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October 5, 2007 楽天プロフィール Add to Google XML

★米シティが日興CGを「三角合併」方式の株式交換で完全子会社化に
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


米シティグループは、10月2日に、既に67.2%の株式を保有する日興コーディアルグループの残りの株式を、来年1月に株式交換によりすべて取得して、日興を完全子会社化すると発表した。

今回の株式交換では、シティ以外の日興の株主が保有する株式のすべてを、シティの日本における子会社の「シティグループ・ジャパン・ホールディングス」に移転し、シティ以外の株主には、その対価として、親会社のシティ株式を交付するという「三角合併」の手法が採り入れられているため、今年の5月1日に組織再編行為の対価の柔軟化が解禁されて以来、「三角合併」方式の組織再編行為の初の事例ということになる。

今回の株式交換の規模は5300億円程度になる見通しだが、サブプライムローン問題で業績が悪化しているシティは、多額の現金の流出を避けて迅速に完全子会社化が実現できる手法として株式交換を選択したとみられる。

シティを除く日興の株主には、今春に日興が子会社化された際のTOB(株式公開買い付け)で設定された価格と同じ1株あたり1700円のシティ株が交付されるが、株式交換に反対の株主は、日興に対して株式買取請求を行うこともできる。

なお、日興がシティの100%子会社になった場合、各証券取引所では上場廃止となるが、現在シティは東京証券取引所に上場を申請しており、早ければ年内にも上場が認められる見通しのため、シティ株の交付を受ける日興の株主は、直接、東証でシティ株の売買を行うことも可能になる。

日興は、2006年12月に不正な利益の水増しによる会計処理が発覚し、東証などでは同社株が上場廃止の可能性もあるとして監理ポストに割り当てられるなどの結果を招き、当時の社長や会長らが引責辞任して顧客離れが起きたことから、信用補完のために、TOBでシティの傘下に入ったという経緯がある。

一方、シティは、2004年に富裕層向け部門による違法行為により金融庁から行政処分を受け、同部門が日本から撤退していたため、日本での事業拡大が課題となっていた。

今回、日興を完全子会社することで、シティは、日本国内のシティバンク銀行の支店数を現在の約30店舗から数年間で倍増するなど事業拡大を本格化する方針で、日興の110支店と合わせると、販売網は全国に広がって、大手金融グループに次ぐ規模となる。

世界最大級の金融グループである米シティが「三角合併」方式を活用したM&Aを行うことにより、今後、外資の同手法による日本企業買収が続く可能性もあるといえよう。


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Last updated  October 5, 2007 20:32:35


September 23, 2007

★足利銀行の受け皿選定が最終段階に突入
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


2003年に経営破綻し、預金保険法102条第1項3号に基づく措置により、一時国有化されて「特別危機管理銀行」となっている足利銀行の受け皿となる売却先の選定について、9月20日に金融庁は、最終段階となる第3次選定に入る方針を固めた。

そのため、早ければ、今年度内にも足利銀行の受け皿が決まる見通しとなった。

足利銀行の買収に名乗りを上げているのは、横浜銀行を中心とした地銀連合、栃木銀行と大和証券SMBCとの連合、野村証券グループ、みずほグループ系の投資ファンド、外資系投資ファンドのローンスターなどだが、地元では外資への抵抗が強いため、金融庁では地元の意向も踏まえて、国内勢を中心として最終選定に入る方向で調整を進めている。

足利銀行の受け皿となるには、現在国が保有している同行の株式を買い戻したうえで、安定的に銀行経営を行うために必要な自己資本を積む必要があるが、足利銀行の収益力や資産規模を考慮すると、総額で3000億円から4000億円程度の拠出が必要とみられている。

また、足利銀行株の買取価格については、債務超過に陥っている足利銀行に対して国がどの程度の負担金を拠出するかが重要な要素となるため、渡辺喜美金融担当大臣も「国民負担の極少化が具体的な受け皿選びの条件の一つとなる」と述べている。

