カテゴリ:銀輪万葉
(その2)三室山から龍田大社まで 三室山は竜田川の右岸にある小さな丘である。古来からの歌枕。 東側・竜田川側の入口は、ご覧の通り、階段ですから、自転車を担いで登るしかない。南側の入口はスロープになっているが、通常は閉ざされている。但し、横合いから入れるので、自転車なら、こちらの入口がお勧め。まあ、下に停めて置くならどちらでもいいが。 あづま屋で休憩しながら、水分補給をしていると、あづま屋の柱にこの蝶が飛んで来ました。 合流点からは大和川の堤防の道を行く。この道はこれまでも何度か自転車で走っているお馴染の道である。万葉ウオークでは昭和橋を渡って左岸を歩き、多聞橋で右岸に渡り竜田大社へと向かう予定にしているが、今回は右岸の丘の上にある春日神社にも立ち寄ってみることに。境内奥に一針薬師笠石仏がある。 多聞橋から県道を西に入って坂道を登ってゆくと龍田大社である。 龍田大社拝殿の脇に高橋虫麻呂の長歌の万葉歌碑がある。 島山を い行きめぐれる 河副の 丘辺の道ゆ 昨日こそ わが越え来しか 一夜のみ 宿たりしからに 峯の上の 桜の花は 滝の瀬ゆ 落ちて流る 君が見む その日までには 山下の 風な吹きそと うち越えて 名に負へる社に 風祭せな (万葉集巻9-1751 高橋虫麻呂) (島山を行き巡っている川沿いの岡辺の道を、昨日私は越えて来たばかり。たった一晩泊っただけなのに、山の上の桜の花は、激流の早瀬の上に落ちて流れている。君がご覧になるその日までは、山おろしの風は吹かないでくれと、竜田道を越えて、風の神として名高い社で、風祭をしよう。) (注)島山=水に面した土地を水面を隔てて眺めていう語。 い行相の 坂のふもとに 咲きををる (行き合いの坂の麓に、今を盛りと咲いている桜の花を見せてやる、可愛い少女がいたらいいのだが。) (注)い行相の坂=国境の坂。隣り合った国の境は双方の国 この後、JR三郷駅方向へ向かい、神南備神社、犬養万葉歌碑、磐瀬の杜(三郷町立野)へと続くのであるが、いささか疲れたので、本日はここまで。続きは、また明日です。
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