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三越(売上高8041億円・業界4位)と伊勢丹(売上高7817億円・業界5位)は、8月23日にそれぞれ取締役会を開催し、持ち株会社方式により経営統合することを正式決定した。 両社は、11月に臨時株主総会を開催して経営統合の承認を得た上で、共同持ち株会社である『三越伊勢丹ホールディングス』を2008年4月1日付けで設立し、その傘下に入ることになる。 株式の統合比率は、直近3ヶ月間の株価を基準に三越の含み益なども考慮して、伊勢丹株1株に対してホールディングス株を1株、三越株1株に対して同0.34株を割り当てることで合意した。 なお、持ち株会社の本店は、三越銀座店のある東京都中央区銀座に置かれる。 経営統合により、両社の売上高の合計額は1兆5858億円となるため、現在業界首位の高島屋(1兆494億円)を上回り、大丸と松坂屋ホールディングスの経営統合で今年9月に発足するJ・フロントリテイリング(1兆1736億円)も抜いて、国内最大規模の百貨店グループになる。 今回の経営統合の交渉を持ちかけたのは、経営状態の厳しい三越からという見方が強い。 三越は売上高で伊勢丹を上回っているものの、営業利益では三越の126億円に対して、伊勢丹は322億円と高い収益力を誇っているため、伊勢丹の経営ノウハウを取り込むことで経営再建を進める狙いがあるとみられるからだ。 また、北海道から九州まで全国各地に20の店舗網を持ち富裕層に強みをもつ三越と、首都圏を中心に13店を運営してファッション衣料を中心に若年層の支持を集める伊勢丹とは、お互いの補完関係が成り立ちやすいことに加え、「大都市を中心とした店舗網がないと先行きが厳しい」との見方もある。 大丸の奥田務会長が、松坂屋ホールディングスとの経営統合(J・フロントリテイリング)を発表した記者会見で、「将来、志を同じくするものたちの参加を、なるべく多く求めていきたい」と語ったように、三越には、老舗百貨店同士の『老舗連合(J・フロントリテイリング)』と経営統合するという選択肢もあったが、経営再建を最優先したものと思われる。 三越では、今年度中に第三者割当増資などによる800億円規模の資金調達を検討していることが明らかになっているが、経営統合する伊勢丹のほかに、三井住友銀行など三井グループの主要企業にも出資を要請する可能性もあるなど、財務面でも立て直しを急いでいる。 ちなみに、当初三越では、公募増資による資金調達も検討していたが、業績の伸び悩みで想定通りの調達が難しいと判断し、第三者割当増資を中心とした模様だ。 現在、百貨店業界では、人口の減少や専門店などとの競争激化を背景として再編の動きが加速している。 既に、2003年6月には、西武百貨店とそごうを傘下に持つ『ミレニアムリテイリング(売上高9665億円・業界2位)』が発足しているが、今年9月には、前述の大丸(売上高8370億円・業界3位)と松坂屋ホールディングス(売上高3366億円・業界7位)が経営統合して持ち株会社『J・フロントリテイリング(売上高1兆1736億円)』が発足するほか、10月には、阪急百貨店(売上高3959億円・業界6位)と阪神百貨店(売上高1108億円・業界9位)が経営統合して持ち株会社『エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング(売上高5067億円)』が設立される。 大丸の奥田務会長は、「(J・フロントリテイリングには)志を同じくする企業は受け入れる」と述べて、さらなる事業規模の拡大に前向きな姿勢を示す動きもあるため、業界トップから3位に下がる見通しとなった高島屋(売上高1兆494億円・業界1位)をはじめとして、伊勢丹と業務提携をした東急百貨店(売上高2643億円・業界8位)、伊勢丹と商品の共同仕入れを行う松屋や東武百貨店などが、新たな再編の中核を担う可能性もあり、今後の百貨店業界の動向が注目される。
Last updated
August 24, 2007 12:40:50
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