ところで足利銀行といえば、バブル期に、よみうりランドのアシカと小田茜を共演させた「アシカが、よろしく。」のテレビCMで一躍有名となり、鬼怒川温泉や那須高原のゴルフ場といった地元観光業をはじめ、東京など県外への融資や系列ノンバンクによる不動産担保融資などを積極的に行って、当時は「地銀の雄」などともてはやされていた。

しかし、その融資実態は、融資審査を十分に行わない過剰融資に他ならなかったため、バブル崩壊により不良債権が増加して、総額1350億円の公的資金の投入を受けたものの経営破綻という結果を招いた。

当時、北朝鮮への送金の窓口となっていたことも、足利銀行のイメージを悪くしたといわれている。

また、経営破綻に至るまでの粉飾決算を見過ごしたとして、中央青山監査法人(当時)の責任も問われる結果となった。

足利銀行は、栃木県内での融資シェアの5割を占め、預金量でも県内の金融機関全体の4割にものぼり、栃木県の金融や経済に極めて大きな影響力を有しているため、その売却先となる受け皿に今後注目される。


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Last updated  September 23, 2007 09:55:03

September 22, 2007

★米ファイザー社の中央研究所がEBOによる企業買収で独立へ
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


製薬世界最大手である米ファイザー社の愛知県武豊町にある中央研究所が、来年4月にも、研究者たちのEBO(Employee Buy-Out 従業員買収)による事業買収で、ベンチャー企業として独立する見通しとなった。

これは、米ファイザー本社が、業績不振のために、同研究所を含む世界5ヶ所の研究拠点の閉鎖を決めたためだが、米本社も、閉鎖に伴う混乱や雇用不安などを回避するため、中央研究所の独立を容認する方向だ。

中央研究所は、1985年に設立されて消化器分野や鎮痛剤の基礎研究などを担当してきたが、在籍する約380人の研究者のうち80人程が新会社設立に参画する見通しで、所長の長久厚氏を社長にする方向で調整中が進められている。

今後、ファンドから運転資金の3年分に当る100億円程を調達する計画で、年内にも、米ファイザー本社が保有する新薬候補物質の中から譲渡を受ける品目や条件などを決める予定で、米本社が資本参加する可能性もあるという。

ベンチャー企業としての独立後は、消化器分野などの有望な新薬候補物質を探して国内外の製薬会社にライセンス供与することで収入を確保していくが、事業が軌道に乗った後は株式上場も視野に入れている。

EBO(Employee Buy-Out 従業員買収)は、村上ファンドが、松坂屋とその従業員に対して提案したといわれているが、日本ではまだ例は少ない。

本来、従業員は、勤務先との雇用契約により業務に従事し、勤務先の所有や経営には関与しないのが通常だが、その従業員が、自己資金や借り入れなどにより株式等を取得して経営に参加する企業買収の形態がEBOで、EBOを行った従業員にとっては、自らが向上させた企業価値に対して、所有者(株主)としてリターン(配当)を得ることが可能になる。


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Last updated  September 22, 2007 09:50:24

September 13, 2007

★TBSが買収防衛策の発動を見送りへ
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


TBS株の19.86%を保有する楽天が、今年4月に株式を21%程度まで買い増すと宣言したことを受けて、買収防衛策を発動すべきかどうかを検討していたTBSの第三者機関「企業価値評価特別委員会」は、9月7日、これを発動しないようTBSに勧告した。

これは、楽天側が「今後10年間はTBS株の保有比率を20%を若干超える程度にとどめ、大幅に買い増す意図はない」と口頭で明言したため、「楽天が濫用的買収者である可能性は否定できないが、株式の保有比率が21%以下にとどまる限りは、TBSの企業価値を損なうとは言いにくい」と判断されたためだ。

但し、楽天側がこの方針を変更した場合は、委員会への約束違反となるため、改めて対応を検討するとしている。

TBSでは、委員会の勧告を受けて、9月12日の取締役会で買収防衛策発動の手続きを見送ることを正式決定し、10月中旬に買収防衛策発動のための決議を予定していた臨時株主総会の開催を中止した。

