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××××× 「(ゴウッ)」
ヴォルガノス 「ッオラァ!(バシッ)」
ヴォルガノス 「……!! ガ……(何だ……痺れる……)」
ヴォルガノス 「(舞い上がった砂で、目が……)」
××××× 「(ゴウッ)」

ヴォルガノス 「(ズキィ)!(ぐっ……)」
ヴォルガノス 「(ぶつけた頭の傷が……)」
ヴォルガノス 「(ドゴォッ)ガァァ!」
ヴォルガノス 「…………(ズゥゥゥン)」

ヴォルガノス 「(何だ……この攻撃は……)」
ヴォルガノス 「(まるで、雷に打たれたような……)」
ヴォルガノス 「(か……体が……)」
ヴォルガノス 「(やはり……やはりこいつか……)」
ヴォルガノス 「(ラージャン……!!)」

ラージャン 「…………(グイッ)」
ヴォルガノス 「………………」
ラージャン 「裏切り者が…………」

ヴォルガノス 「………………隠れて……襲うたぁ…………随分じゃねぇか…………」
ラージャン 「(ググ)…………(ドゴォ!)」
ヴォルガノス 「グガッ!」
ラージャン 「殺しはしない……ただ、人間に組するものは、戦えない体にはなってもらう」
ヴォルガノス 「………………何ィ…………?」

ラージャン 「シェンの復活だ……じき、シャンロンの時代は終わる」
ヴォルガノス 「それで……先生を……つけてたってわけ……か?」
ラージャン 「………………」
ヴォルガノス 「不安になって……ククッ…………お笑い草ってなァこのことさ…………」

ヴォルガノス 「(まだか……クシャル……ティガ…………)」
ラージャン 「……俺の頭にゃァ……予約は二つしか入らないものでな……」
ヴォルガノス 「…………」
ラージャン 「残念ながら、予定は遂行する。どんな障害があろうとも(ググ……)」
ヴォルガノス 「ガ………………ッ」
ラージャン 「先生に手は出さん……しかし、あの人間は災厄だ……死んでもらう」
ヴォルガノス 「…………カカ…………ハハ…………ハハハッ!」
ラージャン 「……?」

ヴォルガノス 「先生には……手を出さん? よく言う…………」
ラージャン 「………………」
ヴォルガノス 「色狂いめ…………先生は…………もう既に……あんたのこたぁ…………二度と許しちゃぁくれねぇよ」
ラージャン 「(ブワッ!)」
ヴォルガノス 「(チッ……金色に……)」

ラージャン 「………………(グググ)」
ヴォルガノス 「ガ……ァ……」
ラージャン 「……!(バッ)」
ヴォルガノス 「(ドサッ)…………ガハッ……ガハッ……」

ナナ・テスカトリ 「ヴォル君! どこにいるんですか、ヴォル君!」
ナナ・テスカトリ 「砂嵐で姿が見えないんです、返事をしてください!」
モノブロス 「アニキィィ~! どこだぁぁ~!」

ラージャン 「…………チッ(ズザァッ)」
ヴォルガノス 「………………(砂に……くそっ、逃がして……)」
ヴォルガノス 「(ガクッ)」
ヴォルガノス 「(くそ……頭の傷……思い切り殴りやがってからに……)」
ヴォルガノス 「(まずい……また、意識が…………)」
ヴォルガノス 「……………………」



―数分後、砂漠、秘境―

ナナ・テスカトリ 「はぁ……はぁ……」
ナナ・テスカトリ 「(こんなところに入り口があったなんて……)」
ナナ・テスカトリ 「(だいぶ深くまで潜ったわ……ここまで来れば大丈夫ね……)」

ナナ・テスカトリ 「(……それより……)」
ヴォルガノス 「…………」
ナナ・テスカトリ 「(ヴォル君がまだ目を醒まさない……随分酷く首を絞められたんだわ……)」
ナナ・テスカトリ 「(一体、どうしたら……)」

モノブロス 「ふぅ(どっかり)ナナ先生! おひさしぶりっス! マッジ久しぶりっス。相変わらずお美しくて俺感動っス」
ナナ・テスカトリ 「あ……ありがとう。それより、老師は……」
モノブロス 「よいしょっと(ズゥン)アニキをここに降ろして……」
ヴォルガノス 「…………」
モノブロス 「こっちスよ。んま、どこのどいつがやったのか知らないですけど、アニキは恨み買うタイプだからなァァ~」

ナナ・テスカトリ 「それにしてはこれは、酷い……随分手酷く殴られて……一体誰が……」
モノブロス 「あぁ、へーきへーき。師匠の修行の時なんざ、俺なんざ脳挫傷して、一週間も意識がなかった時がありますからねぇ」
ナナ・テスカトリ 「一週間……」
モノブロス 「この秘境の出入り口は、俺ら夢幻砂漠流の奴らしか知らないんっスよ。安心してくんせぇ」

モノブロス 「ちっと人呼んできますわ」
ナナ・テスカトリ 「ええ。お願いできるかしら」
モノブロス 「しっかし、先生さ、その背中にくっつけてんの、餌っスか? 悪ィけど、老師は肉は食いませんス」
ナナ・テスカトリ 「え!? 違うわ。この子は、イャンクック様の保護されている娘さんで、助けていただくためにお伺いしたの」
モノブロス 「人間をぉぉぉ~? へぇぇぇ、先生も好きモノ、ぁいゃ違った。モノ好きっスね。人間かぁ……」

