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テーマ:日々自然観察(9868)
カテゴリ:昆虫(カメムシ)
カスミカメムシと言っても、余り馴染みがないのではないかと思われる。しかし、カスミカメムシ類はそれだけで1科を成しているばかりでなく、日本産カメムシ約700余種の半数以上を占める大家族なのである。ただ、種類は多くても、殆どは体長5mm以下で、一般の眼に触れる機会は少ない。このオオクロセダカカスミカメも、肉眼で一見したところでは、毛虫の糞としか思えない様な外見である。
しかし、寸詰まりの「毛虫の糞」の様なカスミカメは比較的少数で、体形としてはこの辺りにも多い(但し、我が家で見たことはない)ウスモンミドリカスミカメや、昨年紹介したヨモギヒョウタンカスミカメの様な形が一番多く、中には、イネの大害虫として有名なイネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の様に細長い種類も居る。
カスミカメムシには、型こそ小さいが、斑点米を生じさせたりする「悪い虫」がかなり居る。其処で、このオオクロセダカカスミカメはどうかと思い、「"オオクロセダカカスミカメ" (防除|駆除)」で検索してみたが、有意なヒットは一つも無かった。 初めに見付けたときはクリスマスローズの葉上に居た。しかし、その後の行動を見ると、目当てはその直ぐ横に生えているツユクサの様である。こんなものの汁を吸って栄養になるのかと些か心配になるが、調べてみると、専らツユクサに寄生する種類の様である。害虫扱いされていないのも当然であった。
実を言うと、初めに見たときはオオクロセダカカスミカメではなくヒメセダカカスミカメだと思った。と言うのは、外見がよく似ているだけでなく、1ヶ月程前に、町の少し奥の方にある草原にヒメセダカが沢山居るのを見付けたからである。 危うくまた誤認するところであったが、「日本原色カメムシ図鑑(第1巻)」に載っているヒメセダカカスミカメの写真は、実はオオクロセダカカスミカメの誤りである。第2巻に訂正が出ている。専門家でも間違えるのだから、素人が間違えそうになるのも致し方ないと言える。
カスミカメ君、せっかく涼しくなって活動を始めたのに、このところ毎日冷たい雨でまた姿が見えない。天気が回復すればまた出て来ると思うが、その直ぐ横に居たシマバエ科の未記載種やその他の綺麗なハエ達も一緒に姿を現して欲しいものである(そりゃ~無理と言うもんだ)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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