 吉川英治「新水滸伝」では宋の政府は腐りきっていて、梁山泊の108人の英雄たちは自分たちの特異な能力を生かしてさえいれば、いい勝負ができた。しかし、この小説は違う。国の強大な権力を正当に評価しながら、それでも、「このままではいけない」と立ち上がるのである。リアルだ。そして実際その通りだ。「男は、自ら闘うことの意味さえわかっていればいいのだ。」という言葉が非常に重い。そして同時に「そうだ!」と叫ぶ自分がいる。 この気持ちにぴったりくるのが例えば以下に紹介する歌だ。「僕たちの人生は、平和と自由もとめて、生きてゆけばいいのさ」 ケ・サラ CHE SARA 【作詞・作曲】J.フォンタナ C.ペス N.イタロ F.ミグリアッチ 【訳詞】にしむらよしあき 【MIDIデータ作成協力】Iwakichsky 1.押さえ切れない怒り こらえ切れない悲しみ そんなことのくり返しだけど 決して負けはしないさ ※ケ・サラ ケ・サラ ケ・サラ 僕たちの人生は 平和と自由もとめて 生きてゆけばいいのさ 2.泣きはらした夜 迎える朝のまぶしさ 涙の乾くときはないけど 決して倒れはしないさ ※(くりかえし) 3.いつも思い出すのさ 自由のために死を選んだ グェン・バンチョイ ジョー・ヒル ビクトル・ハラを 決して忘れはしないさ ※(くりかえし) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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