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カテゴリ:洋画(08)
事件に巻き込まれる助産師の目を通して描かれるロンドンにおけるロシア系マフィアのフィルム・ノワール。
監督 : デヴィッド・クローネンバーグ 出演 : ヴィゴ・モーテンセン 、 ナオミ・ワッツ 、 ヴァンサン・カッセル 、 アーミン・ミューラー=スタール 、 シニード・キューザック 人の才能って言っていいのか、性格と言っていいのか分らないけれども、大体二通りに分かれると思う。人と付き合うのが好きで、人の気持ちを容易に察して、自分の言うべきことを瞬時に組み立てることの出来る人間と、一人でいるのが好きで、人の気持ちが分らずに、言うべきことは自分の中に取り込んで玉を磨くように慈しむ人間である。 この映画の主人公は当然後者である。 次第とマフィアの信頼を勝ち得ていくニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)には、万感の感情と万の言葉では言い表せないの目的があった。けれども決して言葉には出さない。ただ、自分が自分である証を確認したくてアンナ(ナオミ・ワッツ)を時々助ける。 たんなるサスペンス映画ではない。ニコライの本当の気持ちは映画の中ですべて語っているとは思えない。ニコライの過去、本当は何があったのか。何を彼をしてあそこまでさせたのか。幾つかのことを想起させて、映画は幕を閉じる。圧倒的な暴力描写と、かすかな希望を遺して。 「できるだけ見た人の気分が滅入るような作品にしたかった。希望に満ち過ぎていると思えるような部分もあるがね」とクローネンバーグ監督はいっているらしい。気が滅入っているときに見ると、かえって良いかもしれない。 やはりナオミ・ワッツが匂うように美しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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