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ラッコの映画生活

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2008.02.12
XML
カテゴリ:フランス映画
PARIS, JE T'AIME
120min
(所有DVD)

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フランスの首都パリ。今もパリ市自体は20の区からなるひとまとまりの都市ではあるけれど、ヌーヴェルヴァーグの50年代、60年代、ゴダールやトリュフォーやリヴェットの頃のパリは、20区内の文字通りのパリ市自体でもっと閉じた都市だった。20区の外はバンリュー(郊外)で、パリではなかった。それは今でも変わらないけれど、でもやはり外へ外へ町が膨張していることは確か。このオムニバス映画の第5話の『16区から遠く離れて』には郊外のニュータウンとパリの距離がテーマにあるし、第6話の『ショワジー門』などはパリ南東の外周部の辺りで、ここも街が大きく近代的に変わっている。それでも1区から20区までのそれぞれの区には昔ながらの個性があるわけで、この映画の最初の構想は20の区を描いた20のショートをまとめたオムニバスにすることだったのではないだろうか。ところが起用した監督の多くが日本の諏訪敦彦をはじめとする外国人であったことは、それはそれで意味はあっても、テーマが「パリ」であって「パリ××区」ではあまりなくなってしまった。そして何と言っても1話あたり実質5分というショートはなかなか難しいものがある。結局残されたのは18話のみ。ボツとなった2話が他の18話より出来が悪いということではなく(特典映像に収録)、なんとか一つの流れをもった2時間の作品にするために苦心した結果だろう。はっきり言って構想や各監督とのコンセンサスが安易過ぎた結果が、この作品の中途半端な出来だろう。たかだか各5分のショートについて詳しく書くのも虚しいので、各ショートの印象やら、これをキッカケとした脱線話を、何回かに分けて書いてみたいと思う。


第1話『モンマルトル』ブリュノ・ポダリデス監督
MONTMARTRE Bruno Podalydes


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この監督は変わった名前だけれど、パリ郊外に生まれたフランスの俳優&監督。監督作は短編、中編が中心で、「ヴェルサイユ左岸」という中編はセザール賞を獲得しています。このショートで俳優としても出演しています。19世紀セーヌ県知事だったジョルジュ・オスマンの都市改造によって現在のパリの原形が整備された。彼は小さな路地等を潰して大通りを整備するなどしたけれど、オスマンの計画がもともと、1区から始めて螺旋状右回りに2区、3区、・・・20区と周辺部へ広がっていくパリの区割りの中心部だけが主な対象であったことと、18区にあるモンマルトルは丘で高くなっていて、オスマンの主旨を延長してその後なされた都市整備でも、斜面や坂道であったために上手く真直ぐで広い通りを作ることが出来なかったのだろう。だから逆にモンマルトルには階数の少ない小さな建物や一軒家、車の通れない細い路地など、古い風情が残ってもいる。そんなモンマルトルはリヴェットの『セリーヌとジュリーは舟でゆく』で見られます。

そんなモンマルトルなので車の路上駐車が大変。主人公の男(監督の自演)が何度もぐるぐる同じ道を巡って、やっと場所を見つけて駐車。本人が独白するように仕事もあって、そこそこイイ男で、立派な車もあって、運転も上手くて、なのに孤独な彼なんでね。歩道を歩いてくる乳母車を押した若い母親、お腹の大きな妊婦、親密なカップル。彼の車の横を通り過ぎて見えなくなるけれど、今度はドアミラーに映る姿を彼は見送る。次はちょっと美しいけれど顔色の悪い女性。視界から消えるとドアミラーをまた見るけれど、彼女の姿は映らない。何が起きたかと彼が車を降りると、車の横に倒れている。通りがかった医者は単なる低血糖だと言っていたが、車の後部座席で休ませてやる。そんな彼女は運命の女性なのか?。ほのぼのとした出会いを描いた物語で、映画を始めるのには適切だったのだろう。ここまで読んで気付かれた方もいらっしゃるでしょうが、主人公が見ていたのは「乳母車の母→妊婦→恋人同志」で、これは女性の過程を逆に辿っているわけで、ならば次に描かれるのはもう一つ戻って「出会い」なんですね。ショートとしてはなかなか上手い構成です。他の映画で既にあるのかどうかは知りませんが、車の運転席からフロントスクリーンを通してまず実像で見ていて、次にドアミラーで見るというのもなかなかの思いつきだと思いました。


