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カテゴリ:邦画(07)
1946年3月6日、政府とGHQの徹夜の協議で決まった「憲法改正草案要項」の発表があった。早朝、暗い鉄道高架下の売店で鈴木安蔵は新聞を買う。そして一直線の世田谷の自宅に走って帰る。紅白の梅の花咲く庭で妻と共に新聞を見る。二人は、自分たちの作った「憲法草案要綱」がほとんど取り上げられている!もう二度と戦争をしないために無言の条項として作った部分に憲法九条が入り、「我々の願いが言葉になって埋まった」と感じ、憲法24条の男女平等条項に妻は目を見張る、喜びそして涙を流す。名場面である。そのときまでに二度までも戦前と同じような憲法になりそうな危機があっただけに、余計にこの場面は感動的であった。
やっと映画「日本の青空」を見ることが出来ました。 監督 大澤豊 出演 高橋和也 藤谷美紀 田丸麻紀 加藤剛 心配していた「意義任務だけで作る映画」にはなっていませんでした。なかなかドラマチックに描いていました。けれども決してエンタメではない。あえて言えばスクープ映画とでも言いましょうか。 大澤豊監督にはかつて沖縄戦を住民の側から描いた「GAMA-月桃の花」と言う作品があります。これは私のmy most tear映画です。それまでにも平和学習をテーマに沖縄旅行は二回ほどしていましたし、ある程度知識としては持っていたつもりでした。けれども目の前に広がる映像にやられました。映像の力です。この映画でも、きちんとした映像で日本国憲法の成立過程を見ることで、ある程度学習しているものには、「憲法は押し付け憲法ではない。民衆の闘いの成果である」ことに確信が持てるし、ここにある事実をあまり知らなかった人には目からうろこが落ちることでしょう。1945年末から46年はじめにかけての時間を限られた憲法を作るための政府、GHQ、民間学者たちの緊迫したやり取りは見ごたえがあります。 現代女性の沙也可は鈴木安蔵の存在を知ったときに「これはスクープだわ」と呟く。確かにスクープである。松本憲法調査会委員長が世論誘導のために毎日新聞に「松本憲法私案」をすっぱ抜かせたのとは性質が違う。 以前「スクープとは何か」と言う記事の中で私は 「スクープとは衝撃的な事実を速報することではない。 まだ人々に知らされていないことを報道すること。 報道することによって世論に大きな影響を与えるような報道であること。 物事の本質をつかんだ報道であること。 物事の本質を分かりやすく報道すること。」と書いた。 その意味でこの映画をスクープ映画と位置づけたいと思う。 小沢の辞任意向をすっぱ抜くのがスクープではない。彼の意図の本質を「解説」することこそスクープだろうと思う。 HPのここに鈴木たちの書いた「憲法草案要綱」全文がある。 植木枝盛の「革命権」を現代に翻訳したこの部分はぜひ日本国憲法に反映してほしかったと最近つくづく思う。 一、 議会ハ国民投票ニヨリテ解散ヲ可決サレタルトキハ直チニ解散スヘシ 一、 国民投票ニヨリ議会ノ決議ヲ無効ナラシムルニハ有権者ノ過半数カ投票ニ参加セル場合ナルヲ要ス 一、 国民投票ニヨリテ不信任ヲ決議サレタルトキハ内閣ノ其ノ職ヲ去ルヘシ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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