米シティグループは、10月2日に、既に67.2%の株式を保有する日興コーディアルグループの残りの株式を、来年1月に株式交換によりすべて取得して、日興を完全子会社化すると発表した。
今回の株式交換では、シティ以外の日興の株主が保有する株式のすべてを、シティの日本における子会社の「シティグループ・ジャパン・ホールディングス」に移転し、シティ以外の株主には、その対価として、親会社のシティ株式を交付するという「三角合併」の手法が採り入れられているため、今年の5月1日に組織再編行為の対価の柔軟化が解禁されて以来、「三角合併」方式の組織再編行為の初の事例ということになる。
今回の株式交換の規模は5300億円程度になる見通しだが、サブプライムローン問題で業績が悪化しているシティは、多額の現金の流出を避けて迅速に完全子会社化が実現できる手法として株式交換を選択したとみられる。
シティを除く日興の株主には、今春に日興が子会社化された際のTOB(株式公開買い付け)で設定された価格と同じ1株あたり1700円のシティ株が交付されるが、株式交換に反対の株主は、日興に対して株式買取請求を行うこともできる。
なお、日興がシティの100%子会社になった場合、各証券取引所では上場廃止となるが、現在シティは東京証券取引所に上場を申請しており、早ければ年内にも上場が認められる見通しのため、シティ株の交付を受ける日興の株主は、直接、東証でシティ株の売買を行うことも可能になる。
日興は、2006年12月に不正な利益の水増しによる会計処理が発覚し、東証などでは同社株が上場廃止の可能性もあるとして監理ポストに割り当てられるなどの結果を招き、当時の社長や会長らが引責辞任して顧客離れが起きたことから、信用補完のために、TOBでシティの傘下に入ったという経緯がある。
一方、シティは、2004年に富裕層向け部門による違法行為により金融庁から行政処分を受け、同部門が日本から撤退していたため、日本での事業拡大が課題となっていた。
今回、日興を完全子会社することで、シティは、日本国内のシティバンク銀行の支店数を現在の約30店舗から数年間で倍増するなど事業拡大を本格化する方針で、日興の110支店と合わせると、販売網は全国に広がって、大手金融グループに次ぐ規模となる。
世界最大級の金融グループである米シティが「三角合併」方式を活用したM&Aを行うことにより、今後、外資の同手法による日本企業買収が続く可能性もあるといえよう。
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Last updated
October 5, 2007 20:32:35