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カテゴリ:邦画(09~)
「背筋が凍るわな」
監督 : 君塚良一 出演 : 佐藤浩市 、 志田未来 、 柳葉敏郎 、 石田ゆり子 、 佐々木蔵之助 、 佐野史郎 、 木村佳乃 (goo映画より)日本映画衛星放送幼い姉妹の殺害事件で未成年の容疑者が逮捕される。その瞬間から容疑者の家族は、マスコミや世間の目を避けるため警察の保護下に置かれ、中学生の妹・船村沙織の担当は刑事の勝浦に任される。ホテルや自宅アパート、友人のマンションを転々とするが、マスコミの執拗な追跡に行き場を無くした勝浦は、かつて担当した事件の被害者家族が営む伊豆のペンションに身を寄せる。そこへ沙織のボーイフレンドが駆けつける。沙織を襲ったのは、容赦ないネット攻撃であった。 ラスト近くこんな意味の会話が沙織と勝浦の間で交わされる。 「お兄さんも、お父さんも君が守るんだ」 「お父さんも…?」 「そうだ。守ろうとしたならば、その傷みを君も感じなくちゃいけない……。それはとても大変なことだ。でも君はできるね?」 たった、15歳の少女にそんな理不尽なことを、そんな課題を、勝浦は押し付ける。普通ならば、リアルならば、そんな大変なことできるはずがない、と思うべきだ。けれども、「映画だから」少女はうなずく。普通の女優ならば、それは嘘っぱちの演技にしか見えないだろう。ところが、志田未来は違った。すべての大変なことに気がついた上で、「未来」を一人背負って彼女はうなずくのである。この映画のクライマックスであり、この映画の一番の価値である。背筋が凍った。 もともと私は少女が健気にがんばる作品に弱い。でも、志田未来、やはり注目すべき女優ではある。 さて、この映画の特徴であるネット攻撃であるが、記者の 佐々木蔵之助のこの台詞に尽きるだろう。 「私はこの一連の騒動の取っ掛かりを作っていたと思っていた。ボールを握っていたと思っていたのに、いつの間にかボールは坂道を転げて手の届かないところにいってしまった」少し大げさな部分もあるけれども、似たようなことはネット上日々起こっている。まさに背筋が凍る。 このような映画をきっかけにして、ネットの中の暴力をなくすためには何が必要なのか、もう一度みんなで考えていくべきだろうと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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