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カテゴリ:邦画(09~)
しみじみよかった。真正面、真面目に作っている。
最初あまりにもあっさり仕事を辞めるので大丈夫かなあ、と思ったが、ちゃんとフォローしているし、むしろ転職してからのことをしっかりと描くことで説得力のある話になったと思う。 監督 : 錦織良成 出演 : 中井貴一 、 高島礼子 、 本仮屋ユイカ 、 三浦貴大 、 奈良岡朋子 、 橋爪功 、 佐野史郎 、 宮崎美子 、 遠藤憲一 、 中本賢 、 甲本雅裕 、 渡辺哲 、 緒形幹太 、 石井正則 、 笑福亭松之助 大手家電メーカーに勤める筒井肇は、昇進も決まり順風満帆なサラリーマン生活を送っていた。そんな矢先、故郷で一人暮らす母親が倒れたとの知らせが入る。追い打ちをかけるように、入社同期の親友が事故死したとの連絡が…。久しぶりに帰省した故郷・島根で、仕事に追われ家族を気遣うことなく走り続けてきた日々を顧みる。そして彼は決意する。子供の頃夢見ていた“バタデン”の運転士になる事を。 この粗筋を見ると、もう映画を見たような気分になってしまうが、実はそうではない。単純な話の中で、どれだけ細部にこだわるかによって、セリフではなくて登場人物の人生をも垣間見せるような映像を作ることが、どれだけ大切かということなのである。TVではなく、映画を見に来る人は、肇の友人関係の中にそういう人生を垣間見るのであり、家の佇まい、娘や妻との簡単なセリフのやり取りの中に人生を見、そしてひとつひとつの電車の客とのやり取りの中にもそれを見るのである。だからちゃんと思いがけずに泣かせるし、ちゃんと納得するエンドロールを見る。誰も途中で席を立つものはいない。 50歳になったこの歳でこの月に島根で再出発する映画を二本観た(もう一本は「川の底からこんにちは」)。どちらも傑作。これも運命だと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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