ナナ・テスカトリ 「…………そういうわけなのです。失礼は承知よ。老師に、何とかお話を通してもらえないかしら……」
モノブロス 「いやいやー、先生の頼みっつーなら、そりゃ聞きますよ? アニキもこうだし。ま、偶然俺が通りかかって良かったス」
ヴォルガノス 「…………」
モノブロス 「なーんかこのやられ方、覚えがあるようなないような……とっかく先生、ここらで待っててくだせぇス」
ナナ・テスカトリ 「ええ、分かったわ」
モノブロス 「そこらへんに座っててくんなまし。あ、少し右に泉があるっス。ほいじゃ(ドスドスドス)」

ナナ・テスカトリ 「(ヴォル君……砂嵐が収まった後、気を失って倒れていたけれど……)」
ナナ・テスカトリ 「(誰かに、後をつけられていた……)」
ナナ・テスカトリ 「(出発前から、ヴォル君の様子がおかしかったのは、そのせい……)」
ナナ・テスカトリ 「(何ということ……わたくしは気づきもせず、教え子が傷ついている間、狼狽しているだけでした……)」

ナナ・テスカトリ 「(許されることではありません……)」
ナナ・テスカトリ 「(…………)」
ナナ・テスカトリ 「(このやり方……)」
ナナ・テスカトリ 「(もしかして……)」

女児 「う……うぅ……」
ナナ・テスカトリ 「……(この子にも水を飲ませなければ)」
ナナ・テスカトリ 「(ドス、ドス)よっ……」
女児 「…………」
ナナ・テスカトリ 「(石が光っていて明るい……良かった……)」

ナナ・テスカトリ 「(この、大きなサボテンの影に砂がたまっている……ここにしましょう)」
ナナ・テスカトリ 「(私の尻尾に水を含ませて……)」
ナナ・テスカトリ 「………………」
女児 「(ごく、ごく)」

ナナ・テスカトリ 「……(水を飲む力は、まだ残っているみたい……)」
ナナ・テスカトリ 「(良かった……)」
ナナ・テスカトリ 「(ヴォル君にも……)」
ナナ・テスカトリ 「(……?)」
ナナ・テスカトリ 「(何か、地鳴りのような音が……)」

×××××× 「(ドドォォォンッ)」
ナナ・テスカトリ 「きゃあ!」
ナナ・テスカトリ 「(地面の中から、誰かが……)」
ドスガレオス 「ちわっす。兄弟子から話ィ聞いてきました」

ナナ・テスカトリ 「あなたは……ドスガレオス君!」
ドスガレオス 「ナナ先生、こんちは」
ナナ・テスカトリ 「老師の所に弟子入りしたのですか? 前に見たときは随分と小さかったのに、大きくなって」
ドスガレオス 「いやぁ、そうなんスよ。老師に引き抜かれまして。暑い中、わざわざご苦労さんです」
ナナ・テスカトリ 「こちらこそ、丁寧にありがとう」
ドスガレオス 「事情はあらかた兄弟子から聞きました。っと、失礼(ずいっ)」

ドスガレオス 「あー、締め落とされたんですね。こりゃ駄目だ、多分頚椎がズレてる」
ナナ・テスカトリ 「頚椎が!?」
ドスガレオス 「あーあー心配ないです。よくあることですから。よいしょ」
ナナ・テスカトリ 「よくあるのですか!?」

ヴォルガノス 「…………」
ドスガレオス 「ハンターですか? 強い奴がいるんですね」
ナナ・テスカトリ 「そ……それは……私にもよくは……」
ドスガレオス 「……で、それが問題のアレですか」

女児 「…………」
ドスガレオス 「とにかく上に見せましょう。行きますよ(ズルズル)」
ナナ・テスカトリ 「ちょ……ドスガレオス君! ヴォル君は重症なんですよ!? そんな、尻尾を引っ張って……」
ドスガレオス 「兄弟子は重いんで、担ぎ上げるのは俺では無理なんで。それに、不思議とこれくらいじゃ死なないんです俺ら」

ナナ・テスカトリ 「そんな無根拠な……」
ドスガレオス 「ほら、先生。ぐずぐずしてっとその子危ないんでしょ? 連れてきてください(ズルズル)」
ヴォルガノス 「………………」
ドスガレオス 「師匠達は、この秘境地下奥の洞窟にいらっしゃるんで」

―秘境、地下―

ナナ・テスカトリ 「地上はあんなに熱かったのに、今度はひんやりしていて……むしろ肌寒い……こんなところがあったなんて」
ドスガレオス 「師匠は滅多なことじゃ、ここを出ることさえされませんから、俺にとっちゃ外が暑すぎて……(ズルズル)」
ナナ・テスカトリ 「ドスガレオス君、ちょっと待って。さっきからヴォル君の頭が、いろんなところにぶつかっているわ」

ドスガレオス 「あぁ、こりゃ失敬。でもどうせ気を失ってるんですから、気にしなくていいのに」
ナナ・テスカトリ 「そういうわけには参りませんよ……わたくしが頭を持ちますから」
ドスガレオス 「マジですか? 悪いですね」
××××××× 「悪いですねそれは。あなたは何を、女性に荷物運びをさせようとしているのですか」

ナナ・テスカトリ 「その声は……」
黒ディアブロス 「久方ぶりにお目にかかりますマドモアゼル。最後にお会いしたのは、十年程前のことになりますでしょうか」
ナナ・テスカトリ 「黒ディアブロス様!」
ドスガレオス 「げっ……」
黒ディアブロス 「いかにも。この地下秘境にて、我が主ディアブロスの執事を務めさせていただいております黒ディアでございます」

次回に続きます

イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」 目次へ





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最終更新日  2009.06.06 22:21:12
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