もし、TBSの臨時株主総会における特別決議(三分の二以上)で買収防衛策の発動が可決された場合には、楽天は発動の差し止め訴訟を提起する構えで、特別決議にも関わらず差し止めが認められるという見方もあった。

そのため、TBSでは、訴訟リスクを回避しながら楽天の株式買い増しへ歯止めをかけるという実利を手にしたといえる。

「ネットと放送の融合」を掲げる楽天が、TBS株の20%超の買い増しを宣言したのは、TBSを連結決算上の持分法適用会社とすることで、TBSの収益を楽天の決算に反映させることが狙いとされているが、持分法適用に伴う「のれん代償却費」を差し引くと収益面でも大したプラスにはならないという分析もある。

TBSの買収防衛策の発動そのものは見送られたが、楽天による大幅な株式の買い増しの道は閉ざされた格好となり、必ずしも楽天が勝利したとはいえない。

また、TBS側の楽天への不信感は根強いものがあり、楽天が求める業務提携には応じない構えで、6月に開催されたTBSの定時株主総会でも、楽天側が提出した取締役の派遣案が既に否決されている。

今後も両社の「勝者なき消耗戦」は続くこととなる。

ところで、日本の放送業界については、第三者名義や系列グループ企業間での株式の持ち合いなど、マスメディア集中排除原則を形骸化させてきた経緯があるため、TBSは買収防衛策を発動しないとしても、本当の資本構成など経営情報の公開を進めて視聴者に説明し理解を得ていくことなど、放送局の中立性を確保する手段を考える必要があるとの指摘もある。


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Last updated  September 13, 2007 23:04:04

September 1, 2007

★ブルドックが事前警告型の買収防衛策を導入へ
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


スティール・パートナーズの仕掛けた敵対的TOB(株式公開買い付け)を法廷闘争の末に防いだブルドックソースは、8月30日に開催した取締役会において、事前導入型の買収防衛策の導入を決議した。

スティールのTOBが終了して"平時"に戻ったものの、新たな買収に備えるために、事前導入型の買収防衛策を導入した。

今回の買収防衛策は、株式の大量取得を狙う買収者に対して、目的や手法などの情報提供を求める一般的なものだ。

具体的には、20%以上の株式の取得を狙う買収者に対して「買い付け意向表明書」の提出を求め、取締役会では意向表明を受けてから10営業日以内に質問状を送り、買収者からの情報が揃ったと判断した日から最大90日の間、社外取締役などで構成される独立委員会に諮問したうえで、「企業価値や株主共同の利益」に与える影響を検討し、新株予約権発行などの対応策をとるというものだ。

新株予約権発行による対抗措置は、買収者が防衛策のルールに従わなかったり、取締役会が「買収者は短期的な利得のみを目的とするものなど株主共同利益を著しく損ねる」と判断した場合に発動されるが、株主の議決権総数の過半数が、買収者の買い付けに応じると書面で意志表明した場合には、対抗措置は講じない。

なお、新たな防衛策の有効期限は2010年6月の株主総会までとなっているが、毎年の株主総会で承認を得ることが防衛策の継続の条件となっており、承認が得られなければ廃止される。

この株主総会における決議要件を、「普通決議(出席株主の過半数)」とするか、「特別決議(3分の2以上)」とするかはまだ未定という。

スティールが8月30日に関東財務局に提出した大量保有報告書によると、ブルドック株の保有割合は、TOBでの取得分や共同保有を含めて5.42%に低下しているものの、依然として、筆頭株主はスティールのままであり、ブルドック経営陣への圧力は続いているといえるだろう。


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Last updated  September 1, 2007 10:14:03

August 24, 2007

★三越と伊勢丹が持ち株会社設立による経営統合を正式決定
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


三越(売上高8041億円・業界4位)と伊勢丹(売上高7817億円・業界5位)は、8月23日にそれぞれ取締役会を開催し、持ち株会社方式により経営統合することを正式決定した。

