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カテゴリ:邦画(08)
このような映画が作られるようになったのは、一つの危機意識の現われなのだろう。けれども、出来ることならリアルな話にして欲しかった。
監督 : 瀧本智行 原作 : 間瀬元朗 出演 : 松田翔太 、 塚本高史 、 成海璃子 、 山田孝之 、 柄本明 、 劇団ひとり 、 金井勇太 、 佐野和真 、 井川遥 、 笹野高史 、 風吹ジュン 「国家繁栄維持法」が施行された日本。子供たちは小学校入学時にナノ・カプセルが注射され、その中の誰かが18歳から24歳の間に、国家のために24時間後に死ぬという設定。確率は1/1000。松田翔太がイキガミを公務員として配達する。彼の仕事は本人か家族に確実に配達するだけ。「過度の本人への干渉」は違法ということになっているらしい。24時間の間に自暴自棄になって犯罪を起こそうものなら、残されたものには大きな補償が課される。一方、国家のために死ねば、家族には遺族年金が払われる。そうやって、ありがちな犯罪(国家破壊活動)への防止措置は出来ているという事らしい。 とつぜん24時間と言うのがなんとも過酷だ。一応感動話は作っている。けれども、やっぱり漫画原作らしく、どうも薄っぺらと言う感じがしてならない。このような法律が出来ているわりには、社会のありようがそれ以外は全く変わらないというのはリアルじゃない。普通の人々の会話の端々にもっと管理社会としての「恐ろしさ」が見えてもよかった。 常に街頭カメラによって主人公を監視している映像は映るのだが、それも現代でもすでに実現していることではある。 イキガミが来たときの本人や家族の反応、本人が死を迎えるときの細かな表情の変化、そんなことをもっと演出して欲しかった。 当然このような社会になっているとしたら、反対政党や団体はすべて非合法化されているはずである。だから反対運動は地下にもぐっていて、この映画には一切出てこない。ある人間の一つの言葉意外には。 ともかくこのような映画ができたことが、この10年間の日本の変化なのだろう。後世日本映画歴史研究者が、たった一行、「この時代を反映して、このような映画も一本作られた」と記述するだけの日本に将来なって欲しいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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