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カテゴリ:洋画(08)
この前の日曜、映画サークルでのこと。私がナタリー・ポートマンのファンだということは周知の事実で「この映画は見た?」と聞かれた。「えっ知りませんよ」「岡山市のシネコンだけでやっているから見落としたのね」「知りませんでした。情報ありがとうございます、必ず見に行きます」「ナタリーのファンだからねえ。でも行ったら後悔するかも……」ということで見に行きました。ちょっと遠い映画館。22:05上映。家に帰ったころは01:00を過ぎていました。
監督 : ミロス・フォアマン 出演 : ハビエル・バルデム 、 ナタリー・ポートマン 、 ステラン・スカルスガルド 、 ランディ・クエイド 、 ホセ・ルイス・ゴメス 、 ミシェル・ロンズデール 、 マベル・リベラ 18世紀末のスペイン。宮廷画家に任命されながら、権力批判と社会風刺に富んだ作品も精力的に制作し続けるゴヤ。彼が手がけた2枚の肖像画の人物―裕福な商人の娘で天使のように美しいイネスと、異端審問を強硬するカトリック教会の神父ロレンソ―が運命的に出会う。異教徒の疑いで捕えられたイネスを救ってほしいとゴヤに頼まれたロレンソは、拷問を受け牢に繋がれたイネスに面会し、思わず抱きしめるのだった。(goo映画より) 映画の中では、ゴヤは単なる傍観者になっている。主人公は「ノーカントリー」で強烈な「悪」を演じたハビエル・バルデム(神父ロレンソ―) 、そして居酒屋でたまたま好き嫌いで豚肉を食べなかっただけで異端尋問にかけられユダヤ教だと告白させられて15年牢に閉じ込められるポートマン(イネス)である。彼女がナポレオンのスペイン侵攻で釈放された時の姿は確かに「見たら後悔する」ほどにボロボロになっていました。いやあ、役者魂です。私はこんなのは大好きです。口がひん曲がってしゃべるさまは最高です。バルデムを食っていました。 実はこの映画の見所は時代の波にのまれる三人の人物ではない。幾枚も幾枚も映画の大画面で示されるゴヤの「絵」である。実にしっかりとしたデッサン。そしてそれを超えて心の醜さを見事にキャンパスに描き切る。一方では、宮廷の細かい装飾類も忠実に写し取る。天使のような女と微妙に醜い女を描く、ゴヤの「天性」。心情的に常に庶民に寄り添う絵を描くことで偶然にも、動乱のスペインをも描くことになった。ということがよく分かる映画でした。映画の中で、ゴヤは右往左往しているだけのように思えるけれども、あの時代、いったい何が虐げられていて、何が醜くて、何が美しかったのか、一番知っていたのではないでしょうか。堀田善衛の「ゴヤ」を読んでみたくなった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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