両社は、11月に臨時株主総会を開催して経営統合の承認を得た上で、共同持ち株会社である『三越伊勢丹ホールディングス』を2008年4月1日付けで設立し、その傘下に入ることになる。

株式の統合比率は、直近3ヶ月間の株価を基準に三越の含み益なども考慮して、伊勢丹株1株に対してホールディングス株を1株、三越株1株に対して同0.34株を割り当てることで合意した。

なお、持ち株会社の本店は、三越銀座店のある東京都中央区銀座に置かれる。

経営統合により、両社の売上高の合計額は1兆5858億円となるため、現在業界首位の高島屋(1兆494億円)を上回り、大丸と松坂屋ホールディングスの経営統合で今年9月に発足するJ・フロントリテイリング(1兆1736億円)も抜いて、国内最大規模の百貨店グループになる。

今回の経営統合の交渉を持ちかけたのは、経営状態の厳しい三越からという見方が強い。

三越は売上高で伊勢丹を上回っているものの、営業利益では三越の126億円に対して、伊勢丹は322億円と高い収益力を誇っているため、伊勢丹の経営ノウハウを取り込むことで経営再建を進める狙いがあるとみられるからだ。

また、北海道から九州まで全国各地に20の店舗網を持ち富裕層に強みをもつ三越と、首都圏を中心に13店を運営してファッション衣料を中心に若年層の支持を集める伊勢丹とは、お互いの補完関係が成り立ちやすいことに加え、「大都市を中心とした店舗網がないと先行きが厳しい」との見方もある。

大丸の奥田務会長が、松坂屋ホールディングスとの経営統合(J・フロントリテイリング)を発表した記者会見で、「将来、志を同じくするものたちの参加を、なるべく多く求めていきたい」と語ったように、三越には、老舗百貨店同士の『老舗連合(J・フロントリテイリング)』と経営統合するという選択肢もあったが、経営再建を最優先したものと思われる。

三越では、今年度中に第三者割当増資などによる800億円規模の資金調達を検討していることが明らかになっているが、経営統合する伊勢丹のほかに、三井住友銀行など三井グループの主要企業にも出資を要請する可能性もあるなど、財務面でも立て直しを急いでいる。

ちなみに、当初三越では、公募増資による資金調達も検討していたが、業績の伸び悩みで想定通りの調達が難しいと判断し、第三者割当増資を中心とした模様だ。

現在、百貨店業界では、人口の減少や専門店などとの競争激化を背景として再編の動きが加速している。

既に、2003年6月には、西武百貨店とそごうを傘下に持つ『ミレニアムリテイリング(売上高9665億円・業界2位)』が発足しているが、今年9月には、前述の大丸(売上高8370億円・業界3位)と松坂屋ホールディングス(売上高3366億円・業界7位)が経営統合して持ち株会社『J・フロントリテイリング(売上高1兆1736億円)』が発足するほか、10月には、阪急百貨店(売上高3959億円・業界6位)と阪神百貨店(売上高1108億円・業界9位)が経営統合して持ち株会社『エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング(売上高5067億円)』が設立される。

大丸の奥田務会長は、「(J・フロントリテイリングには)志を同じくする企業は受け入れる」と述べて、さらなる事業規模の拡大に前向きな姿勢を示す動きもあるため、業界トップから3位に下がる見通しとなった高島屋(売上高1兆494億円・業界1位)をはじめとして、伊勢丹と業務提携をした東急百貨店(売上高2643億円・業界8位)、伊勢丹と商品の共同仕入れを行う松屋や東武百貨店などが、新たな再編の中核を担う可能性もあり、今後の百貨店業界の動向が注目される。


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Last updated  August 24, 2007 12:40:50

August 13, 2007

★ブルドックの買収防衛策を最高裁も容認
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


ブルドックソースが導入した『取得条項付新株予約権の無償割当て』を巡るスティール・パートナーズによる差し止めの仮処分申請について、平成19年8月7日に最高裁判所第二小法廷(今井功裁判長)は、防衛策の差し止めを認めなかった東京高裁の決定を支持して、スティール側の特別抗告と許可抗告を棄却する決定を行った。