第2話『セーヌ河岸』グリンダ・チャーダ監督
QUAIS DE LA SEINE Gurinder Chadha


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グリンダ・チャーダは『ベッカムに恋して』の監督さん。もともとインド系で、ケニア生まれのイギリスの監督ですね。BBCのドキュメンタリーで賞取ったりしている人だから、社会派と言えるでしょうか。『ベッカムに恋して』は親の反対に屈せずに自分のやりたいことをやるという物語で、これはおそらくジャーナリストになった監督自身の自伝的物語なんでしょう。

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この『セーヌ河岸』はパリに住むイスラームの若い女性とフランス人青年の出会いの物語だけれど、イスラームの少女もジャーナリストを目指しています。国際都市パリでの異文化の接触(や共存)の物語と言ってしまっては単純すぎるでしょうか。フランス人青年は少女がヘジャブ(イスラーム女性の冠るベール)を強制されてイヤイヤしていると捉えるわけです。欧米や日本人の目には、タリバン等原理主義者が女性に強制するブルカは(これもベールの一種)は女性抑圧の象徴と映るわけです。しかし文化っていうのはそんな単純なものではないんですね。少女は、ヘジャブは自発的にしているし、誇りでもあり、アイデンティティーの源泉でもあると言うわけです。もし出会って好感を持ち合ったこの二人がつき合っていくとすれば、そうでなくとも彼女がジャーナリストとなって(あるいはならなくても)このパリで生きていけば、前途には色々な苦難があるでしょうね。それを溌溂とした明るく美しい少女で、希望を持たせて描いているところに監督の意志のようなものを感じました。それにしてもこの女優さんは美しいですね。


第3話『マレ地区』ガス・ヴァン・サント監督
LE MARAIS Gus Van Sant


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マレー地区っていうのは、サン・ルイ島からセーヌを渡った右岸の3区と4区にまたがる地区で、昔の貴族の館などが残っていて風情のある所です。ヴォージュ広場とか17世紀にはセヴィニェ夫人も住んでいたカルナヴァレ博物館があったりします。子供の頃パリに住んでいた自分にとっては、なんとなく落ち着いた大人っぽさのある地区で、ちょっと近付き難い気持ちを持っていたかも知れません。19世紀末にはユダヤ人街となり、第一次大戦の時には重労働の労働者の不足で中国人を多数招聘し、結果戦後も住み着いた彼らが中国人街を形成。彼らが宝石加工やモロッコ皮製造の商店を営み、モロッコ皮と言えば本の装丁でもあり、この映画のような高級美術印刷、さらに美術ギャラリーなんかが多い。そして1980年代からはゲイの街という性格も持つようになる。

この第3話の監督はアメリカのガス・ヴァン・サント。最近の作品では『ラストデイズ』が有名でしょうか。美術専門の印刷所にイギリス人客マリアンヌ(マリアンヌ・フェイスフル)が通訳の青年ガスパール(ギャスパー・ウリエル)を連れてやってくる。その印刷所の下働きの青年エリ(イライアス・マッコネル)にガスパールは興味を引かれ話しかける。ガスパールは「君にオーラを感じる、前世で会ったのでは」等と話すが、エリの発するのは「ウイ」「メルシー」「デュ・フー(火を貸して)」等の短い言葉だけ。ガスパールは電話番号を残して去る。実はエリは英国人でフランス語はほとんどわからないのだ。英語で店主に相談すると「電話してみれば」と言われる。ガスパールはゲイなんでしょうかね?。第1話、第2話に続いて、これも一つの出会いの物語です。それにしてもマリアンヌ・フェイスフルの貫禄が凄かった。

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第4話、第5話
第6話、第7話
第8話~第10話
第11話、第12話
第13話、第14話
第15話、第16話
第17話、第18話
番外編2話




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Last updated  2008.03.24 01:14:11
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