クロニクル 安田火災、ゴッホの「ひまわり」を落札
1987(昭和62)年30日
ちょうど25年ですから、四半世紀前のことになります。この日ロンドンの美術品オークションで、安田火災海上保険は、ゴッホの「ひまわり」を53億円という高値で落札しました。
バブル景気の前半期のことです。この頃からジャパンマネーが海外の美術品や土地・建物を高値で買い漁る姿が目立つようになり、美術品や不動産価格の高騰を招き、顰蹙をかったのですが、バブル崩壊と共に、昔日の勢いを失います。
安田火災の「ひまわり」は。現在も新宿の超高層ビルの一郭を占める、損保ジャパンの本社ビルにある美術館で参観者を楽しませてくれていますが、当時の大昭和製紙の会長が高値買いした美術品は、1度も参観に供されることもなく死蔵され、そのうちバブル崩壊による借金の清算のために競売にかけられ、今度は海外勢に安値でさらわれるという、何ともみっともないことになりました。
三菱地所が購入したNYのロックフェラーセンターなどについても、同じことがいえそうです。「実るほど、頭(こうべ)を垂れる 稲穂かな」という名言が日本にはありますが、バブルに浮かれて稲穂の精神を忘れるような、ボンクラ経営者が跋扈していたのですから、
こうしたボンクラ経営者の全てを追放できたのだとすれば、バブル崩壊後のながぁーい苦難の時期も、大きな意味を持った期間だったといえるのですが、果してどうなのでしょうか。
未だ世の社長族も、玉石混淆状態のように見えてならないのが残念ですね。 「悪銭身につかず」といった連中は追放したいものです。