この決定を受けて、ブルドックの『ポイズンピル(毒薬条項)』を活用した買収防衛策の発動が、8月9日に、日本で初めて実現することになるが、この効果として、スティールの持ち株比率は10.52%から2.86%に低下することになる。

なお、スティールは、東京高裁決定で『濫用的買収者』と認定されているが、最高裁決定では、この点につき判断されていないため、スティールが『濫用的買収者』であるという東京高裁の判断は効力を失わないことになる。

ブルドックの買収防衛策は、一般的な「事前警告型」ではなく、買収を仕掛けられた後に導入された「有事導入型」であるが、すべての株主に無償で割り当てられた『取得条項付新株予約権』をブルドックが強制的に取得する際の対価が、スティール以外の株主には『1株につき3株の普通株式』である一方、スティールには『約21億1400万円の金員』であるため、これが『株主平等の原則』に違反するか否かと『著しく不公正な方法』に当るか否かが争われてきた。

この点につき、最高裁決定においては、会社法109条(株主平等の原則)の趣旨は、株主ではない段階の『新株予約権の無償割当て』の場合にも及ぶとしたうえで、以下のように認定されている。

1) 特定の株主(買収者)による経営支配権の取得に伴い、株主の共同の利益が害されるような場合には、その防止のために当該株主(買収者)を差別的に取り扱っても、衡平の理念に反し、相当性を欠くものでない限り、これを直ちに株主平等の原則の趣旨に反するものということはできない。

2) 利益が害されるか否かは、最終的には、株主自身(株主総会)により判断されるべきもので、重大な瑕疵が存在しない限り、株主の判断(株主総会の決議)が尊重されるべきである。

3) 6月24日に開催された株主総会において、出席株主の88.7%(総議決権の83.4%)の賛成を得て『新株予約権の無償割当て』が可決されたため、抗告人(買収者)関係者以外のほとんどの既存株主が、株主の共同の利益を害すると判断したものということができる。

4) 株主総会の手続きに適正を欠く点があったとはいえず、抗告人(買収者)関係者が、経営支配権取得後の経営方針を明示せず、投下資本の回収方針についても明らかにしなかったことなどによる判断であることがうかがわれるため、決議の正当性を失わせるような重大な瑕疵は認められない。

5) 抗告人(買収者)関係者は、本件取得条項付新株予約権の取得が実行されることにより、金員(約21億1400万円)の交付を受けることができ、これが実行されない場合でも、新株予約権の譲渡を申し入れることにより、金員の支払いを受けられる。

6) 抗告人(買収者)関係者が交付を受ける額(約21億1400万円)は、抗告人(買収者)関係者が自ら決定した公開買い付けの買付価格に基づき算定されたもので、本件新株予約権の価値に見合うものといえる。

7) 抗告人(買収者)関係者に多額の金員(約21億1400万円)を交付すること自体、相手方(被買収者)の企業価値を毀損し、株主の共同の利益を害するおそれのあるものということもできないわけではないが、抗告人(買収者)関係者以外のほとんどの既存株主は、やむを得ないと判断したものといえ、この判断も尊重されるべきである。

8) 抗告人(買収者)関係者が、原審(東京高裁決定)のいう『濫用的買収者』に当るといえるか否かにかかわらず、本件新株予約権無償割当ては株主平等の原則の趣旨に反するものではなく、法令等に違反しないというべきである。

9) 抗告人(買収者)関係者に割り当てられた本件新株予約権は、その価値に見合う対価(約21億1400万円)が支払われることも考慮すれば、対応策が事前に定められていなくても、本件新株予約権無償割当てを著しく不公正な方法によるものということはできない。

