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カテゴリ:邦画(09~)
「反省文は5枚以上、先生みんなのOKが出るまで5回も6回も書かせたんです。でも書き直せば、書き直すたび、生徒たちの顔が見えなくなるんです」
監督 : 中西健二 原作 : 重松清 出演 : 阿部寛 、 本郷奏多 、 伊藤歩 、 太賀 、 鈴木達也 ちょっと粗筋(goo映画より) いじめで自殺未遂事件が起こった東ヶ丘中学2年1組。自殺を図った野口の転校後、クラスに臨時の担任として村内が赴任してきた。極度の吃音の村内に生徒たちは苦笑するが、生徒たちに彼は「忘れるなんて、ひきょうだな」と言い放つ。そして片付けられた野口の机をクラスに戻させ、毎朝無人の机に挨拶し続けた。そんな村内に生徒たちが反発する中、事件で深く悩む生徒・園部はその姿を複雑な想いで見つめていた。 小学校時代どもりだった重松清は、村内先生を自分の分身として2年1組に送り込んだのだろう。いつも饒舌な重松文体を抑える役割も持っていたのかもしれない。それと同時に 想いをそれぞれのやり方でしか伝えることができない、そういうことの象徴なのだろう。 本来描かなければならないところまで省略していたようには思う。けれども抑制の効いた、心にストレートに訴えるいい『いじめ映画』(というようなジャンルがあるかどうかはしらないが)だったと思う。小学生高学年から中学生にみて欲しい。 中学時代の私に、いまの私は『責任』を持てるだろうか。もてると思う。あの頃は、特定の個人が個人を悪口を言ったり、いじめたりしていた。ボクは、無視も悪口もしなかった。うっとうしいと思いながらも、Y君やM君にはなぜか好かれていたし、傷つけるようなことはしなかった―と思う。 けれども、本当にそうか? もう何10年もボクはその問いを問い返している。 Y君、君は中学卒業から4年後、チンピラになって大阪で死んでしまったと、大学のときの同窓会で聞いた。(そのときの原因や君の状況などはついに分らずじまいだ) 中学時代、ボクは本当に君を傷つけなかったのだろうか? もう思い出そうにも思い出せない遠い過去だ。ただ、君が死んだと聞いたあのときから、ボクはずーと『遣り残したこと』を考えている。 映画の中、反省文を書かせ、『青い鳥』という相談ボックスを作り、『運動』として世間体をつくろうことに執心する学校の態度には反吐が出る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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