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テーマ:日々自然観察(9868)
カテゴリ:昆虫(バッタ、コオロギ、キリギリス)
主にイネ科の植物を食べるので、イネ科の雑草が少ない住宅地には普段は現れないバッタである。少し奥の方の畑や草地がある所には沢山居るが、我が家では今まで見たことは多分無いと思う。それが何故か、我が家の庭にやって来た。しかも、留まっているのはハギの枝、イネ科植物に留まっているのを見慣れているので、ショウリョウバッタとハギの組み合わせは何となく奇妙である。 前の日に大雨が降ったので、雨を避けようとして、こんな所に来てしまったのだろうか。ヒョッとすると、お家に帰れなくて、途方に暮れているのかも知れない。
ショウリョウバッタの複眼を背側から撮ってみた(下)。以前紹介したオンブバッタ(バッタ上科オンブバッタ科)には、複眼の内側に他とは少し異なって見える膨れた部分があったが、このショウリョウバッタの複眼は殆ど均質に見える。
少し斜めだが、腹側から見ると、下の写真の如し。何とも冴えない馬面!!。左右の複眼の間やや下側と、複眼の上に小さな白っぽい略円形の構造が見える。始めは何かと訝ったが、バッタの単眼であった。
下の写真で分かるとおり、単眼は反対側の複眼の上にもチャンとあり、セミなどと同じく全部で3個。同じ単眼でもクモ類の単眼は結像するカメラ眼であり、その意味では人間の眼に近いが、昆虫の単眼は単なる光受容器で、結像することは無くただ明暗が分かるだけらしい。 多くの昆虫では、単眼は頭頂付近にあり、背側を向いている。背側は一般に空の方向だから、昼夜の区別や、空からの天敵の接近を感知するのに役に立って居るのかも知れない。これに対し、このバッタの単眼はどちらかと言えば腹側にある。腹側からの明暗に関する情報と言うのは一体何だろうか。ショウリョウバッタやオンブバッタは、下の写真の様に、頭部をやや立てていることが多い。これは、或いは、単眼が下向きではなく前に向く様にする為なのかも知れない。
複眼の上にある単眼を拡大してみた(下)。何か水滴が付いている様に見えるが、雨はずっと前に止んでいる。この水滴様のものは集光レンズの役目を果たしているのかも知れない。セミやハチの単眼とは大部外観が異なる単眼である。
其処で、体の中央腹面にある単眼も等倍接写して良く観察してみようと思い、カメラを持ってもう一度ハギの木のあるところに行ってみた。しかし、もうバッタは何処にも見当たらなかった。やはり、バッタの方としてもハギの木では何となく落ち着きが悪かったのかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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