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テーマ:日々自然観察(9868)
カテゴリ:植物(木本)
このフヨウ、家を改造したとき庭に植えた木から生じた実生で、親の方はとっくのとうに枯れてしまった。親に似ず、こちらは矢鱈に繁茂したので植木鉢に移したのだが、フヨウは根が高温になると駄目らしく、その後はまるで成長せず、花の着き方も景気が宜しくない。 花色は、昔は薄い桃色だったような気がする。しかし、今では真っ白と言ってよい花を着ける。
実のところ、余り好きな花ではない。その余り好きではない花を掲載するのには、些か訳がある。 昨年掲載したオオハナアブのところで、その体に着いていた触発機雷の様な形をした白い「物体」をダニの卵ではないかと書いた。しかし、これは大誤りで、フヨウ、或いは、その他のHibiscus属の花粉だったのである。 オオハナアブを掲載した約2週間後、フヨウに訪花していたチャバネセセリの写真を撮ったところ、このチャバネセセリの体中に「触発機雷型」が着いていた。写真にはフヨウの雄蕊も写っていて、雄蕊に着いている花粉が正にこの「触発機雷」であることが判明したのである。下の写真は、フヨウの花から飛び出して、ウメの葉に留まったチャバネセセリ。
直ぐにことのことを掲載しようと思ったのだが、フヨウは一日花、しかもそれが最後の花で、チャンとしたフヨウの写真が撮れなかった。そこで、次の年、即ち、今年フヨウが咲いたら訂正を兼ねて、フヨウの花粉を掲載することにしていたのである。 なお、先日ハナアブを研究されている市毛氏からも、オオハナアブに着いている「触発機雷」は花粉であることを御指摘いただいた。記して御礼申し上げる。
しかしながら、大きな花粉である。直径0.16~0.18mm、こんなに大きな花粉があるとは全く想像だにしなかった。 上の写真では球形に見えるが、これをピクセル等倍表示にすれば、トゲトゲのある「触発機雷」型であることが分かる。しかし、全体的に非常に低コントラストであり、見やすくする為にコントラストを無理矢理上げると、酷く荒れてしまう。其処で、「超接写システム」で撮影することにした(下の写真)が、「超接写システム」を使っても、やはり無理にコントラストを上げざろうをえないので、かなり荒れた感じになってしまったのは致し方ない。
花粉ばかりでは些か不公平かもしれないので、雌蕊の先、柱頭の写真も撮ってみた。拡大すると、まるで1個の花の様にも見える。先が5個に分かれているのは、心皮が5つあるからであろう。 これも超接写システムで撮ろうかと思ったが、何だかノッペラボウみたいで、撮っても仕方がない感じがしたので撮らなかった。
此処暫く、我が家の庭は夏枯れ状態で、更新をサボり気味であった。もう少しすれば、秋の訪れと共に更新頻度も高まるであろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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