4544031 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カテゴリ

カレンダー

バックナンバー

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08
2023.07

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

生き物観察が趣味の者です@東京@ Re:コマユバチ(繭と成虫)(11/12) 初めまして。 ハギの枝に黄色い毛玉の様な…
先生へ@ Re:ハナアブの幼虫(オナガウジ:尾長蛆)(05/21) ためていた水に生息していて、生まれて初…
srpfly@ Re:ショウジョウバエの1種(07/28) it is not a Drosophilidae (ショウジョウ…
蓼科委員@ Re:スミレの閉鎖花(11/17) 閉鎖花としてアップされている画像はすで…
蓼科委員@ Re:スミレの閉鎖花(11/17) 閉鎖花としてアップされている画像はすで…
飛ぶ本@ Re:クサギカメムシの幼虫(初齢)(07/31) 初めまして。 とても分かりやすく勉強に…
おかんー子どもの頃は虫好き@ Re:エゾギクキンウワバ(蛹と成虫)(12/01) 生協で届いたモロヘイヤについていた5mmほ…
2009.08.27
XML
カテゴリ:昆虫(蝶)


 此処暫く5mm以下の小昆虫が続いていたが、今日は久しぶりに大きな虫を紹介する。サトキマダラヒカゲ(Neope goschkevitschii)、開張5~6cm、やや大型のジャノメチョウの仲間である。この専ら単子葉植物を食草とし、多くは日陰を好むグループは、以前はジャノメチョウ科として独立の科になっていたが、今ではタテハチョウ科ジャノメチョウ亜科とするのが一般的らしい。



サトキマダラヒカゲ1


サトキマダラヒカゲ.拡大すると鱗粉が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 この蝶、私が高校生の頃までは只の「キマダラヒカゲ」と呼ばれていた。それが1970年頃にサトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲと言う2種に分けられた。サトとヤマの紋様の違いは非常にビミョーで、両者を並べて比較しても良く分からない程の差異である。此処で一方だけの写真を出して、その違いについて書いても殆ど意味が無いと思われるので、その違いについては省略する。



サトキマダラヒカゲ2


サトキマダラヒカゲの鱗粉.被写界深度が浅いので

凹凸のある翅の一部にしか焦点が合っていない

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 紋様は酷似していても、この両者、名前から察せられる様に、棲息する場所が異なる。我が家は世田谷区の標高40m位の所にあるので、文句なしにサトキマダラヒカゲと相成る。しかし、サトは低地、ヤマは山地・・・なのだが、一般的にはそう単純には行かない。ヤマは本州中部では標高240~2000mに分布するが、サトの方も標高1500mを越える亜高山帯にまで棲息するのである。山地で採集したキマダラヒカゲは、そのビミョーな斑紋の違いを見極めて、ヤマかサトかを決めなければならない。


サトキマダラヒカゲ3


サトキマダラヒカゲの横顔.口の下に普段は使わない前脚が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 しかし、2種に分けられたのは、その殆ど見分けが付かない程の微妙な斑紋の差異だけを根拠としたのではない。幼虫の形態や成虫の行動にも差があり、それらの違いを丹念に調べ上げた結果、2種あるとの結論になったのだそうである。

 これを調べたのは高橋真弓氏と言う当時高校の教諭で、その後日本鱗翅学会(アマチュア中心の学会)の会長なども務めた方である(一見御婦人の様な名前だが男の人)。


サトキマダラヒカゲ4


サトキマダラヒカゲの顔.触角が赤いのが印象的

複眼にはかなり長い毛が生えている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 何時もの様に、顔写真を撮ってみた。データをコムピュータに移し、拡大した像を見て驚いたことは、この蝶の複眼に沢山の毛が生えていたことである。しかも、その毛がかなり長い。双翅目(蠅、虻、蚊)には複眼に毛の生えた種類がかなりあるが、鱗翅目(蝶、蛾)ではこれが始めてである。或いは、今まで撮った蝶の中にも良く見れば毛が生えている種類が居たかも知れない。これからは眼の毛にも気をつけてみよう。


サトキマダラヒカゲ5


上の写真の部分拡大.毛で覆われた複眼の中に個眼が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2009/08/26)

 このサトキマダラヒカゲ、昔は我が家の常連で、秋になると柿の落ちた実などにキタテハと一緒に集っていた。しかし、最近はその数がグッと少なくなった。年に2回位しか姿を見せない。尤も、一緒に居たキタテハの方はもっと少なくなって、全く姿を見ない年の方が多い・・・。余り昔のことを想い出すと、何か寂しくなって来る。思い出話は止めにしよう。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009.08.27 14:38:30
コメント(14) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.