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再出発日記

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2010年07月02日
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カテゴリ:洋画(09~)
韓国のなんでもない坂道が、どうしてこんなに傑作を生むのだろうか。それはこの坂道にへばりつくように生きている人々が、その「恨(ハン)」を解くために日々血のにじむような想いをしているからに他ならない。

監督・製作・脚本・編集・出演 : ヤン・イクチュン
出演 : キム・コッピ 、 イ・ファン 、 チョン・マンシク 、 ユン・スンフン 、 キム・ヒス

二人が結びついたのには二つの偶然がある。ヨニはサンフンにとっては母親に面影が似ていたし、妹と生まれ変わりのようにも思えた。ヨニにとっては、男の姉の家庭は家族の再生の象徴だったのだろう。

本人たちが遂に知ることの無い「運命的事実」も観客のわれわれだけに二つ提示される。ヨニの母親を殺したのは、サンフンであり(だったでしょ?だよね)、サンフンを殺したのはヨニの兄なのである。これは「運命」としか言いようがない。

ひとつの暴力は、もうひとつの暴力を生む。サンフンの父親の暴力はサンフンの暴力を生み、サンフンの暴力はヨニの兄の暴力を生む。その暴力をとどめる力は「母性」しかない。しかし、最初の悲劇はサンフンの父がなぜかその「母性」を殺したところからその悲劇の連鎖が始まる。ヨニの父もベトナム戦争という暴力によって、間接的ながらヨニの母を殺す。

暴力の連鎖を止めるものも、母性以外にはない。ヨニの膝枕以外にはないのである。

暴力の前に小さな花は無力である。けれども、暴力をとどめるのも、小さな花の囁き以外にはないのである。「これからは私のために生きて。しあわせになれるよ」
トンバリ(糞バエ).jpg
原題は「トンバリ(糞バエ)」である。この主演・脚本・監督を務めたヤン・イクチュンの仕事はそれぞれが素晴らしかったのではあるが、この題名だけはいただけない。裏意味で「取り立て屋」という意味でもあるのかと思ったが、どうもそうでもないらしい。内容がこれでは誤解するだろう。

こんど、ソウルを歩いたときにこういう坂道を探してあるこうと思う。どうもソウル漢江の近くらしい。サンフンが立っている街角にカンアクク(冠岳区)という地名がハングルで書かれていた。





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最終更新日  2010年07月02日 05時25分10秒
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