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2008年08月07日
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時雨みち藤沢周平 新潮文庫
映画「山桜」を観て、藤沢周平フリークの私としては、読んだ覚えの無い話だったので、原作本を買ってみた。はたしてあと数冊残っているはずの未読本の一冊だった。久しぶりに藤沢周平の世界を堪能する。

全体的に「意外なラスト」集だといっていい。海外サスペンスがすきだった藤沢の面目躍如たる短編集である。

「山桜」に関して言えば、やはり原作が上だった。映画の田中麗奈はがんばってはいるのだか、例えばラストの処理など原作の方がはるかに印象に残る終わり方なのである。
映画の方が優れていると思ったのは、原作には無い嫁ぎ先の姑の人物造型である。磯村の姑を永島暎子が演じていて、いかにも憎たらしげでしかもプライドもある役。富司純子が演じる東山紀之の母親と好対照になっていた。

以下幾つかの短篇を選んで短評。

「帰還せず」
まるで「第三の男」みたいな展開。藤沢らしいのは、男が死んだあとに女の情が残るところ。

「飛べ、佐五郎」
KYな男の顛末。

「滴る汗」
秀作である。慎重の上にも慎重を重ねた公儀隠密に掛けられる初めての疑い。の可能性。彼は唯一の証拠をどのように処理するか‥‥‥。一人称で語る文体。男がどこで間違えたのか。それは客観的な読者であるわれわれは知っている。

「幼い声」
ちょっと意外なラスト。「新ちゃん、またね」といったその声だけが後々残るという仕組み。

「亭主の仲間」
映画「ノーカントリー」を思い出した。明確な根拠の無い、底なしの悪意と言うのはどこかに存在するのかもしれない。

「おさんが呼ぶ」
題名から察するに最後は失語症の「おさんが呼ぶ」のだろうと推測する。男に愛の告白をするのだろうか、しかしこの時代にはそぐわないと否定する。男が危機のときに思わず叫ぶのだろうか‥‥‥。というような最後の場面を想像しながら読んだ。ラストは意外にも‥‥‥。





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最終更新日  2008年08月07日 07時44分21秒
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