日本では、昨年の王子製紙による北越製紙や今年6月のスティール・パートナーズによるブルドックソースのケースなど敵対的TOB(株式公開買付け)の失敗例が続いているが、初めて成功するのではと注目されていたダヴィンチによるテーオーシーの敵対的TOBも、平成19年7月24日、不成立に終わった。
もともとテーオーシーは、自社株を非上場化する目的で、4月6日から1株800円でMBO(マネジメント・バイ・アウト ※経営陣による自社株買収)を始めたが、ダヴィンチは、子会社の投資先であるテーオーシーの経営陣が、自ら『安すぎる価格』で自社株を買うことに納得せず、これに対抗して1株1100円でTOBを開始して、結局、テーオーシー側のMBOは不成立に終わったという経緯がある。
その後、ダヴィンチはTOBを成功させるため、買付価格を1株1308円に引き上げたが、これはテーオーシーのMBOの際のTOB価格800円を63.5%も上回る高水準のものだった。
しかし、テーオーシー創業一族の大谷家やニューオータニなどがマーケットで株を買い増したほか、大手生命保険会社や取引銀行などもダヴィンチのTOBに応募しなかったため、50.001%の株の取得ができずに、今回の敵対的TOBは不成立に終わった。
今回のTOBに関し、ダヴィンチの提案が論理的だったにもかかわらず十分な賛同が得られなかったことを受けて、「敵対的であっても信念を持って行動するような機関投資家の意識改革が働かないと、非効率な体制が温存される」という指摘もある。
さらに、市場では、テーオーシーに対して、「一度は1株800円でMBOを試みたにもかかわらず、63.5%のプレミアムを積んだダヴィンチに反対の意向を表明した根拠を明確に示しておらず、今度はTOB価格の1308円を上回る企業価値増大への期待に応えなければならないが、その道筋も示していない」という強い批判もあり、安易なMBOに一石を投じるケースになったといえるだろう。
また、好条件のTOBに応じなかった生命保険会社や銀行などの機関投資家についても、自らの株主や顧客に対する説明責任が問われることになりそうだ。
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Last updated
July 25, 2007 09:33:54