10) 新株予約権の内容に差別のある新株予約権無償割当てが、専ら経営者側の経営支配権を維持するためのものである場合には、その新株予約権無償割当ては原則として著しく不公正な方法によるものと解すべきであるが、本件がそのような場合に該当しないことは明らかである。

今回の決定で最高裁が重く見たのは、ブルドックの防衛策が6月24日の株主総会で出席株主の88.7%(総議決権の83.4%)の賛成を得たという点だが、買収防衛策を発動するために『特別決議(3分の2以上の株主の賛成)』が条件になるならば、安定株主を増やすことだけを目的にした安易な株式の持ち合いが加速する可能性があり、海外からの投資意欲をそぐ要因になるという批判もある。

今回の法廷闘争では勝利したブルドックだが、2008年3月期の連結最終損益は、従来予想の5億円の黒字から一転して9億8000万円の赤字(前期は5億4100万円の黒字)となり、業績は悪化するが、これは、スティールから買い取る新株予約権を21億円で損失処理し、弁護士事務所や証券会社に支払う費用をTOB対策費用として約7億円計上することなどが影響したためだ。

『ポイズンピル(毒薬条項)』を導入したことで、スティールから買い取る新株予約権の処理により赤字に転落するブルドックの経営陣の責任は重いといえるため、株主への説明責任が改めて問われることになりそうだ。


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Last updated  August 13, 2007 07:50:43

August 11, 2007

★日本の会計基準が『国際会計基準』と全面共通化へ
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


従来から、透明性が低く、限りなく『簿記』の世界のままであると批判されてきた日本独自の会計基準が、2011年までに『国際会計基準(IAS)』と全面的に共通化されることになった。

これは、8月3日に、国内の会計基準の作成を担う企業会計基準委員会と国際的な会計基準の作成を担う国際会計基準理事会(IASB)の双方が、2011年までに『国際会計基準』との間のすべての相違点を解消することに関して、大筋で合意したためだ。

実は、2006年5月1日に施行された「会社法」及び「会社計算規則」には、『国際会計基準』で認められている『資本控除』が採用されており、会社設立の際の創業費等の繰延資産を資本金の額に計上しないことも認められていたことから、【資本金0円】として株式会社を設立することも可能となっていた。

ところが、2006年8月11日に企業会計基準委員会が公表した「実務対応報告第19号(繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い)」において、繰延資産の『資本控除』を認めない方針が示されたため、「会社計算規則」が改正され(2006年12月22日公布・2007年1月20日施行)、【資本金0円会社】が"凍結"されてしまったという経緯が過去にはある。

今回の『国際会計基準』との全面共通化により、【資本金0円会社】が"復活"することになりそうだ。

また、これまでは、官主導により会計基準が作成されてきたことを受けて『法形式』が重要視されてきた日本独自の会計基準が、投資家や債権者の保護という視点に立って自己責任で投資判断を行うことを可能にするために、企業の『実態』を『適正に表示』することを大原則とする『国際会計基準(IAS)』と全面的に共通化される結果、日本の企業会計の透明性が高まることから、今後の国際的なM&Aにも大きく影響を与えることになりそうだ。

たとえば、日本独自の会計基準においては、合併される会社の資産を時価評価せずに帳簿価格のままで合算する『簿価方式』が採用されている一方、『国際会計基準(IAS)』や『米国会計基準(GAAP)』においては、『簿価方式』では含み損を使った経営者側の操作が入りやすいとして『時価方式』が採用されている。

また、M&Aの際の実際の投資額と時価評価された純資産額との差額である『のれん代』については、日本独自の会計基準においては、『のれん代』の要素であるブランド価値は減少していくという前提に立ち、資産として計上した『のれん代』を最長20年で毎年一定額を費用として計上することが義務付けられている一方、『国際会計基準』においては、ブランド価値は原則的には変わらないものとして、買収した事業の価値が大幅に減少した場合にのみ損失処理を行っている。

この『のれん代』の定期的な消却が不要になれば、買収する側の企業の経営者は期間損失への負担を気にせずに買収を検討することができるため、M&Aを利用して事業規模の拡大を狙うベンチャー企業にとっては、非常にメリットが大きいといえるだろう。

このように、日本の企業会計の透明性が高まる結果として、今後、日本企業をターゲットとした国際的なM&Aが急増するとみられるため、なんとも皮肉である。


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Last updated  August 11, 2007 10:55:40

August 4, 2007

★東証が株式移転により持ち株会社を設立
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


東京証券取引所は、8月1日付で、市場運営会社「東京証券取引所」からの株式移転により、持ち株会社「東京証券取引所グループ(資本金115億円)」を設立した。

さらに、証券取引法が改正された「金融商品取引法」が9月末に施行されるのをまち、持ち株会社が単独の発起人(100%出資)となって、「東京証券取引所自主規制法人」を設立する。

これらの組織再編により、持ち株会社は、市場運営会社と自主規制法人の完全親会社となるが、11月以降には、新体制での業務が開始される見通しだ。

また、持ち株会社は、早ければ来年12月にも東証に上場する計画で、この際の上場審査は、完全子会社である自主規制法人が担うことになる。

東証によると、今回の組織再編は「自主規制機能の独立性の強化」「自主規制機能の実効性の確保」「国際的な事業戦略上の自由度の向上」を目的としたものであるとし、さらに、完全子会社である自主規制法人などに影響を与えずに、完全親会社である持ち株会社が受け皿となって、国際的な証券取引所間の統合や提携にも適切に対応できるとしている。

既に海外では、持ち株会社方式のニューヨーク証券取引所(NYSE)グループが株式を上場しており、その持ち株会社を通じてユーロネクストとの統合を合意するなど、国際的な市場間競争が激化している。

2005年12月には、相次ぐ株式売買システムの障害という事態を受けて、与謝野馨金融担当相(当時)の批判なども浴び、2006年に計画していた株式上場計画をいったん凍結した東京証券取引所だが、投資家の信頼確保を図って、世界的に激化する市場間競争に打ち勝つためには、今後の運営手腕が厳しく問われることになるだろう。


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Last updated  August 4, 2007 13:11:54

July 27, 2007

★スティール・パートナーズの許可抗告を東京高裁が許可
[ ●【会社設立-Topics】 ]    


スティール・パートナーズは、ブルドックソースによる買収防衛策としての新株予約権発行の差し止めを求める仮処分申請を東京高裁が棄却したことを不服として、最高裁に特別抗告と許可抗告を行っていたが、平成19年7月27日に東京高裁は、最高裁への許可抗告を許可する決定を行った。

なお、ブルドックソースは、7月11日に既に新株予約権を発行済みのため、差し止めの対象は「新株予約権の発行」から「スティール・パートナーズ以外の株主への普通株式の交付」に変更されている。

ちなみに、高等裁判所の決定を不服として最高裁判所に通常抗告や即時抗告をすることは認められていないため、スティール・パートナーズは、民事訴訟法で特に認められている特別抗告と許可抗告を行ったものであるが、このうち特別抗告は、憲法の解釈の誤りその他の憲法違反がある場合に認められる抗告であり、許可抗告は、高等裁判所の決定が判例違反その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合で高等裁判所が許可したときに認められる抗告である。

ところで、買収防衛策として導入された取得条項付新株予約権をブルドックソースが強制的に取得する際の取得対価は、スティール以外の株主には新規発行される普通株式であるのに対して、スティールには金銭であるため、ブルドックソースが新株予約権を取得するとスティールが現在保有している普通株式の持ち株比率を相対的に低下させるという効果がある。

そのため、スティール側では「高裁決定には会社法の解釈に重大な誤りがあり、株主平等原則に反し不当に差別している」と訴え、さらに「スティールの財産権などを侵害し憲法違反」であると主張している。

今回、東京高裁が許可抗告を許可したことで、「濫用的買収者」と認定されたスティールとブルドックとの間の熾烈な争いは、最高裁判所に舞台を移すことになった。


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Last updated  July 27, 2007 20:48:30


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